見出し画像

《幽霊の裁き、ケイヤ》出現コンボ 調整録

どうも、くろです。
次の投稿は、カルロフ邸殺人事件(MKM)から気になる統率者紹介でもやろうかなと考えていた矢先、晴れる屋様のこの企画が目に留まりました。

スタンダード構築から離れて久しいですが、気になるカードが複数あったことも手伝って、企画へのエントリーを決意。その後なんやかんやして完成したのが本記事のタイトルにもなっている《幽霊の裁き、ケイヤ》を軸としたコンボデッキです。プロキシで一人回ししていても、かなり面白いデッキに仕上がったと思うので、今回は調整過程含め記事にすることにしました。

どうぞ最後までお付き合いください。


デッキリスト

このリストに至るまで

はじまりは《謎の骸骨の事件》だった。

はじまりはこのカードだった(跡形もない)

企画にエントリーすることを決めたとき、まず私はこう考えた。

『どうせ組むなら派手なほうがいい(つまりはコンボデッキ!)』と。
そして、『可能なら4キルできるようなコンボにしたいよね!』と。

どうして、4キルが前提なのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれない。各環境には許容されるキルターン数があり、スタンダードであれば4ターンが分水嶺。

そして、コンボデッキであるならば、『コンボ始動、即ち勝利』でなければならない(鉄の意志)。であるならば、最速目指すのが人の性ではなかろうか?

それを念頭にカルロフ邸殺人事件のカードリストを眺めていると、天啓が下りてきた。

《謎の骸骨の事件》《幽霊の裁き、ケイヤ》《ヤーグルとムルタニ》、この3枚組み合わせたら4キルできるんじゃね?

4ターン目に、18点シュート!

理想的な動きはこうだ。
2ターン目:
《謎の骸骨の事件》をプレイ。
生成されたスケルトン・トークンに『容疑』がかけられる。

3ターン目:
スケルトンで攻撃。その後、切削効果を持った呪文を唱え、墓地を増やす。

墓地に《ヤーグルとムルタニ》を送り込もう

4ターン目:
《幽霊の裁き、ケイヤ》をプレイ。+2能力で切削、墓地にある《ヤーグルとムルタニ》を追放し、スケルトンを《ヤーグルとムルタニ》のコピーに。《ケイヤ》の能力と『容疑』により、威迫、飛行を持ったトークンで攻撃!

カードプールを隈なく『調査』したところ、トークン生成と切削を同時に行える《麒麟の教え》も発見。

3枚切削+実質パワー2トークン、いいんですか?

さらに、これらを《鏡に願いを》の協約コスト充てれば、実質《ケイヤ》8枚体制が現実に。そうして、プロトタイプが出来あがった。

今見ると、なんだこの紙束は?ってなる

ここで本筋からは逸れるのだが、私はデッキを一から組む際、まずはスペルだけ選出し、土地は全色かつアンタップインできるものとして一人回しを行っている。
これは土地事故の影響を最小限にした状態でどれだけ理想の動きが実行できるかを確認しないことには、デッキとしてお話にならないからだ。
そうして一人回しをはじめたところ、早速に壁にぶつかることになる。

挫折。《謎の骸骨の事件》との別れ。

まず、《謎の骸骨の事件》が弱かった。正しくは、”このデッキでは弱かった”だ。ブロックされずらいトークンを供給こそすれ、事件が解決することはほぼなく墓地肥しには一切寄与しない。さらには『容疑』の効果によって、トークンはブロックに回れないため、守勢に回ることもできない。アグロデッキとの対面を想定した場合、特に後手番ではかなりプレイしたくないカードであった。

さらには、クリーチャー選出も正直適当(色の合うでかいやつで攻撃誘発持ち入れとけばええやろ)であったし、手札に来たデカブツ達は《苦々しい勝利》で墓地に送り込む以外使い道がなかった。特に、《ガルタとマーブレン》は横にクリーチャーがいる状況が滅多になかったため、実質攻撃誘発も無いも同然であった。

その一方で良いニュースもあった。新カードで色が合うという理由だけで入れていた《蜘蛛網の頭、アイゾーニ》、これが思っていた以上に強かった。

実質コンボ要素備えた《墓所のタイタン》

攻撃誘発でのトークン2体生成はこのデッキならほぼ確実で、《ケイヤ》を守るための壁かつ次のターンの変身の種を複数用意できるのは非常に頼もしい。

さらには、この攻撃誘発でクリーチャーを追放できれば、再び《ケイヤ》の効果が誘発するのだ。これにより《アイゾーニ》を変身し直してもよいし、ほかに攻撃中のクリーチャー・トークンがいればそちらを変身させることで総打点を大きく引き上げることが出来、これはこのデッキをプレイする上で意識しておきたいコンボの一つであると分かった。

