ナナつばき@百合と読書

百合(ガールズラブ)と読書で生きている社会人です。 オススメの百合作品の紹介と、週イチ…

ナナつばき@百合と読書

百合(ガールズラブ)と読書で生きている社会人です。 オススメの百合作品の紹介と、週イチの読書記録をメインに更新します。 読書ペースは1~2日に1冊、平均週4冊。乱読の鬼。ときどき自分でも百合小説を書きます。

マガジン

  • 読書メモまとめ

    これまでに読んだ本の感想です。サクッとしてるので、面白そうな本を気軽に探したい時にどうぞ。

  • 百合掌編まとめ

    サクッと読める、とある百合カップルの日常を描く短い小説です。 特に順番は無いので、どれから読み始めても大丈夫。

  • 百合(GL)作品紹介まとめ

    イチ推しの百合・ガールズラブがここにある!

記事一覧

固定された記事

【読書メモ】2023年に読んだ128冊をザックリ紹介!

『羊と鋼の森』宮下 奈都 ・特に才能もないけれどピアノ調律師になった人の話。 ・「焦ってはいけません。こつこつ、こつこつです」  「こつこつ、どうすればいいんでし…

【読書メモ】今週読んだ5冊

 ノンフィクション強化週間。 『旅行者の朝食』米原 万里 ・ロシアの食文化や風土について、ロシア語通訳者の著者が書き綴る一冊。 ・「異国にいると日本食が恋しくなる…

【読書メモ】今週読んだ4冊

『イノセント・デイズ』早見 和真 ・ある女が放火殺人で死刑判決を受ける。「どうしてそんなことをしたのか」という理由と真相を、女にまつわる人々の回想によって少…

【読書メモ】今週読んだ2冊

『謎好き乙女と奪われた青春』瀬川 コウ ・青春に見捨てられてミステリに愛された、ミステリ嫌いの少年の青春。男女物。 ・エキセントリックなヒロインに振り回されるヤ…

【読書メモ】今週読んだ3冊

『青の炎』貴志 祐介 ・母親の元夫のクソ男の殺害を企てる少年のお話。このあらすじだけで分かる通り全体的に暗い話だけど、ときどき同級生と繰り広げる和やかなやり取り…

【読書メモ】今週読んだ6冊

『こうして彼は屋上を燃やすことにした』カミツキレイニー ・致死念慮マシマシの、湿度高めの青春モノ。メインキャラがみんな自殺を考えているという、なかなかな設定。 …

【読書メモ】今週読んだ5冊

『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』道尾 秀介 ・前半は過去話が多くてなかなか現在軸の話が進まないけど、その話自体が面白いからダレは…

【読書メモ】今週読んだ5冊

『成瀬は天下を取りにいく』宮島 未奈 ・2020年の夏から始まるポストコロナ作品。これからこういう設定の作品が増えるよ。 ・「ローカル局の夕方のワイドショーの中継で…

【読書メモ】今週読んだ5冊

『夜明けのすべて』瀬尾 まいこ ・恋愛関係にならない男女の関係性が良い。異性愛などという狭量なものではなく、もっと尊いナニカというやつ。 ・PMSとパニック障害の…

【読書メモ】今週読んだ5冊

『タイムマシンに乗れないぼくたち』寺地 はるな ・主人公の女性がぶつかりおじさんに遭遇して、会社でそのことについて話していたら男性の上司が「そいつも寂しいんだろ…

【百合掌編】勝浦の風

 二時間ドラマのラストみたいな眺めだった。太平洋が視界いっぱいに広がり、はるか下からは岸壁に打ち付ける波の音が響く。ドラマと違うのは、真犯人が自白しているシリア…

【読書メモ】今週読んだ3冊

『アンデッドガール・マーダーファルス』3巻 青崎有吾 ・1巻は吸血鬼やフランケンシュタインの怪物がトリックに関わってくる特殊設定ミステリ。2巻は一転してトリックに…

【読書メモ】今週読んだ6冊

『86-エイティシックス-』2巻 3巻 安里 アサト ・少年少女が多脚戦車に乗って戦う男女物ラノベ。2巻と3巻で上・下となっていたのでまとめて読んだ。 ・1巻では捨て駒と…

【読書メモ】今週読んだ2冊

☆おすすめ!『同志少女よ、敵を撃て』逢坂 冬馬 ・本当の敵を見抜き、殺す話。 ・独ソ戦を舞台に女性狙撃手部隊の戦いを描く。本作の物語自体はフィクションだけど、女…

【読書メモ】今週読んだ4冊

『幼馴染みが絶対に負けないラブコメ』二丸 修一 ・タイトルの通り、幼馴染ヒロインが主人公の男を巡って「ポッと出の女」に勝つヘテロ(異性愛)ラノベ。 ・タイトル勝…

【読書メモ】今週読んだ4冊

⭐︎おすすめ!『光のとこにいてね』一穂 ミチ ・小学生、高校生、そして大人。お互い男と結婚しても、それでもなお惹かれ合う二人の女性の物語。 ・途中で主人公たちが…

【読書メモ】2023年に読んだ128冊をザックリ紹介!

