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「ローカルガストロノミー」イベントレポートno8

2020年11月「ローカルガストロノミー」をテーマに行ったイベントのレポートNo8です。舞台は発酵の町、秋田県湯沢市。秋田の伝統食材を使用し、未来に食文化を継承し、「自然と人が共生する」を探究するべく、新しい地域の料理を楽しんだ1日目に続き2日目はシンポジウムを行いました。3日目は味噌蔵で発酵に触れ、楽しみながら学ぶ発酵ワークショップを行いました。
その発酵ワークショップの中で行われた、ゲストトークについてこの記事を通して共有したいと思います。
ヤマモ味噌醤油醸造元7代目高橋泰氏によるゲストトーク
『発酵と酵母の可能性について』

味噌や醤油など発酵文化は日本で有名であるものの、実際に今発酵で話題となっているのはデンマーク、コペンハーゲンにあるnomaである。日本から菌を持ち帰ってすでに向こうで作っているそうだ。発酵には変態性がある。ワインを作る際に水分量の多いぶどうなら発酵させようと思うのもわかるけど、日本酒は水分量が少ない米を複数の段階を経たせてわざわざ発酵させるので全く別の話。その工程を考え出すということは普通の考え方ではできないことである。味噌だって醤油だって同じで、あまりにもおかしい。

これから発酵業界をゲームチェンジをしていく中でどのように行うべきか、という話もしていただいた。
質問で日本からどのように発信するべきなのか、というものもあったが、周りからは反対されたりするのは当たり前である。大きい目などを描く日本のアニメも最初は反対意見が多く、業界の中から煙たがれていた。しかしそのまま自分の好きなものを、突き進めてきたことで現在は広く受け入れられている。

印象的だったのは、ヤマモに今来ている海外シェフはオレンジソースをかけるのが当たり前の文化で育ってきたという話である。その文化が根底にあるから日本の味噌とオレンジソースをミックスして料理を作っている。日本人から見たらそれは明らかに邪道であるが、それは海外から見たら邪道ではなく、新しい味の組み合わせを創り出しているだけである。
日本の蔵元は醤油や味噌を昔と何も変えず、そして新規参入をほぼいない状態で、日本人が頑固に守り続けるのが良いのか、それとも新しいものを創り出していくべきなのか。
東京の飲食などは面白く、たくさんのお店が出入りして多様性を保っている。それで新しいものが生み出されて壊されて進化していく。アウフヘーベンするようなものだと理解した。

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