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新社会人のあなたへ、私が心地良さを大切にする理由


今年はひと足早く桜が散り始めている。
クラス替えにどきどきしたり、新しい学年に期待を感じたり、新年度に浮き足立つ学生時代ほど今は4月の景色に鮮やかさはない。
ただ「また職業人としての歴を重ねてしまった」「これでいいんだろうか」という思いが強くなるばかり。

もう<中堅>と言われる位置に足を踏み入れかけて、ようやくこの仕事と前向きに向き合えるようになってきたかなあという雰囲気を感じている。


私は、もともと「どうしてもなりたくてなった仕事」というよりは生きるために仕方なく働いているタイプの人間で。それでも最初は頑張ろうとしていた。いろんな人が言う「せめて3年は」という言葉を胸に。

だけども、すぐにそれは打ち砕かれて、とにかく早く仕事を辞めたくて仕方なかった。し、新卒で勤めた職場では体調を崩した経験もある。

私が勤めているのは命に係わる現場なので、ミスが起きた原因を上司から追究されるのは新人の洗礼だと思うけれど、あたった上司が悪くその言われ様は酷かった。
何か言われそうなことは絶対したくないし、できれば責任から逃げたくなるし言い訳もしたくなる。何としてでも上手くやらなければというストレスで疲弊し、気づいたときには心は荒んでいた。

毎日夜になると絶望を感じて、朝が来るのが怖くて何度も目が覚める。
ある日、何もしてないのに急に涙が出て苦しくなって「この世界から消えたい」と思った。外は雲一つない真夏の空だったのを鮮明に覚えている。


今となっては当時のことは「あれはヤバかった」と半分笑い話にできるし、記憶もおぼろげだ。でも、あの時の私を知っている人は口を揃えて「辞めてよかったよ」と言う。

普通に生きてるつもりだったけど、ふつうじゃなかったんだろう。今は家に一人でいて苦しくなったりはしないんだから。



そんな職場に勤めてたこともあって、私自身も含め身近でメンタルクリニック、いわゆる精神科にお世話になったことがある人は片手の数を超える。

だいたいは仕事が原因だ。
特に頑張り屋さんほど気を病むことが多い。

「私が我慢すれば」「少し頑張れば」そういう小さな積み重なり、あるときぱたっと何もできなくなってしまう。その前にSOSが出すことができれば、少し休んだらまた元通りになれるし、知っている人のほとんどに「あの時は辛そうだったけど、今は元気でよかったよ」と言える。
ただ、それも言えず、我慢に我慢を重ねて普通の生活が送れなくなって、強制入院しなきゃいけなくなった人も知っている。
だから、自分がしんどいときにしんどいと言えること、何かに頼れることってとても大事だってことは痛いほど知っている。

「健康」というと身体のことのほうが想像されやすいし、案外心のほうは蔑ろにしがちだと思う。
次会ったときには別人のようで、日常生活を送れなくって話すことも要領を得てない。そこに存在しているのにその人はいない気がする。身体の病気はなにひとつないのに、心の病気で時間が止まってしまったように感じてしまう。病気じゃなかったら今頃…と考えると苦しくて仕方ない。

生きていれば、多少なりとも辛いことがあるけれども、そのときに逃げ場があることって、身体も心も守ることになるんだと改めて感じる。し、一歩間違えればそうなる可能性もあったんだと思うと、本当に自分の心を守ることって大切だと思う。


「逃げ場」というのは何でもよくって、私が気持ちが荒んでいたときは大好きなお洋服に袖を通すことで沈みきった心をあるべき場所に戻る感覚があった。

生活において心地よさをどこかに感じられたら、多少なりとも不安定なことがあっても通常運転で生きられるのだと思う。「心地良さ」について事あるごとに口に出してしまうのはこのような経験からだ。

ちなみに、今いちばんの関心事は家の中を理想空間にすること!

好きなものたちがあったら、落ち込んでいたとしても気持ちが少し上向きになるし、家の中がいちばんの安全地帯で気持ちが安らぐ場所であってほしいと思うから、とびっきりのお気に入りのものたちを集めた空間にしている。


自分を大切にすることの重要性というのは、一度不健康な状態になってこそ実感するものだと思う。
きっと期待を寄せて「頑張るぞ!」と思っている人からしたら、こんな暗い話なんて…と思うだろうけども、健やかに生きてこそ仕事で自分の力を発揮できる。

お金ももちろん大事。だけど、守るべきものが分かっていること、自分の調子を安定させる術を持っていること、逃げるという判断ができること、案外大事なんだよって少し社会人を経験した私から伝えられることかな。

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