旧作ザオリク図書館「ボクのふたつの翼5巻」レビュー
さあ、いよいよ最終5巻のレビューです。真琴に隠された血族の秘密とは一体? という胸ワクシーンから始まる5巻ですが・・・・・・な、なんと真琴は宇宙人との混血児でした!
謎の父から送られた携帯電話がオーパーツ性能だから、てっきり未来人ネタかと思っていたら、エイリアンオチというね。
真琴の宇宙人父が語るには、彼は43光年離れた惑星から、地球の調査にやって来た両性具有種族の宇宙人(外見は金髪白人女性)で、昔一時的に誘拐した香菜子さん(ひろみのママ)と恋愛関係に陥り、孕ませてしまったのが真琴、ということでした。
その後、香菜子ママとひろみの祖父は、大きな騒動になるのを恐れて、真琴の氏素性を長年隠蔽していたのですね。つまり主人公・ひろみと真琴はイトコではなく、姉妹(?)の関係にあったのです! (ま、ひろみは亡父の連れ子だから血は繋がってないけど)
2000年代前半のTS作品としては、王道の展開なのかなあ? まあ宇宙人ネタなら両性種族はむしろ古典的ともいえます。
さて、周囲に阿比古一派の不穏な動きがあるので、自分と一緒に母星に帰ろうと真琴を誘う宇宙人父(しかし両性具有の美人父って、倒錯してますな、一応男言葉で喋りますが)
で、当然帰りたくないと、その場は断固拒否する真琴なのでした。まあ、今まで父親? に放置されといて、いきなりそんな事言われてもねえ。100%地球で生まれ育ったわけだし。
その後、真琴はどんどん男としての性に目覚め始め、栞奈との校内SEXにのめり込んでいきます。さらにはひろみの元カレ・圭悟にも告白されて、デートすることに・・・・・・。完全にバイセクシャルの道へと邁進中。
最終巻だけあって、二人の初デートを監視しようと、今までのレギュラーキャラが大集合。その中を逃げ回る真琴と圭悟ですが、観覧車で久松と彩愛のデートに遭遇(いつの間に!?)した後、結局はラブホへと避難します。 気が早いことに、真琴はそのままエッチする流れに突入!
この圭悟という男、前回役に立たなかった久松の二の舞かと思いきや、ふたなり相手でも全く平気なよう。チャラ男属性だけに強者ですな。
とうとう真琴は、男性とも最後までしちゃうのでした(感想は痛いばかりだったようですが)
そしてついにお話は怒涛のクライマックスへ! 再び阿比古一派が動き出し、真琴を探すひろみ達を銃で脅して誘拐します。真琴と圭悟も、ラブホの帰り道、電話でとあるビルに呼び出されてしまいます。
どうやら阿比古は、真琴を利用することで、エイリアンの技術を入手する目論見のよう。とんだ俗物教師めが!
高層ビルの一室に呼び出された真琴は、目にも止まらぬ高速移動で善戦するも、ひろみ達を人質に取られては万事休す。このまま言いなりかと思いきや、さすがエイリアンハーフ、怒りで謎の衝撃波が発動して、奇跡の逆転勝利です!
しかしこれでは、ビル周囲にも破片で大きな被害が・・・・・・というところで、真琴の父が颯爽と登場。宇宙人パワーで事態を無事に収めます。
その後、結局真琴は周りに迷惑をかけないために、ひろみ、ママ、祖父以外の記憶を封印して、地球を父と共に去っていくのでした。
そしてエピローグへ・・・・・・今更ながら、いなくなった真琴への恋愛感情に気づいたひろみ。切ない思いを抱いていた矢先、なんと母星に旅立ったはずの真琴が帰宅! 二人が密かに抱く想いは、同じなのでした。
早々の心変わりに、怒った父から勘当されてしまい、またよろしくねと明るく言う真琴に、先が思いやられるひろみであった・・・・・・という大団円。キスで締める見事なハッピーエンドでした!
ひろみとこうなる結末なら、もう少し二人の恋愛イベントは見たかったかなー? 最後でいきなりくっつけた感あるし。
もしかすると、連載時に打ち切り食らったのかもですが、最終5巻は結構駆け足で描かれてます。
まあ、キャラは皆可愛いし、エッチなシーンも豊富、誰も死なない明るく楽しいストーリーで、面白かったです! 唯登詩樹ファンなら外せない名作ですね。
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