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【革新的】ゴルフにパワーポーズを取り入れてスコアアップ!

皆さんこんにちは!

この記事では、メンタルをコントロールするツールの1つである【パワーポーズ】について解説します。

学生時代のコーチに勧められ、筆者も実際にゴルフに取り入れていました。パワーポーズはまだ科学的にはっきりと解明されていないため、効果がないと言われたり、その後効果があるとされるデータが発表されたりと、今でも議論の的となっています。しかし、個人的には効果を感じていて、非常に興味深いと思っています。

早速パワーポーズについて学んでいきましょう!



パワーポーズのもつパワーとは?

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まず、2010年頃にアメリカの社会心理学者、作家、講演者であり、ハーバードビジネススクールの元教員であるAmy Cuddyさんが出演したTEDトークで、この考え方が世に広まりました。

「私たちの考え、感情、生理は自分の非言語行動の影響を受けます」
と彼女は語りました。

たとえば、背中を丸めたまま椅子に座っている自分と、背筋をピンと伸ばして座っている自分を比べてみてください。違いを感じませんか?後者の方が周囲に注意を払うことができる気がしませんか?また、ただ立っている自分と、顎を少し上げて胸を張って立っている自分を比べてみてください。後者の姿勢の方が自信というパワーを感じませんか?

この考え方は非常に面白く、生理心理学や行動心理学といった心理学の話になると思います。興味がある方はウィリアム・ジェームズについて調べてみると、さらに学べるでしょう。

それでは、パワーポーズについてさらに詳しく掘り下げていきましょう!


*彼女のTEDトークに関する記事はインターネット上にたくさんありますので、気になる方は「Psychology Power Pose」などで検索してみてください。

また、以下のリンクは日本語字幕付きのTEDトークです
『ボディーランゲージが人を作る』(TED Talk)



非言語コミュニケーションて?

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皆さんは普段の生活で自分自身や他人とコミュニケーションをとるとき、実は言葉だけでなく、行動や姿勢を通してもコミュニケーションしていると気づいていますか?

ボディーランゲージとも言われる、この非言語コミュニケーションには、人間の行動・しぐさ・アイコンタクト・パーソナルスペースの距離感・ボディータッチ・ジェスチャーなどが含まれています。これはコミニュケーションを取っている相手だけでなく、周囲の人や自分自身に与える考え方や印象・気持ちまでをも大きく左右するものなんです。

身近な例でいうと、、、女性が合コンで気になる意中の異性を簡単に落とす方法を考えてみてはどうでしょうか。

自分の与えたい印象や見せ方を知っている女性は、よく頷いたり、上目遣いをしたり、距離感が近かったり、ボディータッチが多いことも、そして口元に手を当てるしぐさなども駆使してアピールしてきます。個人的にあざと可愛いのは大好物です。笑。

これらは全て非言語コミュニケーションと言えませんか?相手や自分の思考・印象・感情など、ボディーランゲージが与える影響はとても大きいことが分かると思います。



ホルモンが大活躍?!

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このようなボディーランゲージを積極的に取り入れたとき、通常時と比べ何が要因でどのようにパフォーマンスに影響するのか?気になりますよね。

Cuddyは、人間の生理的な活動と心理的な現象が深く関係していると信じています。自信に満ちた人々はストレスに意識的に反応し、一方で自信のない人々はストレスに無意識に反応します。この反応はテストステロンとコルチゾールという2つのホルモンの分泌によって計測されます。



テストステロンは、日本では男性ホルモンの代表とされ、以下のような状況で必要なホルモンとされています。
・骨格筋や赤血球を維持する
・物事にチャレンジする
・集団の中で自分を表現する
・思考をクリアにする
・強く意思を主張する



一方、コルチゾール(別名:ストレスホルモン)は、ストレスに関連するホルモンであり、ストレス下ではこのホルモンが通常の2-3倍に増加すると言われています。コルチゾールは、免疫系、中枢神経系、代謝系などに対して様々な生理学的な作用を有し、長期的な過剰分泌は脳の海馬を委縮させたり、炎症のコントロールを悪化させたりする可能性があります。また、うつ病の患者はコルチゾールが高いことが報告されています。


スポーツ選手の自信は、テストステロン値が高く、コルチゾール値が低い状態であるとされています。自信のない選手は逆の状態なんだとか。そして、このホルモンの構成がパフォーマンスに影響すると言われています。



※ただし、研究者によっては、このホルモンの影響は僅かで、心身に大きな影響を与えるほどではないと主張する人もいます。しかし、このような実験で100%正確な答えを導き出すことはほぼ不可能だと考えられます。現在、大多数の専門家がパワーポーズの効果を認めています。



例えばパワーポーズってどんな?

