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◆松岡和子訳『オセロー シェイクスピア全集』ちくま文庫

こんばんは。

少し、ゆっくりと読んでしまいました。…6月中に全巻は難しそうですが、できるところまで頑張りたいと思います。

登場する男性の名前の語尾全てが長音記号の「オセロー」。これまで読んだ14作品の中で1番、最後の展開がわからない、ハラハラしたサスペンスドラマでした。

ぜひ、これから読もうと思っていらっしゃる方は結末がどうなるかドキドキしながら読んでいただきたいなぁと思います。

私は、エミリアのセリフに惹かれることが多かったようで、自分の読書中メモにも、嫉妬に関するエミリアのセリフについて、今聞いても何も古くないと感じた、とありました。

また、ロダリーゴーの台詞の中に「、て言うか、」と言うところを見つけ、現代口語に近い訳語に、松岡和子さんのシェイクスピアにしてよかったなぁと改めて思いながら読みました。

ぜひ、面白そうだなと思った方は1度読んでみられることをお勧めします。


最後に、内容に触れるため、以下ネタバレがあります。




今まで読んだ13作品の中とは少し違ったなと思ったことが2つありました。


これまでは、人が亡くなってしまう場合、物語の比較的早い段階から敵対する相手に対して剣を向け、あっさりと相手が斃れてしまう、ということが多かったように思います。

しかし、オセローではそこに強い揺れがあり、最後まで、どうなるのだろう、どうか、このまま、全ての誤解が解けてハッピーエンドになればと願わずにはいられませんでした。ただ、途中から、誤解が解けたとしても関係修復は難しいな、と言うところまで来てしまうのですが。

もう1つは、今までの物語では、人物が亡くなるとき、刺された相手は、読んでる側がそんなにもあっさりと、、、と思うほどパタッと斃れてしまうのですが、今回は息を引き取るまでにメッセージを残す人物が多く、感情的に思えました。

それほどに、それぞれの登場人物の心の揺れや夫への愛、妻への愛、友人への愛が強い作品だったと感じました。

エミリアの友人への想いがとても印象的でした。


最後までお読みいただき、
有り難うございました。

良い明日をお迎え下さい。

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