困ったときには、下環境のデッキを参考にしよう。

コンボが決まれば4キルできる可能性は秘めているものの、現状のままではデッキとして機能していないと判断せざるを得なかった。そこで私は、先人たちの知恵を拝借することにした。つまりは、実績ある下環境のデッキのアイディアや構成を参考(パクる)にしようと。そうと決まればと、使用感や色構成の近いパイオニアのパルへリオンシュートの デッキリストを漁りはじめた。

パルへリオンシュートのデッキリストを『調査』したことで、デッキリストを幾分か改善することが出来た。

《入念な栽培》、どこから出てきた?

主なアップデート内容は、
・墓地肥しの増量
 パルへリオンシュートでは概ね、切削、ルーティングが併せて 11、12枚採用されていたので、《ラフィーンの密通者》を追加。
・《名もなき都市の歩哨》の採用
 トークン生成と墓地肥しを兼ねていて、パルへリオンシュート以上にデッキとかみ合いそう
といったところ。

《名もなき都市の歩哨》はうれしい収穫であったが、テストを繰り返すにつれて《ラフィーンの密通者》への印象は下方修正されていった。
パルへリオンシュートで採用されている切削カードは1枚で4~5枚切削できるのに対して、スタンダードで採用できるカードではいずれも3枚切削しかできない。そんなことありませんでした、4枚以上切削できる子います。
そのため、《ケイヤ》プレイまでに見れる枚数を増やしたり、《アイゾーニ》の証拠収集の種を準備する上でも、切削カードを優先して採用したいという気持ちになったからだ。

《入念な栽培》は、当時なぜか真面目に試していた1枚。今となっては遠回りの一つでしかないが、何事も挑戦ということで許していただきたい。

ブレイクスルー1 《陰謀の解明者》

パルへリオンシュートを参考にしたことで、幾分マシになったものの当たり枠の内容にも疑問が残ったままだったことも手伝って、『やはり、一発芸の域を出ないのか…』という気持ちが湧いてきてしまい、《ケイヤ》デッキの調整は一度諦め、別なデッキを模索することにした。

幸い、カルロフ邸殺人事件には、ほかにもコンボデッキの核となれるカードが複数あった。

カルロフ邸殺人事件にも面白いカードがいっぱい

それらのカードを軸に新たなデッキを組んでは崩しを繰り返すうちにとあるカードに行き着く。そう、《陰謀の解明者》である。

運命の出会い

プレビュー時から《全治》の再来と言われ話題になり、《多元宇宙の突破》との組み合わせを模索する人も多く、投稿されていた #天才デッキビルダーのデッキの中にもそう言ったものが既にあったりもした。

私自身も同様のコンセプトのデッキを組み始めたのだが、なかなか納得のいく構成にはたどり着けない。

そんな最中、ふと頭によぎったのだ。

『こいつ《幽霊の裁き、ケイヤ》デッキに同居、いけるんじゃないか?』

自身はパワー6とサイズも十分ではあるが、それ以上に手札に来てしまった重い呪文たちにプレイ機会を与えてくれるのだ。《ケイヤ》の効果を誘発させるというおまけ付きで。しかも、このデッキには《多元宇宙の突破》も実は最初から入っていたのだ。

右側、ぷち《多元宇宙の突破》ですよ

《アイゾーニ》のところでも触れたが、1ターンに複数回墓地のクリーチャーを追放できると複数のトークンを変身させることが出来、打点が足りるパターンも一気に増えてくる。それを踏まえて調整を行った後の構成が以下のものだ。

大分、今のリストに近づいてきた

ひとつ前の構成から、《ヤーグルとムルタニ》が減量され(最初のコンセプトはどこへ行った)、マナ補強・ルーティングを兼ねられる《蒐集家の保管庫》を試すことに。マナベースは後の自分が考えればいい(未来の自分のことを思いやれ、ばか)ということで、追加の除去 or 墓地回収になれる《巨大な空亀》採用し、再度一人回しを繰り返していった。

ブレイクスルー2 《もがく出現》&諜報ランド

《巨大な空亀》を使い始めてしばらく経って、ふと気づいた(むしろなぜ今まで気がつかなかった?)

