【ZINE制作】写真集、作ってみた。|忘れたくない瞬間たちを刻んだ16ページ
皆様、「ZINE」というものをご存知でしょうか?
ZINEとは簡単に言うと、写真や絵、自分の好きなものをまとめて一冊の本にしたもの。所謂スクラップブックのようなものです。
存在を知ってから「自分の撮ってきた写真をまとめた本を作ってみたい!」と居ても立っても居られなくなり、自主制作してみました。
今回は制作したZINEの紹介と、制作方法などをご紹介しようと思います!
ZINEの生い立ちと魅力
そもそもZINEとはなんなのか?ということについてもう少しだけ深掘りしていきます。
ZINEの魅力
街中の飲食店や映画館などで「ご自由にお持ちください」なんて書かれたフリーペーパーを目にしたことはありませんか?
求人広告であったり、お店の宣伝であったり、色々思いつくものがあるかなと思います。
ZINEのイメージはまさにそんなフリーペーパーで、これがZINEなのだというきちんとした定義はありません。なのですべてが自由なんです!
自分で、自分の好きなものを好きなようにまとめられる。そんなものです。
ZINEの生い立ち
発祥はアメリカで、1960年代頃から若者の間で流行したと言われています。
作った冊子を交換し合ったり、SFファンたちのコミュニティ内で考察など情報共有するために使用されたり、はたまたそこから発展してマスメディアに取り上げられにくい話題について声を上げる方法にもなったりと、用途が広がるに連れてその文化もどんどん広がっていきました。
「ZINE」の語源にも諸説あるのですが、私個人としては「MAGAZINE」から取られたという説が一番有力かなと思います。
現代のZINEのカタチ
想像力豊かなクリエイターたちが続々と増えてきた近年、ZINEの自由さが再注目され始めています。
交換し合うのが主流だった昔とは違い、最近ではZINEを販売することも珍しくなくなってきました。ZINEコーナーが設けられている本屋さんがあったり、ZINE専門店なるものも存在します。
そんなお店を2店ほどご紹介します。
SALT AND PEPPER
東京のZINE専門店。
いかにもクリエイターが集っていそうな素敵な店内です。
沢山のZINEを取り揃えており、InstagramではどんなZINEが販売されているか見ることができます。
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-5-2 今村ビル2階
蔦屋書店 代官山
蔦屋書店 代官山では敷地内の一角にZINEコーナーを設けています。
有名な書店ですらこういった場所を設けていると考えると、ZINEがどれぐらい普及し始めているのかが分かりますね。
〒150-0033 渋谷区猿楽町17-5
ZINEの作り方
そんなZINEは作り方ですら自由。
フリーペーパーとは言え、デザインだって自分で決めるんだしそんなセンスない、難しそう…と思われる方もいると思います。
実際私もそうでした。が、現代技術というものはすごいですね。やってみると楽しくて逆に「やりたいことが多すぎてまとまらない!」となるくらいでした。
制作方法の過程は大きく分けるとこんな感じです。
1.テーマを決める
まずはテーマを決めましょう。
何を表現したいのか、どんなもので表現したいのか。
ZINEは自由が売りですから、どんなものでもいいんです。
酢豚に入ってるパイナップルはありか、なしか?とかでもいい。たったそれだけでもテーマにすると決めたのなら、どう表現しよう?ときっと頭の中にいろんな表現方法が浮かんで来ると思います。
2.資料集めをする
テーマを決めたら、次はそれにあった資料を用意します。
言わずもがなですが、作品に取り入れたい資料がないと制作することが出来ませんからね。
写真、絵、文章。ステッカーや雑誌の切り抜きなんか使っても可愛くて素敵ですね!
3.構成を考える
資料まで揃ったら、実際の構成を決めましょう。
物理的に手元に並べてみてもよし。パソコンにデータを取り込んで編集してもよし。ページ数を決めたり、集めた資料の中から実際に使いたいものをここでピックアップします。案が思い浮かばないときは、他の人の作品を見てみるのもいい刺激になりますよ。
使われなかった資料たちは、もしまた作りたい!と思ったときのために残しておくと新たなものに生まれ変われるかもしれないので、待っていてもらいます。
4.印刷、製本する
さて、ついに製本の工程です。
これは種類がとても豊富なので、自分がどういったものを表現したいかによって合う方法を選んだ方が良いでしょう。
印刷と製本の方法は、大まかに分けるとこの2種類となります。
出版会社に頼む
自分で行う
ワークショップなどに参加して制作する
私は1番の方法で制作を行いました。
選んだ出版会社はラクスルという会社です。
写真をZINEにしたい場合は、この方法が一番合うのではないかと思います。
出版会社に頼む方がコストは高いイメージがありますが、自作する方が手間もかかりますし、何より自宅で使用するようなプリンターではデータで見る写真の雰囲気を完全に出し切ることが出来ません。
ですので、1番での制作をおすすめします。
出版会社を選ぶ基準については、別の記事で用途にあった製本のしかたと一緒にご紹介しようと思います。
私の制作したZINE
初めてのZINE制作。
テーマは悩みに悩んだのですが、今回の作品では「眠れない夜を乗り越える方法」にすることにしました。
実際にテーマに沿った写真を過去のものすべてから遡り、ピックアップして出来たのがこちら。
タイトルはそのまま「夜を乗り越える」という名前をつけました。
ZINEに出会えたのも写真を撮り始めたのも、すべては消えたくなるような夜を乗り越え続けて来られたから。
まずはそんな自分を残しておきたい。そういった思いを込めてこのテーマにすることを決めました。
中身を少しだけお見せするとこんな感じです。
「きちんと本になってる…!!」
自分で言うのもなんですが、結構様になっている気がします。
これを、手軽に自分で簡単に作れるんです。
そんなものがあるなんて、しかもなんの取り柄もないと思っていた私が作れるなんて、驚きでした。
自主制作とは言え、今まで撮りためてきた「忘れたくない瞬間」が形として残るのは言葉では言い表せない感動です。
この作品は私にとっての大きな一歩になったものだと思います。
自分というものを、今までは「消えてしまえばいい」と思っていた私が、こうして自分を残そうと思えたこと。表現することを始めて、私の人生は180度変わりました。
写真もど素人で決してプロには届かないけれど、誰かの手元にこれが残ってくれたらいいなと思うものを制作出来たこと、とても幸せに思います。
この記事を読んで、これからZINEを作ってみたいよ!と思ってくれた方であったり、作品が気になるという方がひとりでもいるならそれは大変ありがたいこと。
何かの力になれば嬉しいな、と思って制作した一冊ですので、コメント(XやInstagramでも可です!)などで声をかけて頂ければ幸いです。
※2024年4月8日追記
制作したZINEはすべて貰ってくださる方が見つかりました。
お声掛けくださった方、誠にありがとうございました!
以上、初めてのZINE制作の記録でした。
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