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Thirsty Suitors -人間関係が終わっとる…なんてもんじゃない-

■コマンドRPGっぽいけどアクションもあるけど概ねリズムゲームでもある
■steam、xbox-gamepass、ニンテンドーswitch
■一人用
■プレイ時間7.5時間


90年代のBLでもなかなかやらんぞそんなこと

何も考えずにウィッシュリストにはいっていたこちらを始めたのですが、なんか……すごく様子がおかしいです…
前半はネタバレなしでゲームの説明、後半はいつものようにネタバレなしエリア。
ストーリーが良いタイプのゲームなので、面白そうだなって思ったらさくっとやって損はないと思う。



ネタバレなしエリア

今までやったゲームでもここまでの罵詈雑言を浴びるのは初めて

いやあのほんとごめんて

このゲーム、ちょっとなんか…
想像の10倍くらい主人公が嫌われている。

ストーリーとしては、主人公のジャラが10代の時に生まれ故郷を恋人と共に逃げ出したけど、若気の至りというか恋人と別れたので故郷に戻って、過去に自分がめちゃくちゃにしてしまった人たちとの人間関係のツケを清算しに戻る。というあらすじ。
だとしてもあの…さすがに街の半分が敵意むき出しだとは思わないじゃん…
帰郷して言われた言葉が「悪魔が地獄の釜から這い出てきた!!!」とかで、プレイヤーとしては「何したんだよぉ主人公~~」って気持ちになって、んでもそのあと「いうて残った恋人が悪評バラまいてるとかなんでしょ~?」と思い直すんですが。


故郷に残った友人や恋人や遊び相手達から語られる主人公の破天荒なティーンエイジ時代。
1時間くらいやるともうほとんど「擁護できねえわ」の域まで到達する。
そんな破天荒な過去の清算は本当にできるのか、そして主人公は新しい自分になれるのか
そんなちょっとひと味違うアメリカの片田舎でのストーリーが展開される。

ごはんが美味しいママのリアクション ほんとに全員様子がおかしい

ちなみにストーリーめちゃくちゃよかったです。



遊び

コマンドシステムだけどしっかりターン制ってわけでもない

精密なターン制コマンド、という感じではなく、
プレイヤー → 敵A → プレイヤー → 敵B
という感じで経過するのと、なんかみえる「あおり」という謎のスキルで敵を無効化できたりするので結構おまけ的な感じかも。
(まあちゃんとレベルとかの概念があったりするのでおざなりな感じではないのだけれど)

あおりは、文字通り敵を煽ってデバフを付与する、というもので、このゲーム基本的に「敵をとりあえず煽って高火力で殴る」みたいな感じが近い。
敵によって効く煽りは半分ランダムなので、兎に角敵を煽って煽って心の傷を抉っていこう!という制作人からの意欲を感じる。

ひどすぎる
時代錯誤でやばすぎる


攻撃や防御はQTA リズムでポカンとボタンをおすとクリティカルや防御の割合が決まる。

ちゃんとリズム取るためのリードがあるので突然来ても大丈夫

これが結構ゲーム全体にちりばめられているので、メインはたぶんこれ。
曲もちょっとインドっぽい楽器でPOPな感じもあるのでかなり楽しい。
このへんの気持ちよさとかはちょっとサヨナラワイルドハーツを思い出したんだけど画面がピンクだからかもしれん


おしゃんてぃ

移動は基本ボード

そんなに町が広いわけではないんだけど、街の中はコースになっているので移動の時間もかっこよくトリックを決めたりして楽しめる。
まあ歩きの択がないので細かく話しかけたりなんだりがちょっとしづらいけど、その分かなり調べる判定がデカいのでそこまでストレスじゃない。


スコア&コンボもあります



様子がおかしいとか言ったけど(総括)

ゲームだから多少大げさに持っているのはそうだけど、その実このゲームの根幹はタイトルにもある「結婚・渇き」でもある。

親友に悪いことをしてしまった記憶や、そんなつもりはなかったのに関係がこじれてしまった人。それから家族兄妹とケンカした日のこと。

ティーンエイジの行き場のないパワーや葛藤が非常にうまく、そして重くなりすぎないようにバランスよく書かれていて、とてもよいタイトルでした。
(ここの重くしすぎない、でもちゃんと伝えるってすごい技術だと思うんですよね)

なのでもし「へ~」と思ったらPVだけでも見てください。
結構サクッと遊べるし個人的にはどんどんお勧めしたいタイトルでした。


あーー……だめそう(地の底の信頼)



以下ネタバレエリア



わんくっしょん

めちゃくちゃおいしそう 食べてみたい

『ティーンエイジャー』

思春期の暴走的な題材はそれこそいろんなタイトル(海外のアドベンチャーゲームとかでも)で描かれてて、アメリカのハイスクールでのやり取りとか映画でも見かけたりするけれど。
主人公のジャラは「移民系アメリカ人のインド家系」というアイデンティティを持っている。

Msマーベルとかもそうだったけど、日本だとあんまり想像がつかないけれど、何となくこう…肩身が狭そうというか、ね。。。
カースト制度があったりする中で進学すること、海外に行くこと、それってすっごい大変だと思うんだ…

そんな中で、厳しい両親に育てられて、いつも比べられて…ってなってたらそりゃ荒れ狂うなって思うし、とくにジャラはなまじ才能があったのもまた反発を生むよなあと。
そしてその暴れる光は、悩めるティーンエイジ達には輝かしく・目を引くものだったんだろう、とも思う。
そういう輝きが好きだから、裏切られたと嘆き悲しむのだ…

ジャラに対して罵詈雑言を浴びせてくるけれど、その時の輝きや心が救われたこと、ティーンエイジ特有の距離感の下手さそういうのが原因だったんだなってみんな心のどこかで分かってたんだろうな、とおもう。

私も小学生のときカリスマ的な子がいたからなんかこうわかるなあとおもうし、そのこに嫌われて傷ついた……みたいなのも何となく思い出せるから、登場人物全員の気持ちも、そうするしかなかった、みたいな感情の吐き出し方で私はすごい好感を持てた。

軽いノリととんでもない武勇伝たちに目が持っていかれがちだけど、全員がこの時代の変化・自分の成長についていきたくて、でも変えたくないこともあって、みたいな学生からの脈々と続く感情が分かって本当に良かったなあ。


デザイン

ゲームを飽きさせないためのスケボー要素とかもそうなんだけど、どんどん遊びのパターンを変えて飽きさせない工夫みたいなのも随所に見受けられた。
とくにRPG部分とかは作中何度もやることになるから、こっちの手数が増えるような感じで作られてて、とにかくスムーズに遊べることにフォーカスされてるなとおもった

曲のリズムの良さとか、いちいちアニメーションが派手な所とかも、なんかこう視覚的に楽しませよう!みたいな。最後まで遊んでね!みたいな。手を動かさない時間を作らない、というか。
多分もっとシンプルに作ったら淡々として手味がなかったと思うので、これは味付けが上手かったなあ。


口説き文句がきもちわるい(ほんとに)
でもブルーノもちゃんと地続きの感性があるんだよな


悪いことは言わないから付き合わない方がいいよ


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