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【○○しないと○○してあげない】実は危ない条件付け愛情表現

(2023年6月14日の記事)

ついつい言ってしまう「○○しないと○○してあげない」「○○できたら○○していいよ」という条件付け子育てについて私が思うこと。

今日は子育てのお話をさせてください。
(自分のためのアウトプット記事なので、ゴルフに関する話をお探しの方は他の記事をお読みください。願)

わたしは学生時代に心理学を専攻していたのですが、その知識を子育てに活かせておらずとても悩んでいます。特にパートナーとの間で、子育ての考え方に相違があり妥協点を見つけられずにいます。

しかし子供の成長は待ったなし。あっという間に育ってしまうので、少しの時間も無駄にしたくありません。そこで「条件付けの愛情表現の危険性」についてパートナーにプレゼンを行うためのアイディアをここでシェアしたいと思います。

同じようなことで悩んでいる人の参考になれば幸いです。



この記事で学べること

  • オペラント条件付けについて

  • 子育てに取り入れるメリット・デメリット


我が家の深刻な悩み

わたしが頭をかかえる悩みの1つは、パートナーの子供に対するとある言動です。子供が「だっこして〜」「電車で遊ぼ〜」など何かをして欲しいとお願いしてきたとき、パートナーは必ず「◯◯(パートナー)大好き」「◯◯(パートナー)が1番」と子供が言わない限りそのお願いを叶えてあげません。子供が泣きながら何かを伝えようとしてるときでさえ、その言葉を言わない限り話を聞かなかったり、許してあげません。

面白がってやっているのか真意は分かりませんが、パートナーいわく「ポジティブ・レインフォースメントだ(正の強化)」と言っています。しかしわたしには全く逆の「負の強化(ネガティブ・レインフォースメント)」によって子供の行動や言動をコントロールしようとしているようにしか見えません。(次の項で詳しく説明しています)

もう少し違うタイミングで「〇〇大好き」と言わせる制度を取り入れてはどうか?例えば、ありがとう+〇〇大好き、おはよう+〇〇大好きなどの方がいいのではないか?と3年ほど提案していますが変化はありません。(子供はもうすぐ4歳になります)

きっと子供に好かれたいだけでは?〜なんて呑気に思う人もいるかもしれませんが、子供には愛情の駆け引きや脅迫することで相手の行動や言動をコントロールするような人間になって欲しくないので、私にとっては深刻な悩みの1つなんです。

たしかに日本では「大好き・愛してる」などの愛情表現を日常的にしないので、子供のうちからこれらの言葉を発するハードルを下げたいという試みであるなら理解できます(もしそうならば…)。それにしても、やり方が健康的でないと思います。


◆条件付けとは?

ところで皆さん、オペラント条件付けという言葉を聞いたことはありますか?
わたしは学生時代スポーツ心理学を専攻していたのですが、まさか子育てでこの知識に再会するとは思ってもいませんでした。


オペランと条件付けとは

オペラント条件付けは、単純に言えば、「行動と結果の関係から学ぶこと」です。つまり、私たちは何かをすると、その結果や周りの状況によって、将来の行動を調整する能力を学んでいます。


学習パターンは4つ

オペラント条件づけにおける学習のパターンは以下の通り。

  • 正の強化:
    褒められたいから頑張ろうとういう行動の強化。

  • 負の強化:
    おこられたくないから頑張ろうという回避傾向による行動の強化

  • 正の罰:
    具体的な罰が嫌だから行動が減少。
    (例)説教されるのが嫌、トイレ掃除が嫌、など。

  • 負の罰:
    自分の好きな何かを取り上げられる罰が嫌だから行動が減少。
    (例)おもちゃを与えない、お小遣いなし、ゲーム禁止など。



◆条件付け子育ての危険性

個人的に、条件付き子育ての誤った実践が子供の発達や心理的な健康に悪影響を与える可能性が高いため注意が必要ではないかと考えています。

・条件付け子育てのメリット

  1. 即効性の高さ:
    一時的な効果は高くとても強力な方法です。

  2. 明確な行動基準:
    条件付き子育ては望ましい行動やルールを明確に定義し、子供にそれを理解させやすいメリットがあります。子供は報酬や強化を通じて、望ましい行動を学習するので、子供の行動が規則や社会的な期待に沿うようになります。

