【ショートショート】悪いのは誰なの
昨日と同じく誰かが後をつけて来る足音がする。
夏休みの部活動からの帰り。帰省の最中だからか、午後2時という時間帯のためか、ほとんど人通りのない道を冴島さつきはひとりで駅まで歩いていた。足音に気づかないふりをして、一旦立ち止まり、鞄から取り出したスマホの画面に目をやりつつ後ろの気配を窺う。すると足音の方も私の何十メートルか後ろで止まる。しばらくして、おそるおそる振り返ってみたが、誰もいない。
ちょうど樹木の林立する公園の辺りだから、どこかの木陰で息を潜めているのかもしれな