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パワーポーズの代表例は以下の4つ

  • 胸を張って直立

  • 両手を高くあげ広げる

  • 顎を少しあげる

  • 目線を空へ送る

皆さんは上記の具体例を見てどんなシーンを想像しましたか?世界共通でこれは勝利のポーズと言えるのではないでしょうか?

パワー Note


ところで、英語の格言で「Fake it until you make it!」というものがあります。

これは「できるようになるまで、できるフリを続ければいつかできるようになる」とか「成功したいなら成功者のように振る舞え」という意味で体が心に影響を及ぼし、心が行動に影響を、行動が結果に影響を及ぼすという考え方から来ていると考えられます。


ですが、日本人の多くの方はこれを聞くと、それって結局はフリをしているだけで、本当の自分じゃないし、自分に嘘をついて騙しているだけじゃないかと思うかもしれません。

しかし、CuddyはTed Talkで「大事なのはそのフリをし続けること。フリをしてその場をやり過ごすのではなく、フリが本当に自分のものになるまでやり続けること!」と言っていました。

真面目な人ほど、この考え方を否定的に捉えてしまうかもしれませんが、自分の力を一番信じてあげるのは自分自身であり、一番応援してあげるのも自分自身であると考えれば、できなくてもできるように振る舞うことは難しくないかもしれませんね。



ゴルフで思い浮かぶパワーポーズは?

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皆さんが真っ先に思い浮かべるゴルフの最強パワーポーズは、やはりタイガー・ウッズのフィストバンプじゃないでしょうか!

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ここぞという場面で決めて、タイガーが興奮している姿は、見ている私たちの気分までも興奮させてくれますよね!

この画像を見ただけでも思い出してドキドキしてしまいます。すさまじいエネルギーを感じるポーズです。

普段のPGAツアーをテレビで見ていても、ただ選手が歩いている様子でさえもとてもカッコいいですよね。ホール間の移動でも肩を後ろに落として胸を張って歩いている姿を見ます。

実はこれも基本的なパワーポーズの1つで、このような歩き方は自信をコントロールする行動と言われており、自分が優位であると感じることができるんだそうですよ!

どんなレベルのゴルファーであってもパワーポーズをゴルフに取り入れると、ミスした時に感じるフラストレーションが少なくなったり、プレッシャーのかかるシチュエーションも上手く切り抜けられるようになるので、皆さんにもぜひ挑戦してほしいです。



スポーツで適正な感情に達するって?

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ここでは、パワーポーズがスポーツ選手に与える影響について考えてみましょう。

Cuddyは、個々にパワーポーズが与える影響を長年研究しており、特に競技の世界に身を置く人々に対する影響を研究しているとされています。

彼女はTed Talkで「私たちの身体は私たちの考え方を変えます。そして、私たちの考え方は私たちの行動を変え、やがてその行動は私たちの結果を変えます。」と話していました。

この考え方は、結果を出すことが当たり前とされるアスリートにとって、非常に理にかなった考え方であると言えます。

競技中、選手はどのようにストレスやプレッシャーに対して意識的に応答しながらパフォーマンスするのでしょうか。

例えばバスケットボールでは、ベンチで肩にタオルをかけて下を向き、顔の下で手の平を合わせて静かに精神を落ち着かせ集中する選手もいれば、自分の出番に向けて両手を広げ、体を大きく動かしたりしてアグレッシブにテンションを上げていく選手もいます。

その瞬間・状況に合わせた適切な感情に達することができ、またそれを維持することができたとき、アスリートはポテンシャルを十分に発揮し、パフォーマンスを発揮することができます。

つまり、その状況によって自分に必要な行動が大きく変わることが分かります。トップアスリートほど、状況や目的に応じて自分の行動や姿勢を変えることで、自分の思考やメンタル、そして感情をもコントロールしています。