【読書メモ】2023年に読んだ128冊をザックリ紹介!


『羊と鋼の森』宮下 奈都

・特に才能もないけれどピアノ調律師になった人の話。
・「焦ってはいけません。こつこつ、こつこつです」
 「こつこつ、どうすればいいんでしょう。どうこつこつするのが正しいんでしょう」
 すごく印象に残ったセリフ。「こつこつやれば夢は叶う」ってよく言うけれど、「こつこつやる方法」が分からない人は多い。

『すべて真夜中の恋人たち』川上 未映子

・社会性のない30代女性の

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【読書メモ】今週読んだ5冊

【読書メモ】今週読んだ5冊

 ノンフィクション強化週間。

『旅行者の朝食』米原 万里

・ロシアの食文化や風土について、ロシア語通訳者の著者が書き綴る一冊。
・「異国にいると日本食が恋しくなる」というエピソードがあるけれど、私はどうもピンと来ない。これまで何回か海外旅行をしてきたけれど、白米や納豆が食べたくなったことは一度もない。むしろ、異国の料理を現地で味わえるチャンスを逃してなるものか、と意気揚々としていた。それでも一

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【読書メモ】今週読んだ4冊

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『イノセント・デイズ』早見 和真



・ある女が放火殺人で死刑判決を受ける。「どうしてそんなことをしたのか」という理由と真相を、女にまつわる人々の回想によって少しずつ紐解かれていく。犯行の理由という一つの謎を追っていくスタイル。小説の物語は謎で引っぱるもの。
・女の小学生時代は友人に恵まれており、子どもたちの幸せな世界が繰り広げられる。読者として最悪な結末を知ったうえでの平和ほっこり過去シ

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【読書メモ】今週読んだ2冊

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『謎好き乙女と奪われた青春』瀬川 コウ

・青春に見捨てられてミステリに愛された、ミステリ嫌いの少年の青春。男女物。
・エキセントリックなヒロインに振り回されるヤレヤレ系主人公のコンビ構図。
・ミステリー的なものが嫌いなのに学校生活でミステリー的な出来事に定期的に巻き込まれる主人公、という設定が面白い。
・治安の悪い学校のヒリつく空気感の描写がヒリヒリする。
・ミステリなのに主人公が弱者属性(

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【読書メモ】今週読んだ3冊

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『青の炎』貴志 祐介

・母親の元夫のクソ男の殺害を企てる少年のお話。このあらすじだけで分かる通り全体的に暗い話だけど、ときどき同級生と繰り広げる和やかなやり取りと、湘南という爽やかな舞台設定のおかげで中和できている。かも。ちなみに男女物。
・化学の授業で習ったことが犯行計画に影響したり、国語の授業で習う『山月記』や『こころ』の内容が主人公の心情とクロスオーバーしたりと、高校生主人公ならではの展

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【読書メモ】今週読んだ6冊

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『こうして彼は屋上を燃やすことにした』カミツキレイニー

・致死念慮マシマシの、湿度高めの青春モノ。メインキャラがみんな自殺を考えているという、なかなかな設定。
・ラノベとしては珍しく女性主人公。異性愛要素もあるけど、物語の展開としては男女の友情作品といった方がいい。男女の友情が好きな人にオススメ。
・雰囲気は全体的にやや重めで、いじめや依存といったいかにも重いテーマが扱われるけど、最終的にはさ

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【読書メモ】今週読んだ5冊

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『カラスの親指 by rule of CROW’s thumb』道尾 秀介

・前半は過去話が多くてなかなか現在軸の話が進まないけど、その話自体が面白いからダレはしない。前半で前置きをしっかりして、後半で一気に盛り上げる構成となっている。というか後半はほぼジェットコースター並みの急降下と急上昇の連続。ハラハラするのが好きな人向け。
・40代男性と10代少女が同居する展開があり、いかにもおっさんが

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【読書メモ】今週読んだ5冊

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『成瀬は天下を取りにいく』宮島 未奈

・2020年の夏から始まるポストコロナ作品。これからこういう設定の作品が増えるよ。
・「ローカル局の夕方のワイドショーの中継で映る」という、一見しょうもないことを夏休みの目標に掲げる親友の成瀬。彼女の行動に付き合うことになる島崎はしかし、意外とノリノリなのであった。地元に百貨店を建てる、200歳まで生きるなどの目標も掲げる唯我独尊の女の子が振りまく「おか

