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バンコクで、PERFECT DAYSを見た。/ タイ旅行記④

「悟った人の生き方だね」というレビューにとっても気になってた。でも出国前に見れなくて、わーん帰ってくる頃には終わってるかも〜と思ってたからバンコクで上映してるの気づいた時はうれしかった。大人1人600円!安い!

見終わった後にどうだった?と聞かれて「映画館すんごい寒かったね」と口走ってしまったけれど、そこから数日たって私の中で感じたものがじわじわきてる。
すごい、遅効性の感じるがある、この映画。

一緒に見たみんなで感想戦した時は「なんか…この映画の真ん中、伝えたいことは非言語なものな気がして、言語化することで形を変えてしまう気がして、今それができない」と答えた。細かい部分の描写についてはみんなの解釈に「なるほどー!」となった。そして調べれば調べるほどにいろんな納得があるんだろうなと思った上で「これ、もうすこし非言語のまま自分の中でかみかみしたいな」と、レビューを見ないですごしてみた。

時間が経つごとに、くる。

気づきがくる!

鑑賞した日の夜の気づき。

主人公・平山の日々に触れ最初は「寂しくないのかな?」と思ったけれど、大事な人にはちゃんと言葉で話すし、顔見知り程度の人にもふんわり笑顔を向けていて、周りの人たちを愛しんでいる人なんだなと感じた。(たけしのことは好きじゃなかったのかな)

いいことがあった時も、嫌なことがあった時も、その瞬間の反応はしっかりする。
けれど一晩寝たら機嫌よく起きる。
その様子に、「あぁ、釈迦の言う嫌な感情にも良い感情にも執着するなってこういうことか」と思った。
毎日0にリセットされる。彼のデフォルト(0)は、機嫌が良い。それは、日々幸せだなと思う。出来事に反応したって、それが彼を不幸にすることはないのだ。そう感じた。

寝て起きた、次の日の朝に来た気づき。

私は寝起きすぐ、気がかりだったことがふわっと心に戻ってくる。いまこれ気にしておくれ!という私のリマインダー機能かなと思ってるけど正直あんまり気分が良くない。
平山は、どんな日も毎朝起きて空を見上げた時には微笑んでた!朝から、機嫌がいい!あれ!私それない!と思った時、前の職場の同僚を思い出した。
彼は「起きた瞬間から今日なにしよ〜ってワクワクする」って言ってた!ほあー!いた!そんな人、身近にいた!

そうか、私のふんわり気になるモードは当たり前じゃない。ふぁー!毎朝きげんがよい!めちゃいいな。
私もそれにする!と思った。
参考がいるのってめちゃよくない?
映画として平山の日々を俯瞰して見たことが、その状態の解像度をあげてくれた。

次の気づきは、バスターミナルにいた時に。

パタヤへ向かうために訪れたバスターミナルの売店の棚に、クマさんのデフォルメした顔があしらわれていた。
クマさんは脈絡なく、そこに佇んでいた。
突然のファンシークマさんに、くすっとした。

その時だった!ズガーンときた。

私は今目に入った風景を愛しいなと思った。
その時に出た微笑みは、映画で見た平山の微笑みと同じ感じだなーと思った。
そっか!平山は毎瞬目の前に映るもの、人、自然、風景、すべてを愛しんでいるのか。
だから毎瞬あんなに幸せそうなんだね。
その態度は、圧倒的、能動的だね。

私は「世界に愛されようとしていた」ことに気づいた。
受け入れられてるかな?あってるかな?という確認の態度になってしまう。
ただ、目の前のすべて、世界を愛するだけで毎瞬が幸せになるんだ。

タイにいて「いや突然のクマさん」的なものはたくさんあって、ほんと微笑ましいなって思う。
そんですごいのが、そういうかわいいものだけでなく目の前にある風景すべてを愛しむと、全部かわいくてしかたない。
かわいいって最強なんだぜ。かわいいのなかには、かっこいいとかおもしろいとかバカっぽいとかしょーもないとか、すべてを愛しむ感情がふくまれてるから!

。。。

パタヤからの帰りのバスの中、わたしは寝たり起きたりを繰り返しながら、ぼんやり音楽を聴いたり窓の外を眺めたりしていた。もうすっかり夜中で友達はみんなねむっていた。私のま隣で眠る子も、その横どなりで眠る2人の友人も、すやすやと。バンコクでの1週間を共にした3人のその姿が愛しくて、そして旅の終わりを感じさせて切なくなった。

すやすやみんな

友人2人が帰って、今日からは2人旅がスタート。
どんな旅になるのか楽しみだな。

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