Dischord Records の『Dischord 1981 Year in Seven Inches』を聴いてみた編

今回は Dischord Records の『Dischord 1981 Year in Seven Inches』を聴いてみた編をお届けします。

ぶっ飛ばすスピードに叫ぶストレート・エッジ。

荒削りな熱量と鮮烈なギターサウンドが猛撃するハードコアバイブル!

是非読んでみて、聴いてみて下さい!

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♦︎The Teen Idles
1.Teen Idles

一曲目からこのスピード感…!!ギターはゴリゴリ。ベースはFugaziで知られるイアン・マッケイ。ボーカルを振り落とすような勢いで疾走。楽しいヤケクソ感。笑い声で終わる。満足げ。40秒弱で終わる。

2.Sneakers

メラメラと燃えるようなドラムが煽り立てる。先ほどとテンションが変わらず、ひたすら興奮してる。興奮してる自分にさらに興奮してる感じ。0:50〜ギタージャリッジャリで格好良い。終わるの早い!!!

3.Get Up and Go

ウオーーーー速〜!!この速さで生まれる一体感。0:25〜なんて言っているのか聞き取れないけど、なんか良い。滾りまくりのドラム。またもや1分以内に終わった。

4.Deadhead

ギャリゴリ鳴らされるギター。4曲目にして曲の違いがわからなくなってくる。Napalm Death の『Scum』を聴いた時と同じ現象が起きてる。0:33〜テンポダウン。穏やかなお日様ソングに一変…かと思いきや爆走。こういう思わせぶり大好き。

5.Fleeting Fury

陽気でこれまでよりテンポは遅め…かと思いきや、ドラムがフルスロットルでやっぱり爆走。面白すぎる。ボーカルが暴れ回ってる妄想しちゃう。0:41〜ドラムだけになる所良い。

6.Fiorucci Nightmare

カウントがそもそも早い。大縄跳びとか入るの苦手だったから、自分がこのバンドメンバーだったら、一生曲に入れないまま終わってしまう。速い。曲の違いがわからないの悔しくて何度も聞いたら、余計にわからなくなった。

7.Getting in My Way

繋がって始まったらもう流石にわからない…悔しい。ずっとテンションがてっぺんにある。音程がなく、ただ言葉を勢いよく投げつけてくるボーカル、速さそのもの。そして短い…!!

8.Too Young to Rock

賑わっている声。ライブ音源。爆撃のようなギターが聴こえる。音が遠い。タイトル格好良いのに、曲の区別できなくなってきてるの申し訳なさすぎる。1:16〜大盛り上がり。轟音ギター。2分にして長め。

♦︎State of Alert(S.O.A.)
9.Lost in Space

速いカウント…これは…!確かにバンドが変わったはずなのに、テンション感がまるで同じ。短く、そして颯爽と駆け抜けていくところも。Teen Idlesのボーカルよりはハスキーでしゃがれている…と思ったらBlack Flagのヘンリー・ロリンズ!!!ナイスブチ切れ。

10.Draw Blank

電撃のようなビリついたギター。速い!0:19〜どうやってこの音鳴らしてるんだろ…格好良い。止めとリズムが気持ち良い。短い。もっと聴きたいって思うくらいがちょうど良い。

11.Girl Problems

ギターの音色格好良い。地響き。バンドが変わっても曲の区別が困難。オオン。重たく終わっていく。このスピード感で次々と違う曲が来るのは楽しい。

12.Blackout

変わらず飛ばす飛ばす。止まることを知らない。0:30〜こういう気持ちの良いリズムフレーズ好き。にしても短い。ぼーっとしてると次の曲が始まる。

13.Gate Crashers

地獄感あって良い。熱い。気持ちこれまでよりスピード速め。ギターがジージージリジリ。曲の区別もできなければ、ボキャブラリーの限界も近い。わかるのは、この速さが気持ち良いことだけ…

14.Warzone

良い掛け声。言葉の一つ一つがプチ爆発してる。流石ヘンリー・ロリンズ(この頃はヘンリー・ガーフィールドとして知られていたらしい)。ギター、粒は荒いのに荒すぎて、逆に曖昧で丸みを感じる。疾走。細かく刻む言葉のリズム。

15.Riot

良い笑い声。ギターの音は刺々しくなった。閃光。コールアンドレスポンスみたいな展開ライブで盛り上がりそう。勇ましい。短い。

16.Gang Fight

ドラム凄いな。最初からずっと忙しい。…レビューこんな感じでいいのかわからなくなってきた。ここまで来ると、ただ速いビートに体揺らして楽しくなっているだけの人になってる。

