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食について本から考える11月

「食について考えるイベントをやってみよう!」
そのイベントから2年がたちました。

農家としてレストランなどとも関わり地域の活動で大活躍していたり、他の仕事をやりつつ食のイベントを行い続けることで交流の場を作っていたり、カフェに関わったり、はたまた全く違う業界に入ってみたり…
イベント後は"Next gastronomia"としての活動は難しい時もありますが、各メンバーはさまざまな活動を続けています。

昨年はオンラインで交流をしたり、メンバーで集まって振り返り会をしたりしました。地産地消チャレンジというのもやり、さまざまな食の存在を知るきっかけになりました(47都道府県制覇してませんが…)。
今年はそれぞれメンバーが新しいことを始めたこともあり、何かを一緒に行うのは難しかったです。しかしNext gastronomiaは私の食に対する気持ちを完全に変えました。食べ物に関する記事が目にとまるようになったり、本も積極的に読むようになったりしました。特に11月は食について普段よりも考える1ヶ月です。
もしかしたら食欲の秋…なのかもしれませんが。

私は農家でもシェフでもなく、「一消費者」「一おいしいもの好き」です。
家でごはんを作っていると「なんでこれやるの?」「どうしてこれじゃだめなの?」という疑問がわくものの、その回答はレシピには載っていません。深く考えずに美味しいものを食べれば良いじゃないか、とも思いますが、せっかくなら理由付きで知りたい。
秋は食欲の秋、だけでなく、読書の秋です。
私の疑問を解決するような面白い本を見つけたので、そちらをご紹介します。
Q&A形式で書いてあるので、そこから2点をピックアップしました。

1. アクは悪いものなのでしょうか?
2. 東北地方の料理に、塩辛いものが多いのはどうしてでしょう?

「味・香り「こつ」の科学: おいしさを高める味と香りのQ&A」より

1. アクは悪いものなのでしょうか?

正直よくわからなかったアク。
大きく分けると植物性のアクと、動物性のアクがあるとのこと。
(この本の好きなところは、原理や成分が書いてあるところ)

植物性のアクとは、ポリフェノールやカルシウム、マグネシウムなどのことで、渋みやえぐみの成分であると考えられます。

p35

動物性のアクとは動物の筋肉や骨を熱水で抽出した際に、たんぱく質が脂質を取りかこんで浮いてきたものをいいます。

p34

ほうれん草のアクの正体はシュウ酸。
とりあえずやってみよう精神なので作りました。
アクぬきしないで作ったほうれん草のスープは美味しくいただきました。

ならば!動物性のアクもいけるだろう!
シチューを作るとき「アクをとりましょう」と書いてあるが、とらなくても食べられそうだよな…そうだ、アクだけ食べてみよう。

「うげ、おいしくない…」

アクは悪者じゃないけどできたら取るべき…。
読んでやってみて、ようやく納得です。
(やってから写真撮ればよかったと気づくのでした)

2. 東北地方の料理に、塩辛いものが多いのはどうしてでしょう?

日本人の食塩摂取量の地域差についての研究では、寒冷な地域ほど、食塩摂取量が多くなっていることが示されています。
(中略)
気候だけで説明するのは無理があるようです。
(中略)
今後の研究が期待されます。

p23

「え!解明されてないの!?」

暑い国でも食塩摂取量が多い地域もあるので、寒いからとは言えないみたいです。寒いから口は開けないし〜、寒いから保存食を作るし〜、と思ってました。
まだ未解明点がある、というのも食の面白さなのかなとも思いました。

一問一答形式の本は紹介するだけでネタバレになってしまうので、さらっと紹介しました。読みやすく面白いのでぜひ読んでみてください。

メイラード反応で美味しく感じたり、なんとか酸・ヘキサなんとか・なんとかノールの反応を脳みそが「おいしい!」と思ったり「食べたくない…」と判断しているのなら、食は科学ではないか、そう感じました。

「食べられる」と認識したものが美味しい物に見えるというのが人間なんだそうです。生まれつきの好みというのは基本ないとのこと。
食べてきたものなどで食べ物の好みが決まってしまうということに驚きました。同時に小さい頃にいろんなものを食べるというのは大切なんだなと感じました。

"おうち時間"として自分の料理・ご飯と向き合った時期がありました。
最近は「めんどくさいから買ってこよう」とか、「外食ができるようになってハッピー!」という気持ちが勝る時もあるかもしれません。
私は「食べたい」には理由があると思っているので、食べるものについて考える習慣をなくしたくないと思っています。「とりあえず食べる」「なんでもいいから食べる」ではなく、口にするものについて考える時間が増えるといいなと思います。

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