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ストレスと呼吸

ストレスと呼吸

側頭葉の内側奥にある神経細胞の集まりである扁桃体という場所は、恐怖や不安に深く関わっていることが知られている。不安や緊張、ストレスを感じると呼吸は浅くなり、リラックスすると深い呼吸となる。
このため意識的に深呼吸を行い、"リラックスした状態"を作り出すことで緊張を解きほぐし、恐怖や不安を和らげてみることを推奨したい。

次に推奨したいのは、一定の呼吸を繰り返し緊張や不安を和らげる効果があるとされる

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警察官の心の支援という観点から、ファーストレスポンダー、消防官、警察官、自衛隊といった『救助する側』の心の支援についてのお願いがあります。彼ら救助者は被災者でもあります。どのような形でも結構です、温かい励ましの言葉をお願いします。救助者のモチベーションと勇気に繋がります。

この度の能登半島地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますと共に、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
また、元旦から救助活動に携わられることとなったファーストレスポンダーの皆さま、消防官、警察官、自衛隊の皆さまには敬意を表し感謝します。

警察官の心の支援はなぜ必要か④

警察官の心の支援はなぜ必要か④

四 米国の警察官の心の支援に学ぶ

心理学の起源は古代ギリシャへと遡るが、学問としての心理学は140年程度の歴史しか持たず比較的新しいものとされている。
メンタルヘルスケアの先進国である米国で最初に『臨床心理学(clinical psychology)』を提唱したのは、ペンシルベニア大学の心理学者『L・ウィトマー(Lightner Witmer)』で、1896年に開設した『心理クリニック(psyc

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警察官の心の支援はなぜ必要か③

警察官の心の支援はなぜ必要か③

三 警察組織と警察官個人それぞれの思惑

警察組織は総勢29万6194名 の巨大企業である。巨大企業が「大企業病」を患っていることは珍しいことではない。*前例や形式を重視する保守的な思考、*非効率、*旧態依然のことなかれ主義で変化を嫌う、*社内政治や派閥が蔓延するなどの特徴を持つ「大企業病」は、そこで働く人々にストレスを与える要因となっている。組織としての警察もまた例外ではない。

 一方で、警察

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警察官の心の支援はなぜ必要か②

警察官の心の支援はなぜ必要か②

二 警察官特有の問題を多角的に知る

『警察官には心の支援が必要である。そして、それは東日本大震災のような大きな災害に関わった後だけでなく日常で生じる心の傷みに対しても行われるべきである。』というのが私の信念である。

 警察官の日常生活からくるストレスの蓄積によって起きる様々な問題を、メンタルヘルスの先進国である米国での視察を通して「我が国でも常日頃から警察官の心の支援の習慣をつけるべきである」

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警察官の心の支援はなぜ必要か①

警察官の心の支援はなぜ必要か①

一 背景

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震において、被災者の心の支援はもとより被災者の救助活動に従事した警察官の心の支援もまた必要であるということについて、当時新聞各社は概ね以下のように報じている。

 2012年1月から2月に警察庁が東北地方三県(岩手県、宮城県、福島県)の警察官ら9487人を対象に行った東日本大震災による惨事ストレスに対する調査から、4.1パーセントに当たる

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