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【永久保存版】感覚と論理の両面から考える効率的なゴルフ練習 | 本気のあなたへ!

ゴルフにおいて、安定して質の高いショットを打ち続けるためには、正確なスイング動作を繰り返し行うことが重要です。

その正確さを確保するために、ゴルファーはスイングの瞬間に自分の身体やクラブに意識を向け、自分の動作感覚を調整する必要があります。これが主観的動作感覚の重要性です。

本記事では、ゴルフスイングにおける主観的動作感覚を運動へと変換できる効果的なテクニックと目標達成のためのフレームワークであるPDCAをゴルフへ活用する方法について解説します。

本気でゴルフに取り組むゴルファーの参考になれば幸いです。

主観と客観の違い

主観とは、個人の感情や経験に基づく個人的な視点や判断を指します。つまり、自分が感じたり考えたりすること。

一方、客観とは、個人の感情や経験に左右されず、客観的な事実や現実を指します。つまり、客観的な視点で、真実や現実を語ることです。

例えば、ある人が「この選手のスイングは美しい」と言った場合、それはその人の主観的な感想です。一方、その選手のスイングがスイングフォーム解析機器などで一定の基準をもとに高スコアを記録した場合は客観的な事実と言えます。


主観的動作感覚とは?

スポーツにおいて、選手は自分の体感や感覚に基づいて動作を制御することが多くあります。これを主観的動作感覚と言います。

例えば、ゴルフのスイングであれば、クラブがボールに当たる瞬間の感覚や、自分の身体のどの部位がどう動いたかという感覚が主観的動作感覚になります。ゴルファーはこの感覚に基づいて、自分の動作を調整し、スイングフォームやショットを改善することができます。

主観的動作感覚は、選手の経験とトレーニングによって発達させることが可能なスキルと言えます。


動作感覚を体現することの難しさ

スポーツで感覚を体現することは非常に重要であり、多くのスポーツにおける必須スキルの1つと言えます。

例えば、サッカーやバスケットボールなどの球技において、ボールをコントロールするためには、手や足の感覚を正確に認識し、的確に動かす必要があります。また、フィギュアスケートや体操などの種目では、身体の感覚を正確に認識し、美しく正確な技を披露する必要があります。

ですが、感覚を体現することは容易ではありません。動作感覚は個人差が大きく、主観的なものであるため、正しい感覚を持っているかどうか比較・判断することが非常に困難です。

練習中の疲労やストレスなど、様々な要因が個人の動作感覚に影響を与えることが考えられるので、他者や計測機器からの客観的な複数のフィードバックをもとに、個人が自身の動作感覚を相対的に比較することが重要になります。


感覚的要素と論理的要素のバランス

ゴルフに限らずスポーツ全般の練習において、感覚的なことと論理的なことのバランスを取ることはとても大切です。

感覚的要素:
選手は自分自身の感覚に従って運動を行うため、運動技能の習得において感覚的要素は重要です。感覚的要素に注意することで、自分の身体感覚をより鋭敏に感じ取ることができ、より正確な動きを行うことができます。

論理的要素:
運動技能の習得のためには技術的・戦略的な問題を解決する必要があります。解釈を深め戦略を立てるために論理的な要素は欠かせません。論理的アプローチには、客観的なデータ分析やスポーツ心理学を用いた戦略を立てることなどが挙げられます。

両者のバランスを取ることは、選手が自分の身体感覚を最大限に活用しながら、より効果的に技術や戦略の問題を解決して上達するために極めて重要と言えます。このようなトレーニングプログラムを組み立てることが、よりレベルの高いゴルファーの育成には欠かせません。


PDCAサイクルとは?

