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『カルロフ邸殺人事件』 発売直前値崩れする高額カード予想

 皆さんこんにちは。
 ラヴニカ再訪でテンション上がりまくりの84gです。
 ラー! ブー! ニー! カーァアアアアア!
 10のギルドがそれぞれカラーパイを体現し、互いにぶつかりあいながらもひとつの世界を構成する、正にMTGという色を体現した次元。
 同じマッドサイエンティストでもイゼット(赤青)とシミック(緑青)は電気と火花を礎とするか、肉と命を土台にするかで発明物が異なり、
 法と秩序を司ってもアゾリウス(白青)とボロス(赤白)は、互いに自分たちこそが真の正義の体現者だと思っている。

 『カルロフ邸殺人事件』、もう来週発売ですよ!
 注目の新規カードが多く、発売日前からカードショップでは予約販売をしています。
 人気のあるカードは高く、そうでないカードはそれなりに。
 予約価格は大概、発売後には下がっていくのですが、中には発売後に急騰することになったカードもあります。

 初動は200~500円とかだったように思います。カスレア扱いでした。
 しかし使われると強さが証明されていき、スタンだけでなくパイオニア、モダンで多く使われ、一時は4000円まで。
 その後、スタンダードで禁止されてもなお、3000円は維持しているパワーカードです。
 神話レアでもなく、通常のレアカードでありながらこの金額変動。
 近年の「高騰したカード」の代表格といって間違いないでしょう。
 自分も1500円くらいで買っていたので早かった方なんですが、友達が初動で8枚くらい買っていたので、なんか損した気分になっている1枚です。

 とはいえ、基本的に予約購入は下がることが多いので、予約購入は「損してでも確実に早く入手したい」みたいなカードだけ購入するのが無難だと思います。
 あとは、「絶対値上がりする!」という読みでの購入ですが、僕はあんまりお勧めしてないですね。

 で。
 今回の記事は「予約価格が高額だけど、筆者は値崩れすると予想しているカード」の分析と考察となっています。
 後々で見返して予想が外れたと笑うか、予想が当たっていたと笑うか、どっちにしろネタになるのでやってみます。

 また。
 カードはあくまでも遊ぶものです。
 転売やデイトレードのようなこともあまり僕は好感を持っていません。
 批判する気も特にないですけどね。好感は持っていない、それだけ。
 おカネの話になりますが、この予想もあくまで個人の予想・空想・妄想の類であり、それから不随する金銭的な損失・利益は僕は責任取らないし、取れません。
 逆にこれで儲けられた人がいたとしても、僕にお小遣いくれることはないでしょ? そういうこと。
 ということで、この記事は「筆者にカードを見る目があるかどうか」の格付けチェック的なものです。
 読者の皆さんは、筆者がドヤ顔で「言ったとおりだろ?」となるか、「見る目ねえええ!」となるかを予想しながらご覧ください。

 なお、この記事は2024/1/30に執筆しています。
 金額もその辺りに準拠しています。


《世慣れた見張り、デルニー》

現在の予約価格:約4000円


 これ、僕も他の記事で無限コンボを紹介したり、カード性能は高いと思っています。
 いわゆるカスレア……ストレージで30円とかになるカードではないんですが、いくらなんでも高額すぎる。
 構造的に他のクリーチャーを並べたりコンボ用なんですが、僕の知る限り《デルニー》ともう1枚の合計2枚で必殺レベルになるコンボは存在しない。
 そもそも、2回誘発すればいいだけなら、同じカードを2枚並べれば良いだけなんですよね。
 どういうことかというと、例えばこんなカード。

スタンダードでもお馴染み。

 誘発で倍追放できますが、それなら《粗暴な聖戦士》や類似カードを多く採用した方がいい。
 《デルニー》単独では除去にならないんだし、これをやるには3ターン目に《デルニー》を置いて4ターン目に《聖戦士》で除去ができるのが4ターン目だけど、両方が《聖戦士》なら3ターン目に既に1体除去できてるわけで。
 もちろん、固有の強みもあります。

 《エーデリン》なら伝説なのでそもそも並べられませんし、4ターン目に《デルニー》を置いても良いです。
 トークンがブロックされないのでだいたい勝ちます。
 でもですね? そもそも《エーデリン》が生きて4ターン目に帰って来てるなら勝勢なんじゃない?

