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30代前半既婚女が考える理想

女性にとっての20代と30代って、あまりにも重みが違いすぎるよね。

20代のうちは、新社会人で、「若いね!」ってちやほやされることもあって、自分の人生の中では今の自分が一番美しいっていう人が多くて、自由にできるお金や時間が増えてきて、自分のしたいことやできることに、どんどん新しく挑戦していけると思う。
30代になった途端、「35歳以上での出産は高齢出産になるんだよ」という現実に直面したり、まわりの友達がみんな結婚・出産していったり、自身も妻だとか母親だとかそういう役割を求められることが多くなってくる。

とはいえ、18歳(私たちの世代では20歳だったけど)になった途端急に「大人」になれるわけではないように、30歳になったからって自然と「妻」や「母親」に進化できるわけでもない。

今の時代では、女性は子供を産んでも働き続けるという選択肢の存在が大きいということもあって、結婚前から稼ぐ能力があったり、貯金があったりした方が望ましいとされている。
けれど、仕事に全力投球していると、気が付けばあっという間に30代ということもあり得る。
特に私のように6年制大学を出ている人間にとっては、「働き始めて5年が経って、ようやく一人前になれたかな!」という時点で30歳を迎えてしまう。

「わあーもう30歳だ!」と思い結婚を視野に入れたとしても、出産を望む場合は、出産に適した年齢が20代だと知って「あっ、もう過ぎてる・・・」となるわけだ。
つまり、大学を出てすぐにバリバリ働いてキャリアを積み、貯金して、可能であれば資格などを取って産後復帰の難易度を下げ、それと同時並行で結婚相手を探し、結婚して子供を産む!できれば2人以上!というのを大体7年以内(6年制大学卒では5年以内)くらいに全て成し遂げるのが「適正」となるということだ。

もちろん、「お金を稼ぐのは自分のため」「キャリアを積むのは単純に仕事が好きでそうしたいから」という女性も多いだろうし、結婚や出産を選ばない女性も少なくはないと思う。
別に女性は(男性も)子孫繁栄のためだけに生きているわけではないので、自身が納得・満足できる人生を送るのが一番大切だと思うし、それならば20代も30代もさして変わりなく、思うがままに生きていけるのだと思う。

ただ、令和になったこの時代でも、「女は若いうちに結婚し、家に入り、夫を支え、たくさん子供を産み育てるものだ」という価値観の人はまだまだたくさんいる。
昭和生まれの親世代、祖父・祖母世代ではそれが顕著だ。
今はまだ、結婚や出産を選ばない女性に向けられる目は冷ややかだと思うし、「結婚・出産したくてもできないのか?」「できないのはお前の素質や能力に問題があるからでは?」「自分の意思でしないことを選びたいなんて、考え足らずで我儘だ、許されない」というふうな言葉を周りから投げかけられることも多いだろう。
かくいう筆者も、夫の家族に面と向かって「子供は3人以上産むように」「2024年は出産が楽しみだ」などというようなことを(産むなんて一言も言ってないのに)先日言われた。

つまり、どんな生き方をしようと自分の自由であるのだが、現代では「世間の目」や「一般常識」に従うのであれば、あるいはそうでなくても結婚や出産を目指すのであれば、女性にとって20代→30代前半の過ごし方はとてもシビアなものになってしまうのが現状ということだ。

実のところ筆者は、めちゃくちゃ、かなり現実的に、堅実に人生設計を立てているタイプであった。
中学生の頃には、「女性は旦那さんの転勤や産後復帰に適応するために資格を持っておいた方が強いだろうな」と思い、資格が取得できる6年制の大学を目指し、その大学への進学がスムーズになりそうな高校(学科)へと進学した。
別に将来結婚や出産をしないとしても、資格を持っておいた方が生涯年収は高くなりそうだしな、なんてことを考えていたのである。

そして大学卒業時、新卒の時点で既に24歳(25歳になる年)。
とりあえず2年くらいは仕事を覚えるためにもバリバリ働いて、そしたら転職なり結婚なりも視野に入れられるんじゃないかなあと新卒時は思っていた。
27歳の時点で目論見通り年収が600万円を超えて喜ぶも、恋人がいない状態が続き、仕事で疲れ切った頭で唐突に「結婚しよう!」と思い立ちマッチングアプリに登録して運よく恋人ができて、実際に籍を入れたのは交際開始から約2年半後。
その時点で、おおよそ30歳。

10代前半で人生計画を行い、留年も浪人もせずにストレートで強い資格を取って、バリバリ稼いで運よく素敵な伴侶と巡り合うことができても、それでももう30歳だ。
出産は全然視野に入れられる年齢だが、生物的には、体力的には、既に遅れを取っていると言わざるを得ない。(もちろん、30代以上で出産をする女性はたくさんいるのだが、生物学的な話だ。)
そして、親族からは「今すぐにでも子供を産め」という目を向けられている。