  3. 希望や自己効力感の育成:
    ご褒美や行動の強化によって子供は目標を達成しやすくなるため、自己効力感や自己評価の向上を経験することができます。

  4. 責任感の醸成:
    ご褒美や行動の強化を通じて、自分の行動とその結果を関連づけて認識することができます。子供は自分の行動に責任を持つことを学び、自己管理や自己規制の能力を発展させることができます。

  5. 学習の促進:
    ご褒美や罰を使って望ましい行動を奨励することで、子供は新しいスキルや知識を獲得するために動機づけられます。うまく間接的なご褒美で行動を強化できれば(勉強の成果が将来のキャリアにつながるなど)、長期的な目標に向かって取り組むことも可能です。



・条件付け子育てのデメリット

  1. 効果が短い:
    基本的に条件付けの効果は即効性がありますが長く持続しません。

  2. 損得基準で行動する:
    負の強化や負の罰を使用しすぎると、一時的に親の都合の良いように子供は動きますが、やがて自分の利益のためだけ、損得を基準に行動を取るようになります。誰かが困っているから助けてあげよう、良い行いをしたいから行動しようなどと考えなくなります。

  3. ポジティブな親子関係の欠如:
    条件付けが過度に行われると、親子の関係が報酬と罰に基づいた取引の関係になり、親子の絆や信頼関係が希薄になってしまうことがあります。

  4. 自立性の低下:
    負の罰にあたる「○○しないと○○してあげない」といった、ご褒美で釣ったり脅すことで子供をコントロールしていると、子供は自分の意思や選択に基づいて行動することを制限されるため、自立性は失われ人の顔色を伺い自分で判断できなくなってしまうことがあります。自己決定理論でいう外発的動機付けが高い状態と同様です。

  5. 自己肯定感の低下:
    子供は愛情やサポートを求めているのに、外的な賞賛・ご褒美や罰に基づく行動に焦点が置かれ自己評価が左右されるため、条件付きの自己肯定感を持つようになり、情緒も不安定になることがあります。

  6. 不安やうつの原因に:
    過度な罰や厳格な報酬体系は、子供の自己価値感や自己受容感に悪影響を及ぼすだけでなく、不安やうつ症状の増加などの心理的な問題を引き起こすこともあります。

  7. 子供に同じことをしてしまう:
    また、条件付きの愛情で育てられた子供は、同じように自分の子育も育ててしまう場合が多いことが分かっています。条件をつけて脅迫し相手をコントロールすることが普通として潜在意識に刷り込まれているので、その連鎖から抜け出すことは非常に困難なのです。



・わたしの意見

わたしとしては「正の強化・正の罰であれば、賢く一時的に使うのはありかも」と思っています。

条件付き子育てのメリットを最大限に引き出すためには、バランスと適切な実践が重要なので、子供の発達段階や個別のニーズに応じて、柔軟なアプローチが求められると思います。また、愛情やサポートを含めたポジティブな関係を維持することをお忘れなく。


◆情報をアップデートしよう

「自分が子供のときは○○のように育てられたから同じように育てよう」「私が子供を育てたときは○○だったから、あなたも○○しなさい」という考え方は、少し時代遅れで閉鎖的だと思いませんか?

時代が変われば、専門家の見識も変わりますし、常識も変わります。昔は体罰が当たり前におこなわれていましたが、現代ではタブーですよね?今となっては子供が追う心の傷を考えたら当然のことです。

自分は大丈夫だと奢らず、情報のアップデートを試みて、パートナーや子育てを共にしている人とその情報をシェアできれば、お互いに自発的に子育てに取り組めるのではないでしょうか?


とは言え、子育ては思い通りに全てのことが運ぶわけではありません。育てやすい子や育てるのに相当な気合がいる子など、子供によって難しさや大変さは異なります。また、我が家のようにパートナーとの教育方針の相違もあるかもしれません。子を持つ親は当たり前におこなっていることですが、人間を育てるということは本当に難しいと思います。


◆まとめ

子供に無条件に愛を与えることで、子供は失敗しても成功しても親は自分を愛してくれるんだ、失敗しても全然OKなんだと感じることができるのではないでしょうか。

子供をコントロールするのではなく、さまざまなことに果敢にチャレンジできるよう、見守り、サポートしてあげることが親の役目なのでは?ということをわたしは自分のパートナーへプレゼンで伝える予定でいます。論破されないように頑張ります。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

次回は、ジェントルペアレンティングから学ぶ問題解決を助ける子育てについてお話しします。

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