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心理学ってかっこよくない?

総合大学に通ったことのある人は、1度くらい「心理学の授業を受けたい」「心理学の授業を受けている自分かっけえ」と思ったことがあるのでは?

当然私も上記の有象無象の皆さんに追随して、心理学の授業を取ったことがある。

「心理学を学んで実生活の対人コミュニケーションスキルを上げたい」「スキルを上げればバイトの売り上げが上がって、給料にも反映されるかもしれない」そう安直に考えていた。サブリミナル効果とか、吊り橋効果とかその程度の知識しかなかったが、何とかなるだろう。苦手な数学も使わないし、何とかなるっしょ(恐らく履修登録時は躁状態)の面持ちで1科目、心理学の授業を取った。同じ学部の友達を誘ったが、「サークルがあるから5限は勘弁」と一蹴された。別キャンパスからわざわざ教授が来てくれるのに、そんなに放送研究会は忙しいのか、そうか陽キャの皆さんは暇な時間は大抵飲んでいるもんな。
心理学をマスターして「断る」ことができないような問い掛けをしよう、横に振った首を縦に振らしてやろうと意気込んで第一回の授業に出席することになる。

所属する大学の心理学部はメインキャンパスではなく、郊外にあった。そのため、教授は僻地のキャンパスから本家の池袋に来てくれた。

第一回の授業は、子どもの成長期における周りの人間の影響がどれほど強いのか~なんていう内容を学んだ気がする。「気がする」のは時間が経って授業内容を思い出せずにこうして文字に起こしているのではない、文字通りわからない。
まず、教授の話す言葉が理解できない。1度口を開けば専門用語が2・3含まれた文章が耳を通り抜けていく。せめて用語くらい板書して欲しいものだが、周りの学生は赤べこのようにうなずいている。まるで他言語で授業を受けているとしか思えないありさま。あれー?恋愛の話とか、星座ごとの性格の違いとか余談でいいからやってくんないかな?嘘でもいいから。

この授業では参考文献やレジュメが配られるため、教科書や教授の執筆物を購入する必要はない。毎回出席し、レジュメに目を凝らしていても教授の言っている言葉が理解できない。なのに、前回は~の所まで説明しましたかね…とあごひげを撫でながら進めている教授、それについていく学生諸君、取り残される自分。受験勉強をした気になっていた自分はここまで矮小な頭脳しか持っていないないのだ…所詮文学部は人の書いた本を読んで批評しているだけなんだ。心理学についてとなると、同じ言語のはずなのに批評どころか内容が全くわからない。

残念ながらGPAのためにも、履修を取り消そう。4回目の授業が始まる前に教壇にいる心理学大教授に「履修中止」を伝えた所、残酷すぎることが判明。「君、文学部じゃないか。この授業は、心理学部2年の必修単位。その単位を落とした3・4年生向けに本キャンパスで救済措置を与えるために開講されているものだよ。見たことない顔だと思ったけど、単に出席していない3・4年生かと思った。他学部も受講できる心理学講義は上の階でやってるから間違えたのかな」
数字の読めない私が履修登録していた『心理学基礎』は、同じ校舎の上の階で開講されてると知った。
3・4年生が再履修している内容のはずだ、1・2年で身に着ける基礎的な用語ぐらい知っていて当然。なぜ気づかなかったのか。たぶん出席が足りていない生徒ばかり、つまり同じ学部でも顔を合わせないからあの独特の距離感が生まれたから、その違和感に気づけず他学部の私が3回も受講。恥ずかしすぎる。しかももう講義は4週目に差し掛かっている。今更『心理学基礎』に出席しても無断欠席×3だと単位も取れない。

今まで分からずも聞いてきた授業の中には、恋愛必殺術・掌握術など全く出てこなかった。このまま心理学の授業はフェードアウトして、書店に並んでいるコミュ力上昇を謳うベストセラーでも読もう。それらしいことが書いてあるだろう。

心理学講義を受けてるかっけえ自分になれきれなかった元学生より、心理学と恋愛、掌握術は別物だよ!人心掌握がしたければリリちゃんのパパ活マニュアルの方がよっぽど役に立ちそう!

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