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【読書メモ】今週読んだ5冊

【読書メモ】今週読んだ5冊



『夜明けのすべて』瀬尾 まいこ

・恋愛関係にならない男女の関係性が良い。異性愛などという狭量なものではなく、もっと尊いナニカというやつ。
・PMSとパニック障害のキャラクターが主人公であり、具体的な症例と服用している薬の名前も書かれている。これはけっこう覚悟のいることですよ。症状はあくまで主人公たちのものであり、患者によって異なることをしっかり書いてはいるけれど。実在の病気や症候群を登場させ

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【読書メモ】今週読んだ5冊

【読書メモ】今週読んだ5冊


『タイムマシンに乗れないぼくたち』寺地 はるな

・主人公の女性がぶつかりおじさんに遭遇して、会社でそのことについて話していたら男性の上司が「そいつも寂しいんだろう」と擁護するようなことを言うシーンがある。そのことに対して「自分のさびしさのために、他人に危害を加えてはならない」と主人公が独り言ちるシーンが印象的。
・もし、あなたがさびしくて苦しいなら、ただ横に並んで同じ方角を向いてくれる。そうい

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【百合掌編】勝浦の風

【百合掌編】勝浦の風

 二時間ドラマのラストみたいな眺めだった。太平洋が視界いっぱいに広がり、はるか下からは岸壁に打ち付ける波の音が響く。ドラマと違うのは、真犯人が自白しているシリアスなシーンでこんな可愛らしい鐘が置いてあったら台無しだろう、ということ。
 ここは『理想郷』と名の付く場所。かつて別荘地にする計画があったが、立ち消えて名前だけが残った。今では空と海と潮騒と、それから鐘だけが存在する静かな世界。避寒地とされ

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【読書メモ】今週読んだ3冊

【読書メモ】今週読んだ3冊


『アンデッドガール・マーダーファルス』3巻 青崎有吾

・1巻は吸血鬼やフランケンシュタインの怪物がトリックに関わってくる特殊設定ミステリ。2巻は一転してトリックに怪物が関わらない王道ミステリ。では今回は?
 結論を言うと、再び怪物の能力を活かしたトリックだった。
・今までは事件の真相が明かされた後にバトル展開が始まる、ミステリパートとバトルパートの二部構成だった。けれど今回はバトルが始まって

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【読書メモ】今週読んだ6冊

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『86-エイティシックス-』2巻 3巻 安里 アサト

・少年少女が多脚戦車に乗って戦う男女物ラノベ。2巻と3巻で上・下となっていたのでまとめて読んだ。
・1巻では捨て駒として母国に使いつぶされてきた主人公たち少年兵。2巻では母国よりマシな国に保護されて、ひとときの平和な日常を得る。だけど戦場で生まれ育った主人公たちは、戦うことでしか生きられない。だから一度は与えられた平和を捨てて再び戦場に戻る

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【読書メモ】今週読んだ2冊

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☆おすすめ!『同志少女よ、敵を撃て』逢坂 冬馬

・本当の敵を見抜き、殺す話。
・独ソ戦を舞台に女性狙撃手部隊の戦いを描く。本作の物語自体はフィクションだけど、女性兵士は当時のソ連に実際にいた。
・Audibleで再読。朗読の演じ分けがめちゃくちゃ良い。
・戦争では人間の尊厳が損なわれる。そのなかでも特に傷つけられるのが女性だ。戦時下の性的暴行は枚挙にいとまがない。本作の主人公の少女、セラフィ

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【読書メモ】今週読んだ4冊

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『幼馴染みが絶対に負けないラブコメ』二丸 修一

・タイトルの通り、幼馴染ヒロインが主人公の男を巡って「ポッと出の女」に勝つヘテロ(異性愛)ラノベ。
・タイトル勝ち。このタイトルを考えた瞬間、「売れるっ!」ってほくそ笑んだでしょ。
・主人公に何一つ取り柄がなくてもヒロインにモテるのが最近の異性愛ラノベのトレンドとお聞きしているけれど、本作の主人公は「元天才子役」という武器を持っている。それでも

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【読書メモ】今週読んだ4冊

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⭐︎おすすめ!『光のとこにいてね』一穂 ミチ

・小学生、高校生、そして大人。お互い男と結婚しても、それでもなお惹かれ合う二人の女性の物語。
・途中で主人公たちが男と結婚するけど、それを凌ぐ女同士の関係性の強さを再確認できる作品です。
・二人の関係性がその後どうなったかは読者の解釈に任せる系の終わり方だけど、これは女同士の関係性の大勝利ENDと言って差し支えない。
・異性愛が女同士の関係性を前

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