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【3-5】ラストイヤーのプレッシャー(~754日目)

ラストイヤー

協力隊の報告会も無事(?)終了。
いよいよ、今年度がラストイヤー。
泣いても笑っても、今年度が勝負。

報告会のブース

協力隊は、お給料が出てるんでしょ?
はい。出ています。
もうね、これに関しては「ありがたい」しかない。
後ろ指刺されようと、皮肉られようと、生活できるだけのお給料をもらえることには代え難し。
腹が減っては戦はできぬのです。
腹さえ減っていなければ、戦う力になるかはわかないけれど。

目の前の状況がかなり悪くなっていたとしても、一定のお給料が出る仕事から離れられないのは、サラリーマン時代よりも今の方が身にしみてわかる。
3年という期限付きで、自分から手放さなくても自動的に打ち切られてしまう状況だからこそわかる。

そして、3年ってめっちゃ短い。
小学生の頃の午前中、4科目に給食や昼休みまで詰め込んで、ようやく午後になる位時間があったのに、今は朝起きて少しぼーっとしたら夕方になってる。
下手すりゃ、日曜日が終わって月曜日になったと思ったら、もう土曜日になってるくらい時間の流れが速い。

花粉症他諸々兼ねているアレルギー薬、3ヶ月分年に4回もらいに医者に行くんだけど、それだって前回行ってから一ヶ月経ってないくらいの体感。

何が言いたいかっていうと、多分勝負の一年もあっという間に過ぎ去っていくんだよな、っていうこと。
わわわわわーてな感じで。

春の訪れと食える草

去年は、花が咲くのが早かった。
今年は、遅い。比較できるのが直近2年間。小鹿野の春は3回目なもんで、まだまだデータは少ないけれども。

去年と比べたら、何もかも遅いのは感じている。
ただ、みつばちにとっては、悪くないのかもしれない。

ミツバチ来てるー
早咲きの桜

2月頃から、春のお知らせを告げてきたけれど、3月に入ってもなんだかうすら寒かったり雪が降ったりしていて、どうなる事やらと心配していた。
4月に入って、ちゃんと春が来ている。

校庭のソメイヨシノはまだまだだけど、あちこちで花が開き始めて、山のあちこちに薄い桜色がぷわぷわと浮かんでそれはそれは美しい。

そうなってくると、食える草が生えてくる。
うひひ。

のびるー

野蒜を摘んで刻んで醤油漬けに。

野蒜醤油

蓬は、綺麗に洗って軽く茹でてから、ニンニクとオリーブオイルを混ぜてプロセッサーで刻んでジェノベーゼ風ソースに。

ヨモベーゼ

ヨモベーゼ、めっちゃ使える。
ツナや魚介と混ぜてパスタにしてもよし、ポテトやレンコン、根菜類にかけてもよし。
ただし、ヨモギを摘んできれいに洗って選別する作業が半端なくしんどい。

ここまでが大変

山の恵み、美味いけど食べるまでがしんどいというかめんどい。
けれど今のところ、
「面倒<食欲」
圧倒的食欲の勝利。

食欲が勝利しているうちは、美味いものが作れるはず。

ミツバチのためか、自分のためか

いつも、近所の人たちに色々なお裾分けを頂いては、食いつないでいる。
勿論、山からの恵みもたんまり頂いているけれど、自分でも食べ物を作れるようになりたい!
ミツバチの蜜源を作るためにと、様々なハーブを育てつつ、だんだん人間の食い物ゾーンが増えているのは、気のせいではない…。

つっちっ

ニンジンの春菊の種をせっせと撒いた。
畑にするなら、畝ごとに種類を決めて育てていくとおもうけれど、あえて違う場所に分けてみた。
それにしても、種を蒔いた後芽が出るまでって、「土」だな。
自宅でも、ポットにいろんな種を蒔いて「はよ出ろ、はよ出ろ」って毎日眺めているけど、そんな簡単には出てこない。

でろーでろー

畑も3年目。
基本草は生やしっぱなしにしているのでわかりにくいけれど、色々な種類の植物が増えて育っている。
目指す庭園には程遠いけれど、それでも愛着が湧いている。
「美しい」の概念は人によって違うから、難しいけれど、小さな花があちこちで咲いている畑は、私にとって美しい場所なのだ。

新芽が可愛いオレガノ
イチゴの花

女王死す

養蜂も3年目。
最初のうちは何も知らないからこそ隠したくなるようなこともなかった。
どんな失敗も怖くなかった。

それが、色々な事を覚えてくると、自分のミスや力不足がわかってきて、恥ずかしさも増えてくる。
恥ずかしいって感覚って、知らないことからじゃなくて知っていることから生まれるんだなって、改めて思う。

先週郵送ではるばる我が養蜂場に来てくれた女王がお亡くなりになった。
完全に私のミス。
発送元のせいではないです。

来た時は元気だったし、産卵もちゃんとしていた。
ところが、今週のこと。
お天気が下り坂になる前に、ミツバチの様子を見ようとして蓋を開けると、どうにも様子がおかしい。
悪い中にも光を見出すなら「様子がおかしい」ということがわかるようになったこと。

騒々しさと、何とも言えない不安感。
巣枠を確認すると、卵が見当たらない。
女王蜂が産卵してから幼虫になるまでは3日間。
つまり卵が見当たらないということは、少なくとも3日前から産卵をしていないという事。
巣門の前が騒々しいのでよく見たら、もはや虫の息となっている女王様とそれを囲む働きバチ。
なんで巣箱開ける前に、気が付かなかったんだ…。

…なんてこった。
…なんてこった。

とにもかくにも、冬を何とか乗り越えたものの、ほぼ壊滅状態だった群の女王を移して、何とか受け入れてもらう方向で。
サイズも小さめで、産卵状態もあまり良くはなかったけれど、それでも女王不在では群は滅びてしまう。

これから花盛り群盛り上がり盛りの時期に、女王不在というわけにはいかない。せっかくはるばるここまで来てくれた働きバチ達のためにも、この女王を受け入れてもらわなくては…。

祈るような気持ちで王籠に入れた女王を設置する。
翌日、それなりに馴染んでいると判断して解放。
女王はスタコラサッサと群れの中に。

小さめ女王

とりあえず受け入れてもらったみたいで一安心だけど、これから無事に産卵してくれるかが勝負。

養蜂に関わらず、今までもいろんな失敗をしてきて、そりゃあ落ち込んだり、立ち直れないんじゃないかって思うようなこともあって、そのたびに何とかやり過ごしたり乗り越えてきたから今があるんだけども。

それにしても、失敗するときに受けるショックってずっと同じというか、慣れないというか、むしろ同じ失敗を繰り返した時の方が、悔しさは勝る。
失敗に対して対応はできるようになったとしても。

人間関係の失敗とは違って、全て自己完結するのが養蜂や農業の面白い所ではあるんだけど、その分痛み分けってこともないので、ひたすら布団の端っこを嚙みながら、イーっと悔しがっておるわけで。

さあ、また前を向いていくとしよう!

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