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人生初の氷河、迫力にひそむ儚さ(エルカラファテ/アルゼンチン)

2023年11月14日、世界一周旅行の幕が上がる。
南米に始まりじわじわと日本に近づいていく魂胆。
パートナーと共にだいたい3年ほどかけて巡るつもり。
旅情80%ぐらいのかんじで緩く書いてまいります。

チリ47日の旅を終えて今日はアルゼンチンへ。

チリのプエルトナタレスからバスで6時間ほど、国境を越えてアルゼンチンのエルカラファテへ。
税関でのチェックもないし、混んでないし早くてスムーズな越境だった。

エルカラファテのロゴマーク

エルカラファテの街にはラベンダーがたくさん植えられてあって側を通るといい香りが微かにほのめく。
中心地は並木の道になっていて、観光客向けの店が多いけれど綺麗な街並みだった。
チリよりもアルゼンチンの方が国の経済発展が進んでいることが街並みからよくわかる。

ラベンダーとすれ違う時は深呼吸、スーハー
中心地にあるレストランやお土産屋さんがある通り
ドミトリーの宿、綺麗に施されてある

お昼からはエルカラファテのメインイベント、ペリトモレノ氷河を見にロスグラシアレス国立公園へ。
生まれて初めて氷河を見た。
そもそも氷河、氷山、流氷、この辺のしっかりとした定義を知らない。
学校で習ったのかもしれないが、覚えていない。
遠い存在すぎて考えたこともなかったな。
ロスグラシアレス国立公園ではそんな遠い存在の氷河に限りなく近くで対峙できる。

人生初の氷河
長さ約30キロ、高さ約60メートル
第一印象は「でっかい!」

今まで見たでかい氷ってせいぜいプリンのカップ使って作った氷ぐらい。一人暮らししていた頃お風呂で溶かして遊んだな。
人生デカ氷ランキング1位に躍り出たのはペリトモレノ氷河で、プリン型の氷をみて喜んでいた思い出が霞む。

氷河なので河のように動いていて、1日で平均2mも進むらしい。
ロスグラシアレス国立公園は整備された遊歩道があり綺麗で居心地がいい。
高台まで登ると氷河を見下ろせる。
上から写真を撮ると流れができているのがよく分かる。
光が強いとなお綺麗で、周りの湖も美しかった。

奥の高いところから手前に向かって流れる氷
青く美しい湖

ペリトモレノ氷河は温暖氷河というやつらしく、気温0度以上になっても溶けないらしい。
積雪→溶ける→固まる→積雪の繰り返しで氷の密度が高く溶けにくいそう。
実際歩いてると長袖Tシャツだけで大丈夫なくらいの気温で太陽がでるとポカポカ暑くなる。
こんなところに氷河があるなんて、知らなかった。
氷河って雪に覆い尽くされた真っ白な世界に存在していると思っていた。
こんなに緑豊かなところにあるのが驚きだった。
辺りには花が咲き、虫も鳥もいる。

氷河のすぐそばに生物が息づく気配がある
植物もたくましく実っている

同じ氷河といっても南極やアラスカにある氷河とは全然別物なんだろう。
多様性に満ちている自然、氷河もそうだとは知らなかった。

温暖氷河ということで、崩れるところを見れるのがペリトモレノ氷河ならではらしく、崩壊を何回かみれた。
亀裂が入るパキッて音があたりに響き雷みたいな音が轟く。格好いい。
実際にみると迫力があり、全てが圧倒的なパワーを持っていて自分の全てがちっぽけに思える。
ちっぽけらしくしとくつもりはないけれど。
なんて生意気なことを思ってみる。

次の日、街から無料シャトルバスで20分ほどのところにある氷の博物館に行った。
そこに展示されている実際の雪の結晶の写真をみてびっくりした。
自然界の美術担当ちょっと話を聞かせてほしい。

隙のない緻密な美

これ、ずっと見ていられる。
まるで人為的に作られたもののようにおもうけれど、私たちが美しいと思う造形の全ては自然界から派生したものなのかもしれない。

迫力や壮大さの内側にはこんなにも繊細で儚い美しさが含まれているのだと思うと、やっぱりわたしはちっぽけな存在だ。
でもそれを自覚して、ちっぽけな自分がなんだか心地いいと思えるのが旅の情趣だよね。


プロフィール:

1996年、サブカルインドア人間として大阪にて誕生。
服飾専門学校卒業後テキスタイルデザイナーを務めるが都会的な暮らしや流行に嫌気がさし退職。
2021年、沖縄県の宮古島に移住。
趣味だったハンドメイドウィービングや料理の仕事に就く傍ら、フリーダビングにはまり毎日海で泳ぐ。
さらなる自然への興味と世界を深く解釈したい欲が矢を放ち、世界を駆ける。
ラジオとゲーム実況が好き。

良ければインスタグラムも覗いてみてください。
https://www.instagram.com/_maryo.san_

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