17.Public Defender

ダーク。ボーカルが邪悪なオーラを纏っている。吐き捨てるように歌う。ギターのフレーズも重たくいかつい。結構過激な単語が度々耳に入ってくる。

18.Gonna Hafta Fight

おっ…これは速いぞ…!0:25〜言葉の切れ味、切れ目の決めがスッキリする。ドラムは偉い。

♦︎MINOR THREAT
19.Filler

ヤバイ…バンドが変わったはずなのに…(あれ?デジャブ…?)ギターのどのバンドも凶暴でバチバチ。これまでのバンドと比べてMinor Threatのボーカルは声が高い、なんて思ったらイアン・マッケイが今度はボーカルとして再び登場。19曲目かつバンドも違うのに、ここまでテンションが保たれ、統一感があるの感動すら覚える。1:13〜ギター遊びがあって格好良い。

20.I Don't Wanna Hear It

ンンンン。変わらず気持ちの良い疾走。同じフレーズを繰り返すからこれは耳に残る。他のバンドに比べて曲は気持ち長め。終わり方爽快。

21.Seeing Red

新鮮なフレーズ。この疾走感、このスピード感こそホームのような安心感。でも、この曲は新しい風を感じる。吠える吠える。魂を激しく燃やすようなボーカル。このように言葉を一字一句丁寧に歌うボーカル、ハードコア界ではかなり珍しいらしい(丁寧…?)

22.Straight Edge

他のバンドよりもボーカルが凄く昂っている気がする。昂るイアン・マッケイ。けど、22曲も聴いてるとそろそろ昂りの違いに差がつけられない。何度この疾走感を感じても、新鮮に凄いと思うドラム。

23.Small Man, Big Mouth

タイトル面白い。Minor Threatは結構遊びがあって、曲の違いがわかる(嬉しい)。特徴的なギターフレーズの止めが印象的。0:47〜アツい展開。情熱。

24.Screaming at a Wall

“曲の違いがわかる”というさっきまでの自信が消えかけるけど、相変わらずの疾走感で気持ち良くなれる。イアン・マッケイ、アツいな。0:47〜ナイスな叫びと転調。安定感も良いけど、新鮮さは嬉しい。ギター格好良い。テンポの緩急。

25.Bottled Violence

ガラスが激しく割れる音。そこからトップスピードで駆け抜ける。シャウト。0:38〜ドラムとボーカルの息ぴったりで気持ち良い。清々しく終わる。

26.Minor Threat

明るくパワーみなぎるギターリフ。テンポすでに速いのに、曲途中でさらにテンポ上がったりするから凄い。ほぼメロディーがなく、とにかく興奮している。案外サラッとした終わり方。

♦︎Government Issue
27.Religious Ripoff

攻撃力の高いドラム。ブルドーザーみたいなギター。ささくれ立ちまくり。敵意剥き出し。喉に負担をかけるようにがなりながら感情的に歌う。

28.Fashionite

これまでのスピード感に狂気が加わって、どのバンドよりもカオス。めちゃくちゃすぎる。面白い。30秒と、一瞬で終わる。

29.Rock'n Roll Bullshit

楽しげな若者のたちの集い。パーティー。酔ってる…?ハイテンションで陽気。Government Issueも割と違いがわかる。

30.Anarchy Is Dead

突拍子もなく、気づいたら始まってる。気づいたら終わってる。刹那。短すぎて面白い。ほぼ聞き取れないくらいヘロヘロガヤガヤ歌っている。

31.Sheer Terror

怪しげな音色をかき鳴らしながら、先ほど同様ヘロヘロと酔っ払ったように歌う。0:22〜スピードアップして、大盛り上がり。この山場が3回くらいある。緩急に振り回される。3回目くらいでニヤニヤしちゃう。

32.Asshole

ノイジーに掻き鳴らされるギター。不思議なギターフレーズに独特なメロディーが乗っている。喜怒哀楽どこにも属さない謎のテンション。非常に高まってはいる。

33.Bored to Death

前の曲のブレイクかと思ったらこの曲が始まってた。ひたすら突き進んでいく。0:39〜このリズム好き。ボーカルのテンション変わらなすぎて怖くなってくる。感情的なのに精密機械のように正確なテンション。

34.No Rights

気持ち良く叫んで始まる。ギターが本当に格好良いな。ギターやドラムの格好良さに救われて34曲目を迎えることができている…感謝。

35.I'm James Dean

なんだこれはなんだこれはなんだこれは…。もはや早口言葉。0:11〜突然のスローモーションっぽい声に笑ってしまった。やっぱり狂気じみてる。最高。…17秒?!

36.Cowboy Fashion

拍手したり指笛を吹いたり、とにかく盛り上がってる。ほぼ錯乱状態のまま曲が物凄い速さで進んでいく。最後、牛が鳴いた…(?)