「PDCAサイクル」は、経営学者であるデミングが提唱した問題解決のための論理的なアプローチで、会社や学校などの組織や、個人の改善活動に広く用いられています。

PDCAは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとった言葉であり、サイクルとして繰り返し行うことで、持続的な改善を実現できます。

スポーツでもPDCAサイクルを用いることで、練習方法・技術・戦術の改善、フィジカルトレーニング効果の評価などを行うことができます。

わたしは、このサイクルを取り入れたスイングフォーム改善プログラムを推奨しています。


PDCAサイクルで動作感覚をスイングフォームへとアウトプットできる手順

  1. 【Check(現状確認)】

    まずは、スイングフォームを撮影します。このとき、自分のスイングについて考える時間を作り自己評価を行い、どのような主観的感覚があるのか、どこがうまくいっているのか、どこが改善の余地があるのかを振り返ります。また、スコアや飛距離などの客観的指標も用いて現状を把握しましょう。そして、コーチによる評価も行い、現状を客観的に把握できるとベターです。

  2. 【Plan(目標設定)】

    現状を踏まえてスイングの改善点を洗い出します。目標は具体的かつ明確に設定し、達成可能なものでなければなりません。また、自分が目標を達成することに意味があると自分が納得していることが重要です。達成感が得られやすく、モチベーションを高く維持することができます。

  3. 【Do(実行)】

    目標に向かって練習を行います。例えば、スイングで意識するポイントを設定し、イメージトレーニングや鏡を使った模倣トレーニングを行います。自身が主観的に感じた動作感覚に着目し、自己評価を行うことが重要です。自己評価を行うことで、あなたは自身の感覚を客観的に把握し、改善点を洗い出すことができます。

  4. 【Check(結果確認)】

    練習を終えた後、スイングの改善度合いを確認します。このとき、客観的な評価とあなたの主観的感覚を照らし合わせ、スイングの改善点を再度洗い出します。

  5. 【Action(目標再設定)】

    結果を確認した後、あなたは目標を再設定します。目標が達成された場合は、達成感を得て次の目標に向けて取り組みます。逆に、目標が達成できなかった場合は、再度計画を見直し、練習方法を改善します。あなたが目標に向かって練習を継続できるよう、目標の達成方法や期限も明確にできるとなお良いです。

スイングフォームの改善だけに留まらず、ロングゲーム・ショートゲーム・コース戦略・メンタルトレーニング・フィジカルトレーニングなど、様々なことを目標にPDCAサイクルをゴルフレッスンプログラムに取り入れることができます。


実際に取り入れた練習方法の例を紹介

ここで、実際にこのPDCAサイクルを取り入れているゴルフアカデミーの練習プログラムを紹介します。

  1. 【Check(現状確認)】

    スイングを撮影しスイングフォームの現状確認をします。球種の悩みや気になる点、意識していることなどを紙に書き出すなどして整理します。

  2. 【Plan(目標設定)】

    1を踏まえ自身の悩みの根源となっているスイングの改善点を洗い出し、優先的に取り組む課題を1つ〜2つピックアップします。基本的にバックスイング→ダウンスイング→フォロースルーと課題優先順位がつきます。

    課題となる動作に大きく影響している体のパーツを明確にします。シャフトやプレーンの角度であれば手・手首、ハンドパスであれば腕・肩、体の横移動であれば重心位置などです。課題に関係のない動作に気を取られないよう、問題に直接・効果的にアプローチしていきます。

    ポイントはここで今から行う動作感覚に数字をつけることです。例えば、インサイドに上げてしまうテイクバックの改善に取り組むのであれば、通常の感覚を0として、通常より40%アウトサイドにクラブを引いてみよう、などと数値をつけて感覚の定量化を試みます

  3. 【Do(実行)】

    動画で撮影しながらショットを打ちます。ここで結果(動画)を確認する前に、自己評価を行います。今のスイングは、やろうとした動きができたのか?できなかったのか?ショットの質ではなく「動作」を評価します。

    例えば、40%アウトサイドに上げる感覚を目標にしたが、20%しかやりきれなかったのか?それとも60%やり過ぎたのか?など、主観で構わないので評価します。

  4. 【Check(結果確認)】

    結果(動画)を確認します。先ほどの自己評価と照らし合わせ、主観的感覚と見た目の客観的評価の差を確認します。

    ここが最も重要です。40%の動作感覚を目標にして、これだけの変化だったという主観と客観のギャップを自己認識し、正確なフィードバックを自分に与えます

    うまく打てて気持ちいい・当たり損ねでイラつくなどの感情基準や、できてる気がするなどの曖昧な感覚基準ではなく、普遍の目的基準を採用しましょう。

  5. 【Action(目標設定)】

    結果の確認後、目標を再設定します。

    次のスイングでは、さらに動作感覚を大きくする・小さくするなど調整を加えます。主観的な動作感覚に数値をつけたからこそ、相対的に自分の感覚を比較・調整することができます

