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パートナーと一緒に暮らすにあたって

数週間前にお引越しをして、今は夫と同居している。
まあ、早い話が、「結婚したし一緒に住むか」ということだ。

実は私はこの同居にあたって、声にこそ出さなかったが大きな不安というか懸念点があった。
結婚は「手続き」だけれど、同居は「生活」だ。
私の一人暮らし歴は4年と少しなので、人生単位で見れば、誰かと一緒に暮らしていた時間の方がずっと長い。
けれども、そういった時間の長さに関係なく、私にとって一人暮らしは「天国」であり「これ以上ない最高の生活、空間」だった。

元より、1人でいて寂しさを感じたり、人肌が恋しくなったりしたことはただの一度もない。
むしろ、自分が生活している空間に誰か他人がいることが、煩わしくてかなわなかった。
子供の頃の家庭環境があまりよくなかったということもあり、家に「誰か」がいる状態というのは、私にとっては「自分を殺して息を潜めて誰かに合わせるように、沿うように生活すること」だったため、自宅なのにずっと息苦しさや窮屈さを覚えていた。

一方で、一人暮らしは本当に快適だ。誰の顔色を窺うこともなく、誰に怒られることもなく、好きな時間にご飯を食べたりお風呂に入ったりできて、裸で家の中を歩いても、鼻歌を唄いながら遊んでいても、くたくたのスエットを着て顔を乳液でベタベタにしていても、嗤われないし貶されない。
私はその自由な生活を愛していたから、いくら大切で大好きで一緒に生きていく約束をした夫であっても、毎日の生活を共にするようになれば、私にはストレスが積もり積もっていくのではないかと不安だった。

結論から言うと、杞憂だったわけだけれども。

私の夫は、そもそも他人に何かを強制したりする人ではなかったし。
頑固なので自分がしたいことは通す人ではあるけれど、その分私に対しても、私のしたいことを自由にさせてくれるスタンスなのだ。
そして更に、他人に対して、「こうあるべき」みたいな変な理想や期待がない(あるいは少ない)ように思える。
多少「普通」とは違っていても、その場にいる人間がみんな納得していて良い気持ちであればそれでいいと思える人なのだ。

例えば、こんなことがあった。
新居で生活するにあたって、ちょっとした家具なんかをいくつか買って、帰りにスーパーにも寄って帰って、夜までに家具の組み立てと夕飯づくりをどちらも完了させたいなというスケジュールだった時。
「里芋の煮物が食べたいね」って意見が合ったから里芋を買って、私も夫も一人で料理できるし里芋の煮物もお互い作ったことがあるけれど、私は「今日は楽しく里芋の皮を剥ける気分じゃないな~~~家具の組み立ての方が楽しそう~~~」と思っていたのよ。
だから、私が家具(2人で組み立ててくださいって書いてある重いやつ複数個)を1人で組み立てて、その間に夫は夕飯(里芋の煮物だけじゃなくて、副菜とか炊飯とかも全部)を1人で作ってくれた。
流石の私も「一般的には男女が逆だな・・・?」って思ったし、実は夫も同じことをちょっと思ったらしいのだけれど、「家具の組み立てが好きでしたい私」と「料理が好きで里芋の皮を剥きたい夫」で完全に役割分担ができていたから、お互い何の不満もなくタスクを完了させることができた。

これは一例ではあるのだが、こういったふうに、私は夫と同居していても「夫がいるからあれをしなければいけない」「夫がいるからあれはしてはいけない」と感じることが、今のところは一度もない。
私の「めんどくせえ~~~」を夫は許してくれるし、同時に「毎朝お弁当作らせて!」という私の要望も(むしろ喜んで)受け入れてくれる。
逆に私も、夫が電気もテレビも付けずにリビングでお昼寝をしていても、特に何も思わずに隣で無言で暗闇でスマホを見て過ごせるし、眠くなったら私も眠る。
お互いに、相手を拘束したり強制したりすることがないから、特段ストレスに感じるような出来事が起こらないのだ。

正直に言うと、不安が全て一掃されて完璧な安心を得たというわけではない。
生活は続いていくものだし、変化していくものだから、いつかストレスを抱えるようになったり2人で衝突したりする日がくるのかもしれないな、とは思っている。
けれど、私が抱えていた「大きな不安」については、とりあえずは大丈夫そうだなって思った。

1人が好きだけど、2人でいても楽しいし、嬉しい。
私はそう感じることができる。
そう気付けたから、たぶんきっと、これからも大丈夫だと思えるのだ。

私は自由が好きだけれど、別に誰か他人といることが、必ずしも不自由に繋がるというわけではなかった。
自由な2人が同じ家で暮らしている。ただそれだけのことだった。
それはなんというか、とても幸福なことに思える。
・・・いや、好きな人と同じ家で暮らすって、めちゃくちゃ幸福だよね???不安の方が大きかったせいで、あんまりぴんときていなかったのだけれど。

一応、新婚期間なわけですし。
当分は、願わくばこれからずっと長期間、幸せハッピーな気持ちで暮らしていきたいわね。
そんなふうに暮らしていけますように。

今回は少し短いけれど、このへんにしておこうかな。
ではでは。




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