まあ、筆者には結婚願望も出産願望もそれなりにはあった(ある)し、やぶさかではないよ。きっとできるだろうし、そうするつもりだよ。
でも、仕事でようやく責任ある仕事を任されるようになったけれど、妊娠すればつわりで(ひどければ)休職し、復帰してもしばらくすれば産休に入り、育休に入り、資格があるから職場復帰は可能だろうけれど、育児があるため確実に時短勤務になるだろう。つまり、責任ある仕事を今後任せられる可能性は、限りなく低い。
私個人の年収も、今後は下がり続ける一方であろう。

妊娠や出産によって体調がどうなるかわからないし、場合によっては育休から退職に繋がる可能性もゼロではない。
そもそも出産は命懸けの行為であり、縁起でもないが、産むと決めた以上は自分の命を失う覚悟はしなければならないと思うし、している。
現実的に私の体調や精神がどうなっていくかは完全に不明だし、体力的に考えると、今すぐ子供を1人産んだとしても子供が小学校を卒業する時点で40代半ばでしょう?かなり厳しい気がする。
ましてや、2人目、3人目を望んだら。満身創痍の育児になることは間違いないだろう。

えっ、めちゃくちゃ、シビアじゃない・・・?

ていうか書いていて思ったけど、私は「オムニセクシャルだし結婚なんてただの手続きだし~」とか他記事で話したけれど、世間の目に沿うようずっと昔から「結婚」を考慮していたんだな・・・?
結婚も出産も、できない(しない)ならそれでいいと思っていたけれど、実のところは「やっぱり普通でいたい」という気持ちが無意識下で強かったのだろうか(これは親の影響が大きいだろうけれど)。

感情的な話、自分の人生としての話、愛の話としては、恋愛や結婚や出産は絶対に、必須ではないと思う。
でも、「ああ、普通じゃないとこんなにも息苦しいんだな・・・」って知っていた私は、現実問題として、着々とそれを目指していたんだろうな。
それに気付くとなんか・・・浅ましいというか、ちょっと悲しいな。

まあそれは置いておくとして。
上で述べたような「適正」「普通」「常識」を目指すとなると、やはり女性の20代~30代前半のスケジュールがかなり厳しいのは間違いないだろう。
世間の目に追い立てられる、という意味では男性も同じように苦しい部分があるのだろうけれど、どうしても、出産できる年齢のリミット、出産による健康状態の変化(主に悪化)を考えると、女性の方がタイムスケジュールがめちゃくちゃシビアなように思ってしまう。

私が考えうるのは、
①高卒でいいのでできる限り早く結婚・出産すれば、生物学的に出産や育児は比較的楽であろう→配偶者によっては経済的に(世帯年収として)厳しい可能性がある
②稼ぐ、産み育てるのバランスを最大限考慮して、30代前半までにまとめて複数人産む→希望するタイミングで妊娠できるとは限らないし、①に比べると出産も育児もしんどいことが予想される
③腹を括って高齢出産する→①②よりも更に、妊娠や出産や育児がしんどいことが予想される
④なるべく若いうちに産み育てるし、働く意思も持っておくので、政府は経済的な支援をして産後の就労のハードルも下げてくれ!→今の状態を見る限り実現は難しそう
⑤結婚はともかくとして、出産はしなくていいでしょ→人口減少、衰退
の5パターンだなあ。

理想は④だけど、実際は女性は①②③⑤のどれかを選ぶしかなさそう(若いうちに超高収入の男性と結婚して専業主婦になる、ってパターンもあるだろうけれど、かなりレアケースだと思う)。
いやー、厳しい。厳しいですわね。
周りの目とか人口がどうとか関係なく、「子供が欲しい!」って望んで出産する人にとっても、どちらにせよ厳しいよね。

物理的にしんどいのはもちろんなのだけれど、ここに「世代が上の人からの心無い言葉」「これらのことを理解してくれない、理解しようとも思ってくれない男性の心無い言葉」が加わると、メンタルダウン待ったなしだわ。
女性は男性よりしんどいんだ!っていう相対的な比較の理論ではなく、絶対的に、自分個人の心境として、こんなん絶対しんどいよ。

そして私も、配偶者のことを愛していて、側にいたいと思って、結婚も出産も自分の意思で望んでいることは間違いないのだけれど。
「私は普通でいたいだけなのか・・・?」と思い始めてしまったので、ややしんどい。まあ、それを実行できるだけ恵まれてるのだろうけれど。
それでも、自身の今後の妊活とか出産とか労働とか収入のことを考えると、まあまあ不安な気持ちになりますわね・・・。

そこそこ計画的に生きてきた、それなりに恵まれてて運がいい私でもこう思うのだから、もっとしんどい人はもっとつらい気持ちを抱えているんだろうなあと思うよ。

ま、もちろん、不安で苦しいことばっかりではないだろうけれどね。
どうだろう、比率としては、嬉しくて楽しい出来事の方が今後多いのかもしれないし。
そう思って、自分の幸福と安寧を追求しつつやっていくしかないよね。
望んで選んだ道なれば。
どう流れつこうとも、「後悔なんて露ほどもないわ!」って笑っていられるよう、頑張っていくしかないのである。

とりあえず私は、健康優先で、穏やかにやっていきたいなあ。
そして願わくば、いい感じに妊娠していい感じに出産していい感じに子育てしていきたい。ね。

今回はそういうお話でした。
ではでは、今回はこのへんで。


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