♦︎MINOR THREAT
37.In My Eyes

再び来たるMINOR THREAT。バンドが変わると音質の違いは顕著に出る。小気味良いリズム。0:28〜徐々にテンポを落とし滅茶苦茶格好良いギターの音色。これは歌だ…!無人島で人を見つけた時みたいな喜び。それも束の間、すぐに叫びだす。ドラムのバタバタ音民族感ある。過激な言葉が飛び交う。叫び狂うイアン・マッケイ。

38.Out of Step

ドラムスティックでやるカウントこんなに速いことある…?早送りと言っても疑いもしない速さ。みんな大変。一曲で使う体力ではない。0:42〜ギターが強烈。間奏終わりほぼついていけてない。

39.Guilty of Being White

雄叫び。テンションの変わりようのなさ。常にハイ。声帯が強い。掛け声で生まれる一体感。1:10〜絶対「勘弁して下さい」って言ってる。呼吸がままならず息絶え絶え。

40. Steppin' Stone

三味線みたいなギターの音が遠くで聞こえる。暫くカセットテープから流れているような音質。面白い。だんだん近づいてきて鮮明になっていく。声は遠い。1:38〜不思議な効果音が突然入る。「ハイハイハイ!!」の煽りに焦る。

♦︎Youth Brigade
41.It's About Time That We Had a Change

太いギターの音。攻撃力は負けず劣らず。ボーカルが掴みかかってきそうな勢いで怖い。強い。ベースがこもりながらも深い所で響いてる。

42.Full Speed Ahead

不穏。不気味。こういう世界観は新しい。地獄的重怠さ。重くも無理矢理スピードを上げて疾走。金棒持って追いかけてくる感じ。鬼。声のガタイが良い。

43.Point of View

キタ!速いカウント!喉一体どうなってるんだ…。0:21〜途中で入ってくるベースの音、生で聞いたら臓器震えそう。総じて黒い。

44.Barbed Wire

暗い。地面揺れる。音の震えでコップとか割れそう。迫力。ボーカルのエコーがおどろおどろしい。テンポ上がらなそうで絶対に上がる。ギターとベースがすんごい、凶暴。

45.Pay No Attention

ドラム…?ブリンブリンしてるけどこれドラムの音なのか…?低音がずっと凄い。声が遠い。言葉に物凄い数の棘と勢いがある。異色。

46.Wrong Decision

0:08〜このドラムロールで気持ちのエンジンがかかるように調教され続けて46曲目を迎える。邪悪なサウンドが止まらない。ガッシャガシャに歌う。

47.No Song

新しい。新鮮なだけで大喜びしちゃう。目眩みたいなギターの音。テンポの良いベース。邪悪さがこれまでのバンドに比べて群を抜いてる。1:40〜ここまであのスピード感を封印していたの凄い。我慢爆発して爆走し終わる。

48.No Song ll

これで最後の曲…嘘みたい。って、エッ…………。「No!」と叫んで3秒で終わる。Napalm Death の 「You Suffer」の悪夢再び。(サイコ〜)

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同世代のハードコア・パンクのアイデンティティーとして、このジャケ写にもある「手の甲のX印のアイコン」は、口コミやファンによる同人誌を通して広がっていった。

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♦︎Dischord Records

1980年設立のアメリカ合衆国ワシントンD.C.のインディー・レコードレーベル。The Teen Idlesが活動記念EPを出した収益で、イアン・マッケイ、ジェフ・ネルソン、ネイザン・ストレイチェクの3人によって立ち上げられ、ワシントンD.C.周辺の知り合いのパンクバンドの、レコード製作をすることを目的とした。

USハードコアの重要な中心の一つとして、D.C.をアメリカ全土のアンダーグラウンドに周知させた。1980年代末以降はFugaziを有し、USインディー・シーンを象徴する最も重要なレーベルの一つとして世界中に影響を与えた。25年以上に渡り、「ワシントンD.C.周辺の知り合いのバンドのみをリリースする」という原則が貫かれている。

本作はThe Teen Idles 、State of Alert(S.O.A.)、 MINOR THREAT 、Government Issue 、Youth Brigade5つのバンドが参加している。

● ストレート・エッジ(SxE):70年末アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.で始まった、反麻薬・反乱交・反飲酒・反喫煙をモットーにしたライフ・スタイルのこと。


Fugaziのイアン・マッケイが在籍していたMINOR THREAT、The Teen Idles、以前レビューしたBlack Flagのヘンリー・ロリンズがボーカルとして在籍していたS.O.A.。

全てはここから始まった感・・・点と点が繋がり線になった!!!!鳥肌!

USハードコアシーンを盛り上げたいという、音楽を愛する気持ちから、この一体感や熱量のこもったムーブメントが生まれたんだろうな〜素敵だな。

最初は48曲にゾッとしましたが、Napalm Deathを思い出し、楽しく駆け抜けることができました!

この手のスピード感を耳にすると、ドラムを褒めざるを得ないです。凄すぎる。

背景含めて、格好良い音楽たちでした!

次回は Massacre の『Killing Time』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに…!

最後まで読んで下さり有難う御座いました。

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