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そんな優しい貴方が好きよ|20230731



わたしがこの世で苦手な生き物のひとつ

蝉が遂に鳴き出した




この時期になるとよく思い出す
小学生の頃の記憶




わたしの通っていた小学校は
夏休みにプールを一般開放していた



わたしは毎週のように友達と通っていた


ほぼ毎週、
多いときでは週に2〜3回は行っていたけれど


監視員バイトのお兄さんや
受付担当のお姉さんの顔は全く覚えていなかった




恐らく何曜日に行く・何時に行く等は
細かく決めていなかったんだと思う


もしくは


そんな赤の他人への興味が全くいかないほど
″友達と夏休みに遊ぶこと″に夢中だった

″こんなに暑いんだから早く受付を済ませてプールへ入れろ″


のどちらか。


両方かな。


ある日、プールへ入るための受付をしている時に足の甲を蜂に刺された



わたしは自分の足の甲に何が起きたか全く分からなかった



至近距離で輪ゴムをパチッとされたような
そんな感覚だった



しばらくすると、
小学生が見ても分かるくらい
明らかにやる気のない学生バイトの男が


「今、アシナガバチがいたよ、刺されたのかもね(笑)」


と、笑いながら言い出した。


は?


他人が痛い思いをしたかもしれないのに
なにをヘラヘラとしてるんだ


初めて、赤の他人の大人へ怒りの感情を覚えた



今思うとそのお兄さんは正しかったのかもしれない

わたしがびっくりして足の甲から蜂を退かそうとすればどのみち刺されていたし、


他の子やそのお兄さんが刺されていたかもしれないし



わたし一人が痛い思いをすることで
最悪な事態にはならなかったのかな と。


大人になった今、
たまにこのことを思い出しては、どう判断することが1番良かったのかなと正解のない問題を考える日がある


世の中には
知らない方が幸せなことがたくさんあって


きっとその時はわたしがお兄さんから
何も聞かされないことが1番の幸せだったんじゃないかな



わたしはもう一度蜂に刺されたら死ぬ



なんてね



それではまた



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