透明日記「春のゆるい日」 2024/04/17
昼食後、日陰になったベランダで毛布が揺れるのを見る。空は青白く霞んで静かな雲を流している。近隣で金属を叩く音、背景にはぼやけて響く飛行機の騒音。中学校のチャイムは薄く伸び、ゴミ屋のメロディーが日常を醸す。外壁工事の灰白色のメッシュシートが風を孕んだり逃したりして、時間のゆるい流れを見せる。
昼間のゆるやかな静けさに身をひたす。どこにでもあるような退屈な風景にやすらぐ。退屈な風景の断片は普遍的な空気となって、時代を超えた人間の眼差しを孕む。腹を満たし、日陰でやすらぐひとときに