意識的にやっているのか無意識的にやっているのかは、それぞれのスキル習熟度やメンタルのレベルによって異なりますが、自分の行動に意識を向け、繰り返し意識的に体を動かしアプローチすることで、やがてそのプロセスを無意識的に行うことができ、素早く適切な感情に達することができるようになるため、素早く適正な感情に達せられるようになります



こんな状況がパワーポーズの出番

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スポーツ全般においては以下の場面がターニングポイントになります。

・自分の精神状態に気づき、意識を向ける矛先をコントロールしたいとき。

・自分の才能、スキルを信じ練習の成果を出したいとき。

・自分のアドバンテージを認識しそれを強みに変えていきたいとき。

などなど。



ゴルフでミスをしたとき

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がっかり Note

プレー中にミスをしたとき、「ああ〜!またやってしまった!」と落ち込むのではなく、素早く立ち直ることがとても重要です。

トップアスリートは、立ち直った状態が、ミスをする前の状態よりも更に高いレベルへカムバックできるそうです。サイヤ人のように、死にかけて更に強くなるんですよね!

もしここで自分のパフォーマンスに落胆し、肩を落とし、うつむいて歩き始めたらどうなるでしょうか?

自分を落胆させるボディーランゲージを選択して実行してしまうと、本来の力を出し切ることはできません。自分で選択した行動が、自分の感情や今後のパフォーマンスを下げてしまうんですよ。身に覚えのある人は、直ちにやめてください。

自分のボディーランゲージを変化させる練習を日頃から行うことはとても大切です!

これが応答(Response)と反応(Reaction)の違いです。ミスした状況に無意識に反応するのではなく、意識的に応答できると良いですね。

スポーツだけでなく、日常生活の中でも自分のベストなパフォーマンスに繋がっていく大きなツールになると思います。



ミスの連鎖を断ち切るには?

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まずパワーポーズを積極的に用いましょう。
歩き方、目線の配り方など。

失敗してしまったことをネガティブに捉え始めたら、その自分の思考を一旦静止し、適正なマインドセットをおこないましょう。

スコアという結果だけに執着しすぎることはプロアマ問わずいいことではありません。スコアだけで自分を評価するのではなく、ショットの一連の流れ(ルーティーン前を含めたプロセス)をどれくらいの精度で行えたのかに目を向けて評価してみたり、今、自分のいるその瞬間に全力で自分の意識を向けフォーカスしてみましょう。

あなたの認知記憶や筋肉は、あなたが意識していなくても、良いスイングや思い描いたプレーが出来たときのことをちゃんと覚えているんです。

このプロセスを何回も繰り返すことで、ミスが続きそうな状況に陥っても、そこから素早く抜け出しカムバックすることができるようになりますよ。



まとめ

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まず私生活やゴルフで、自分自身が自分のボディーランゲージの変化に気づけるように意識を向けてみることをオススメします。

自信がない場面や自信を失いそうな状況に陥ったら自信を高められるボディーランゲージを使ってみましょう!

おすすめの簡単なパワーポーズは以下の通り

・背筋を伸ばし高く歩く
・いいアイコンタクト
・少し顎をあげ目線を上げる

・胸を張る
・肩を後ろへ下げる
・手をあげる

筆者はアメリカ時代のコーチに、パワーポーズは自分を奮い立たせる、興奮させるようなスイッチだったり、自分を落ち着かせるスイッチだと思って賢く使えと言われました。

悪いショットから連鎖が起こりそうなときは、水を飲む、何か食べる、誰かと会話するなど気分転換になるアクションを積極的に取り入れて行動から感情を変化させるようにとも言われました。

1ラウンドを通して感情の波を一定にしたり、集中力を途切らせないという面でとても効果を感じたので、アマチュアゴルファーの方々にも凄くおすすめです。



おわりに

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いいボディーランゲージを選択することで私たちは自信を感じることができます。

しかしながら、あなたの人生を劇的に変えるようなことはありませんし、急に陽気になったりアグレッシブになる訳でもありません。

ただ、自分で選択できる行動に少し意識を向けることでプレッシャーを感じるような場面でも自信を持ってパフォーマンスできるようになるはずです。

どんな状況であっても気持ちのコントロール次第で捉え方は変わりますし、捉え方はあなたの思考を変え、やがて行動を変えます。

このプロセスを繰り返すことでメンタルはどんどん強くなっていくので、スポーツ心理学はやっぱりとてもおもしろいですよね!

次回もお楽しみに!

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