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「かなわない」


 Twitterで見つけた本。著者の植本一子さんは実は他の本で知ったのだけど、そちらもまだ読めてない。こちらの方が早く手に入ったので読む。

 エッセイとあとはひたすらの日記。ひたすらに読み続ける。淡々と。最初石田さんって誰だろう、と思ってWikipediaで調べてしまった。
特に感情移入するでもなく淡々と読みつつも、子育てというのは本当に大変そうだな、と思う。愛の葛藤の記録。感情移入はしないけど、その葛藤や複雑な思いに巻き込まれる感じ。

 夫がいても子供がいても人は割と孤独なんだな、と思う。
 やはり自分に向き合わないと、このなんとも言えない孤独は人と一緒にいても払拭されないものなのか。

 私は自分にあった出来事を淡々と書きたいのだけど、つい愚痴っぽくなりがちなので、こう淡々と書けるってすごいなと思う。少し離れてみて書いているかのような。でも内容は結構感情の起伏があって、人間らしい。

 本当に赤裸々に色々書かれているので、ちょっと読んでもいいのかなと思いつつぐいぐいと読まされる。心の中の葛藤や子育ての苦痛、夫婦関係、仕事。この人の人生そのものを垣間見ているような。短い文章の積み重ねだが、ものすごいものを見せられているような。

 結構頻繁に出てくる友達と会った話。さして詳しくは書いていないけれど、友達に支えられているのがよく分かる。持つべきものは友達。孤独でいても孤独じゃない。

 かなわない、ってどういう意味なのかなと思っていた。おそらくタイトルをつけた意味とは全く違うと思うのだけど、本当にかなわない。すごいものを読んでしまった。

 家族はここまで書かれても大丈夫なのだろうか、とも思う。

 植本一子さんの「家族最後の日」「愛には時間がかかる」も早速読もうかと思う。



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