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【詩】ちりぢり【微睡草紙】

■まえがき

 よく夢をみます。浅い眠りのなかはおそろしいもので、しばしばへんなものをみせられます。過日の断片的な夢をほとんどそのまま詩にしました。

■ちりぢり

壊れた家電 ところにより穴
電子レンジ底なしの穴にて
一分三十秒あたためた音楽が鳴る
アンティークの懐中時計 宙をただよう
四分の三拍子で進むルイ十五世針
破れた天色の壁紙 咲きほこる白百合
屋根裏部屋から涌き出づる玩具掻き分け
くまさんをお風呂にいれなきゃ
くたくたのテディベアうつろに見上げる
尖った犬歯が抜けて国道走るマイカー
ペロペロキャンディーの周回軌道上
流転するたましい
そして、おにぎり

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