 これも同じで、トークンが倍でる、果敢が倍になる(途中でパワーが上がったら通常通り)なども強い。
 けど、そもそも《僧院の導師》に除去が撃たれてない段階でもう1体クリーチャー出して非生物呪文を唱えてるならもう終盤、勝勢なわけで。

 そう、既に勝ちそうなんです。このカードが強い状況って。
 他のクリーチャーが除去されてないんだから、戦術がだいたい完成している。
 活躍するための前提が多く要求値が高く、20点削れそうな盤面で30点くらい削れるというオーバーキル要素が強いんです。
 てことは、このカードの意義は「回避能力の付与」と「複数回の誘発補助」ですが、
 ブロックされたくないなら3マナで《粗暴な聖戦士》を出してブロッカーを退かした方が確実ではないでしょうか。
 複数回の誘発も怪しいですしね。

 構築で考えた場合、パイオニアだと環境王者・ラクドスミッドに対して弱すぎるのが致命的です。
 シナジーありきなので相方のクリーチャーを《思考囲い》で抜かれると機能せず、
 3マナ域でありながらタフネス2なので、2マナのアクションである《税血》の能力や《砕骨の巨人》の出来事にも除去され、《インティ》や《ゴブリン・シャーマントークン》が殴って来るだけで苦しい。
 相方が2マナ以下なら《致命的な一押し》にも邪魔されますしね。
 そう、そもそもラクドスミッド相手なら、そもそもブロッカーを立ててくれないんです。
 3ターン目のアクションが《デルニー》の場合、本人のブロッカー性能が弱すぎて相手は殴り返せば良いだけなので、ビートダウン相手に脅威になってない。
 《デルニー》を突破できない=パワーが2以下の生物ならそもそもブロックに参加できますしね。
 この能力は本人のタフネスが4、最低でも3はないと強くは機能しません。
 詰めの場面とかではもちろん強いんですけどね。要求する状況が狭い能力と言わざるをえない。

 モダン以下ではラクドスミッドレンジはマイナーとはなりますが、そもそも3枚コンボで必殺というのはザラにありますし、
 2枚で『強すぎる!』というレベルのシナジーを発見できなければ構築級ではなさそう。

 一応、パイオニアのアブザン探検なら採用検討はできますね。
 《集合した中隊》に対応し、《復活の声》のトークンが2体出ますし。
 ただ、あのデッキって《野茂み》と《アマリア》が揃えば勝ちなので枠が多分ないし、あったとしても1枚とか2枚。

 4000円というのは、スタン・パイオニアを中心に活躍する《放浪皇》の値段です。
 スタンダードの白系に幅広く数枚採用され、パイオニアでも白系のコントロールデッキに2~4枚採用される。
 それほどの人気カードになって付く金額、それが4000円です。
 僕はこのカードが《放浪皇》より多く採用される未来が予想できないので、落ちる予想。
 ちなみに、ライフ20点のゲームではオーバーキルでも、ライフ40の統率者では適正だったりします。
 そっちでは文句なしに強いんですが、統率者戦は強いカードが入り乱れる魔境であり、枠がそんなにないと思います。
 《ティムナ》とか確かに強く使える統率者もいるんですが、他の採用カードが強すぎるし、
 そもそも並べてしまうと《ティムナ》のヘイトが高くなりすぎて除去の的になりそうですし、必須とは思ってないです。
 有ったとしても1枚しか使いませんしね。
 というわけで、個人的には1000~1500円に次弾の『サンダージャンクション』発売時を迎える予想とさせていただきます。

《陰謀の解明者》 

現在の予約価格:約1600円

 例えば、こういうカード。

 《突破》で《解明者》を出せば、墓地にカードが溜まっているので、次なる呪文をタダで打てる! すごい! 強力だ!
 いや待て。オーバーキルだぞソレ。
 そもそも、《多元宇宙の突破》を打てるなら8割くらい勝勢。
 8割勝てる状況を9割にするためだけに事故要因を投入しているような状態になっています。
 突破を打ってデカブツを出せてるなら、もう20点削る準備はできてます。
 他に都合よく重量級呪文が手札に残っているとしても、それは30点を削るカードではありませんか?