このサイクルを繰り返すことで、①感覚と現実のギャップを理解し、感覚を操作することで実際のスイングをコントロールできるようになります。もしくは、②あなたの動作感覚が洗練され、実際の動作にどんどん近づいていくため、感覚と実際のスイングが限りなく近くなります。

また、自分の主観と客観の差の傾向を知ることができるので、コースでミスしたときも何が起こっていたのか大方予想することができるため、適切な対処ができるようになります。

この練習の効果を最大限に高めるためには、目指すスイングフォームの明確な基準があることが大前提となります。基準がなければスイングを的確に判断・評価することができません。

アマチュアゴルファーの多くは、「スイングフォームの改善」に取り掛かっているにも関わらず、ショットの当たりや感情を基準にスイングを評価してしまいがちです。目的を基準に目的から見て意味のある練習を積み重ねられるよう気をつけたいところです。


PDCAサイクルを取り入れたレッスンプログラムはあまりない?

PDCAサイクルを取り入れたアマチュア向けのゴルフレッスンプログラムはまだ大きく注目されていないように感じます。これには以下のような理由が考えられます。(筆者の主観です)

  1. ゴルフは目的が異なる個人競技であるため、一人ひとりに合わせたプログラムを提供することが難しい。

  2. プロやコーチの成功体験に基づいた主観的な指導が主流のため、レッスンシステムの抜本的な改革が必要なため敬遠されている。

  3. アマチュアゴルファーは趣味でプレーすることが多いため、プロによるコーチングやトレーニングを受けることに対する意識が低い。

  4. 日本のゴルフは、実戦の機会(ラウンド)が比較的少ないため、目標設定やPDCAサイクルを回すことが難しく重要視されていない。

構造化されたレッスンプログラムは時間やコストがかかるため、アマチュアゴルファーにとってはハードルが高いと感じる場合もあるかもしれません。

しかし、構造化されたプログラムを受けることで、個人の課題や目標に合わせた効率的な練習ができることや、目標基準の考え方が身につく、セルフラーニング力が高まることなど、多くのメリットがあります。


そのレッスンが受けられる!

今回ご紹介した練習方法は自分で取り組むこともできますが、できればプロのサポートを受けたいのがアマチュアゴルファーの本音ではないでしょうか?

このようなレッスンプログラムに注力しているゴルフアカデミーを2つご紹介します。

  • キウイゴルフアカデミー
    日本在住アメリカ人による全国出張型ゴルフレッスン。
    【レッスンプログラムはこちらから】

    6ヶ月プログラムというレッスンプログラムで実施しています。

  • Life Time Golf
    愛知県春日井市中央台1-4-4
    【ホームページはこちらから】

    60日プログラム
    というレッスンプログラムで実施しています。
    現在無料体験レッスンも行っています。

まずはプロからのサポートを通して、運動学習のサイクルに慣れましょう。一通りの手順を飲み込めたら、もうプロのサポートは必要ないはずです。

筆者は、これらのアカデミーのレッスンプログラムの構成に携わっています。興味のある方はぜひホームページをチェックしてみてください。



おわりに

どんなスポーツでも、選手の主観的な感覚を客観的に評価し運動の改善につなげることが、より効果的に運動を成功させるための重要なテクニックの1つです。

感覚的なことと論理的なことを両方バランスよく取り入れたトレーニングプログラムを組み立て練習して行くことがゴルフ上達の近道になります。

これまでのゴルフ練習の習慣を変えることは容易ではありませんが、初期投資だと思って取り組んでみてはいかがでしょう。テクニックを身につけた後は、ゴルフを存分に楽しむだけです。



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