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世界最南端の街でみた動植物の色めき(ウシュアイア/アルゼンチン)ビーグル水道

2023年11月14日、世界一周旅行の幕が上がる。
南米に始まりじわじわと日本に近づいていく魂胆。
パートナーと共にだいたい3年ほどかけて巡るつもり。
旅情80%ぐらいのかんじで緩く書いてまいります。

アルゼンチン滞在6日目。
世界で1番南の都市、ウシュアイアに来た。
南極までわずか1250kmの距離。

目当てはビーグル水道でペンギンを見ること。
ビーグル水道はチリとアルゼンチンの国境であり、太平洋と大西洋を繋ぐ海峡でもある。
小さな島や岩礁がたくさんあって、そこにオタリア(アシカに似た動物)やペンギン、海鳥が生息している。
ビーグル水道はボートで巡るのでツアー参加が必須。
ペンギンが生息している島に行くツアーはウシュアイアの街からは離れているのでちょっと値段が高かった。
街でいろんなツアー会社を探して、比較的安かったところを予約した。

参加者は全員で6人、小さなフェリーに乗って港を出発。

温かみのある可愛いフェリー

出発してすぐ甲板へと上がり海を眺めた。
風がかなり冷たかったけれどここでビーグル水道に生息する動植物についての説明が始まった。

地図と本を広げると一気に冒険感が出てテンションが上がる。

今日はこいつらに会うぜ!的な説明が続く中、その中にペンギンがいなかったのでおかしいなと思い尋ねてみた。
そしたらなんとペンギンの場所にはいかないよと言われた。
ショック!今すぐこの船からおろしてくれと思った。
が、子どもじゃないので言葉を飲み込んだ。

だけどペンギンのとこ行かないにしてはこのツアー結構高いじゃん!とかペンギンのためにこんな果ての街まで来たのに!とかいろんな悪態が頭を巡る。
今からどうにかなるわけじゃないけれど「受付でツアーの説明してくれたお兄さんがペンギン見れるっていうから予約したんだよ」って伝えたらそれは本当にごめん!と言われた。
今からどうにかなるわけじゃないなと改めて思った。
それにペンギン見たい!とか言ってこれ以上ごねるのもダサすぎる。
このガイドの人は別に悪くないし、せっかくだし楽しむしかない。仕方ない。

まあ、こうやってnote書いてる今もペンギン見たかったな...と思っている。

船は進み、オタリアと海鳥の群れが見れるポイントへ。
なかなかの迫力。極寒と思えないオタリアのくつろぎっぷりが可愛い。
この島は本来灰色だそうだが表面が白くなっている。全部海鳥のフンらしい。なんと。

海鳥のカラーリングがペンギンに似ている。ああ、ペンギン。だめだめ、忘れなきゃ。

さらにフェリーは進み上陸できる離島へ。
エイチアイランドという島。上からみるとHの形になっているという安直ネーミング。

見たことのない植物が茂っている。

ここに来るツアー会社は少ないようで、私たちしかいなかった。
一応足元は道のようになっているけれど、ほぼ自然のありのままといった感じ。

踏ん張らないと転けそうになるぐらいの爆風、極寒。
そんな中、南極が近いなんて思えないほどに逞しく茂る植物。
この爆風に対応して全て背が低い。一番大きくて私の膝程度。
過酷な環境ながら、花も実も育っている。
こんな世界の果ての島にまで色づきがあるだなんで思いもしていなった。
南極までわずか1250km、真っ白の氷の土地の手前ともなれば荒れた海やハゲた山岳があるイメージだった。
実際はしっかりと緑が息づいている。

地球は隅々まで強かで美しいな。と思った。
(ぜひ隅々まで見てから言いたい)

丘を登って行く。太陽が出るとなお美しい。

小一時間ほどのトレッキングを楽しんだ。
歩き進める中、食べれる木の実や海藻もあった。

Gaultheria mucronata(真珠の木)という実
甘酸っぱい。ラズベリーとブルーベリーを合わせた感じの味。
Cochayuyoという海藻

この海藻は海岸に落ちていて乾燥していた。
産業廃棄物みたいな見た目だけどちぎって食べてみた。
茎わかめみたいな味でおいしい。

かつてはこの離島で暮らす民族がいたようで、海藻や貝、木の実、オタリアを狩って食べていたらしい。

冷たい強風に煽られながらかつての民族が残した小さな貝塚を眺めて思った。
人間って逞しい。
オタリアはさっき見たけれどなかなかの大きさだった。人間よりはるかに大きい。それを素潜りで狩っていただなんて。
当たり前だけどゴーグルや水着もない時代。
この極寒の中、裸で素潜りしていたようで人間の環境順応力の高さに驚く。
動植物ばかりに感動していたけれど私たち人間も強く逞しい生き物で、素晴らしい地球の一部なんだ。

ちなみに、オタリアとアシカの違いが気にならないだろうか?
宿に戻ってから調べてみた。
「オタリアはアシカより耳たぶが短い」と書いていた。
耳たぶどこ?


プロフィール:

1996年、サブカルインドア人間として大阪にて誕生。
服飾専門学校卒業後テキスタイルデザイナーを務めるが都会的な暮らしや流行に嫌気がさし退職。
2021年、沖縄県の宮古島に移住。
趣味だったハンドメイドウィービングや料理の仕事に就く傍ら、フリーダビングにはまり毎日海で泳ぐ。
さらなる自然への興味と世界を深く解釈したい欲が矢を放ち、世界を駆ける。
ラジオとゲーム実況が好き。

良ければインスタグラムも覗いてみてください。
https://www.instagram.com/_maryo.san_


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