例えばこういうのとか。

 これで勝つには、墓地肥やしのカード、土地3枚、墓地に落ちた《解明者》、そして手札に踏み倒したい重量級呪文が必要。
 《突破》以外のカードで戦場に出したとしても《解明者》以外の勝ち手段が手札にあり、墓地に合計10マナ以上のカードがないといけない。
 それをやろうとすると手札事故一歩手前みたいなハンドだし、要求値が高すぎる。
 もののついでで《墓場の侵入者》で墓地が掃除されていく環境で、サイド後は《霊柩車》も突っ込んでくるわけで。
 そもそも、7マナ生物を出せるなら直接《アトラクサ》出せば良いじゃん、っていう。

ライバルが強すぎるんよ……。
枚数が足りなければ俺もいるぞ!

 ビートダウン系相手なら、この辺りを出せばだいたい勝つ。
 ロマンはあるカードだけど、使うデッキが少ない。
 需要と供給の話で、使うとしても4枚確定枠でもないし、そもそも特定のコンボデッキでしか使われない。
 このカードの最大の欠点は、2枚重ねて出してもただの飛行アタッカーにしかならないこと。
 このカードを使いこなすためには大型呪文がもう1枚ないといけないんですが、そのもう1枚が同名カードでは真の力を発揮したとはいえない。
 つまり、使うデッキだったとしても「4枚ガン積みにはしにくい」というのは、価格が伸びない要因となりえます。
 一応、このカードは出たときの誘発能力ではなく、戦場にいる常在能力なので、偽装で裏向きでだして表に戻す動きでも機能するのは《アトラクサ》や《エターリ》にはない魅力です。
 とはいえ、手札事故と墓地対策憤死のルートが消えないので、個人的予想では次弾の『サンダージャンクション』発売時100~300円予想。


《犯行現場の再現》

現在の予約価格:約1400円

 基本的にはリアニメイト呪文。
 特徴としては、
 ・黒や白ではなく青単色。
 ・土地でなければカードタイプ、敵味方を問わない。
 ・4マナのインスタントである。
 ・そのターンに墓地に送られたカードでなければならない。
 ・戦場に戻すわけではなくコピー呪文を唱える。
 (パーマネントはトークンとなる)

 など、かなり特徴がある。
 色に関しては一長一短なので直接的に値段には関係ない。
 自分が手札から唱えた呪文を連続使用する前提ならコピー系カードの方が軽いし、これを狙う意味は薄い。

2マナで2発撃ちが可能。

 相手の唱えた呪文を狙って4マナを構えるというのも現実的ではないでしょう。
 そもそも相手のデッキがアグロなど軽量カードが多いデッキなら、4マナ以上のカードが入っていないか、かなり少ないこともあるでしょう。

軽量カードしか入ってない例。
仮にコピーしても自分のデッキに軽量生物が足りずに機能しない確率が高い。

 デッキ破壊と合わせてコピー対象を増やすのも面白いですが、
 そもそもそれなら、4マナ払うならデッキ破壊を直接進めるなり相手の攻め手を防ぐ方が適切でしょう。
 

相手のデッキにデッキ破壊をするカードが入っている確率は高くないです。

 そのターンに墓地に落としたカードしか反応しないのは小さくないデメリット。
 何かのついでや手札調整代わりのルーティングで落としておくことができないため、
 4ターン目に《犯行現場の再現》を使うにはマナを使わずに直接墓地に落とすカードを先に置いておく必要があります。

二章で捨てればギリギリ可能。
コピーするカードそのものと含めて3枚コンボ。
ううん……?
相性はかなり良い。
しかし4マナ2種2枚揃えるのはパイオニア以下では現実的じゃない。
どちらも代用カードがないので60分の4を2枚引き当てないといけないし。

 ターンをまたいでいけないのが墓地利用的にはかなり痛いし、
 それなら5マナのリアニメイト呪文の方が強くない?
 じゃあリアニメイト呪文で拾えないインスタントかソーサリーを使おうとすると「それって《機械巨人》じゃダメなの?」っていう。

パイオニアでお馴染み。

 2マナ重くなってソーサリーは対象外になるものの、そのターンに限定されないし、5/6が付いてくる。
 そのターンにカードを落とそうとすると、どうしてもマナを使ったり下準備がいるので、4ターン目に雑に打てるカードではなく軽いというのがメリットになりにくいデザイン。