『どうして、墓地から手札に戻す?直接戦場に出せばいいじゃないか?』

そう、スタンダード環境にはこのカードがあったのだ。

ようやく登場

ここまでの調整過程で、散々土地構成を後回しにしてきていたが、当初諜報ランドを採用する予定はなかった。2→3→4と安定してカードをプレイしたいのであれば、色バランスはともかく各種ランドの配分は既存のスタンダードデッキの枚数を基準に決めればよかったからだ。無理に新しい土地を採用する必要性もないと。

さて、ここで問題だ。4マナの《幽霊の裁き、ケイヤ》を3ターン目に吊り上げるために墓地に必要なパーマネント数は『4』。採用できる切削持ちの
カード1枚当たりの切削量は3。そして、1ターン目は空白ターン、すなわちタップインを許容される。そう、諜報ランドの出番ということだ。

やっと出番?

”イメージするものは常に最強の自分”

ワンチャン、こんなパターンもありうる

1+3=4、小学生でもできる簡単な足し算。その4枚が全部パーマネントで、その中に《幽霊の裁き、ケイヤ》が入っていればいいのだ。
別に、揃えてしまっても構わんのだろう?

上記の戯言はともかく、第二の釣り竿が入ればそれだけデッキの動きは安定しますし、《ケイヤ》と違って《出現》から釣った場合はそのまま定着してくれます。

そうして、再度調整を重ね至ったのが現在のリストというわけです。

放置し続けてきた土地構成については、各色の最低要求枚数を満たすようにカウントして配分を決めています。
とはいえ、最低限って感じではあるのでもっといい土地構成がありましたら、ぜひ教えてください(他力本願)

もっといい方法募集中

採用カード解説

後日、追記予定

《幽霊の裁き、ケイヤ》《もがく出現》

《蜘蛛網の頭、アイゾーニ》《ヤーグルとムルタニ》《陰謀の解明者》

《麒麟の教え》《浮き荷//捨て荷》《ブランチウッドのうろつくもの》

《名もなき都市の歩哨》

《苦々しい勝利》

デッキの回し方(キープ基準)

目指す動きは、2、3ターン目でトークンの配備と墓地肥し、4ターン目に《幽霊の裁き、ケイヤ》着地からのコンボスタートです。
墓地を肥やさないことには始まらないデッキですが、トークンの準備も同時進行で行わなければならないため、切削カード+トークン生成カード、2枚以上の土地カードを含むハンドが最低限のキープ基準になるかと思います。

意識しておきたい小技

《陰謀の解明者》
 《ケイヤ》の能力で《陰謀の解明者》を追放する場合で、クリーチャー・トークンと非クリーチャー・トークン両方ある場合は、非クリーチャー・トークンを選ぶ方がおススメ。クリーチャー・トークンを選んだ場合、除去呪文で能力を立ち消えさせられるケースが非クリーチャー・トークンを選んだ場合より発生しやすいと考えられるからです。『相手が除去を持ってる状況なら、結局攻撃はできないじゃないか』って思われるかもしれませんが、《陰謀の解明者》であれば、優先権を渡さず手札の呪文をプレイすれば最低限仕事はしてくれます。
 その過程で、ほかのトークンも変身することになれば除去1枚では足りなくなっていきますしね。

《名もなき都市の歩哨》
 地図・トークン使う/使わない誰に使うかは、臨機応変に。
 《ケイヤ》の能力で指定できるのはどんなトークンでもいいので、複数のトークンが残っていると《陰謀の解明者》をプレイした際の取れる行動の幅が大きく増えます。さらに《歩哨》のサイズを無理に上げなくてもいい場合は、周りのトークンをどんどん育てていきましょう。このデッキでは、回避能力(威迫、飛行)持ちのトークンも出てくるのでそれらを育ててビートダウンするというプランも十分あり得ます。  

採用候補(だった)カード

後日、個別解説を追記予定

《かじりつく害獣》

《事件現場の分析者》

《クロクサとクノロス》

《蒐集家の保管庫》

《執念の徳目》

最後に

冒頭に掲載した晴れる屋様の企画、2/9 (金)の生配信中で投稿されたデッキの中から8つのデッキがノミネートされ、一番票数が多かったデッキ製作者が「天才デッキビルダー」に認定されることになっております。本記事執筆時点では最終選考の8デッキにノミネートされるかどうかも分かっていませんが、もしノミネートされていた際はどうか応援をよろしくお願いいたします。

それでは次の記事でまたお会いしましょう。

このnote記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?