 一応、インスタントでのリアニメイト(ほぼ)なので、《御霊の復讐》のようにエルドラージのタイタンを出せます。

デッキに戻る誘発にスタックして打てば対象に取れる。
更に「コピーを唱える」ため追加ターンまでバッチリ。

 いや、でもさ。
 モダン範囲で下準備の多い4マナのアクションなら、そりゃ勝って当然という気はする。
 都合よく《エムラクール》をそのターンに墓地に落とし、土地が4枚まで伸び、相手がハンデスも打消しもなければ、4ターンで概ね勝ち。
 それが毎回できるなら、パルヘリオンシュートはモダンを制してる。

3ターン目に下記の《パルヘリオン》が殴れる。
だいたい殴りだしたら勝つって書いてある。

 更にパーマネントスペルを唱えると、パーマネントはトークンとして戦場に出る。

 出たパーマネントはトークンなのでコピーできる。
 なんなら上記のカードたちそのものを出すと、自身の効果で自身を作り、すごい盤面になる。
 なるんだけど、まあ、なんというか、勝たない
 キマれば勝てる。勝てるんだけど、多分キマらない。
 サイド後は墓地対策が飛んでくるということはメイン戦は必ず勝たないといけないのに、それでもコンボの成功率が低すぎる。
 このカードが4枚しかないので、安定しない。

 総じて決して弱いカードではない。
 他に類を見ない発展性と応用性を秘めたカードである。
 固有の強さは有るが、「4枚使うデッキが何個も発見される」というタイプのカードではないように思う。

 ていうか、ここまでの文章でお察しかもしれませんが、筆者、このカード、めっちゃ考察した
 その上で、実用範囲の挙動が確立できず、「そのターンに落としたカードを活用するために青青青を含む4マナを構え続ける」という状況をキープしながら戦えるデッキは多くない。
 そして、その状況で強く戦えるデッキが、複数のフォーマットで同時に発生するとは考えにくい。
 トドメに、神話レアではなく通常レア。
 スタンやパイオニアで存在感を発揮している《インティ》や《失せろ》が1500円を割っている状態なので、いくらなんでも1400円はないだろうという読みですね。
 というわけで、次弾の『サンダージャンクション』発売時、100~400円予想にしておきます。
 ひとつふたつのフォーマットで2~3枚使われる程度の活躍なら、多分その辺り。

『まとめ』

 勘違いを招くかと思いますが、価格が安い≠弱い、ですからね。
 人が使わない、価格が安いは、必ずしもカードの性能を決める絶対要素にはなりえません。

筆者の相棒。
安い・使われてない・カワイすぎると三拍子揃ったカード。

 ここでいう安いとは、需要に対しての供給のバランスから、低価格で購入可能になる、という以上の意味はありません。
 今回紹介の3枚はいずれも他に類を見ない効果があり、それぞれに強いシチュエーションは絶対にあるカードだと思います。
 半面、裏目になるシチュエーションも多く、採用枚数が伸びず、結果として安価になるという読みです。
 どれも発売前の筆者の検討ではその価格が妥当と思えるリストを作成できなかったカードなので、ハズれたらハズれたで楽しみです。
 次回、覚えていて気が向いたら(重要)、サンダージャンクションでお会いしましょう。


『オマケ』

 逆に値上がりするんじゃないかなー、とか思ってるカードも予想しておきますね。

現在約200円。

 使うなら4枚、マナレシオは構築級、暗殺者なので《エトラータ》ともシナジーあり。
 複数枚重ね引きすると、それだけで連鎖ダメージで結構削れる。
 とはいえ、フェアデッキのミッドレンジは《ラフィーン》率いるエスパーと競合するので厳しいかもなぁ、とも思ってます。
 この組み合わせだとグリクシスですし、もしデッキになればといった感じ。
 間違ってティア1までいけば、500円~1000円とかもありうるかなぁ、ていう。
 それでも特定のアーキタイプでしか使わないから数千円とかはないと思いますが。
 下がるとしたら偽装が全く使われなければ50円とかも全然有りうる。
 「安いカード」は使われない理由を理詰めで言語化できる反面、
 「高額になるカード」は環境を全て読み切らないと出せないので、金額は分からないですねぇ……。



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画像はMTG日本公式より引用しています。
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©Wizards of the Coast LLC."



 





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