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ブックカフェに持っていった本たち

 微熱さんのブックカフェに参加するため、いくつか本を選びました。
 こういう集まりに参加するのは初めてで、ものすごく緊張します。どんな本を持って行けば良いのかとても悩みましたが、4冊選んだので、それについて書きます。ブックカフェに関係なく、個人的におすすめの本でもあります。

 自分の好みに偏りすぎず、比較的読みやすいもので、ジャンルは広めのつもりで、お持ち帰りしやすいよう文庫本で揃えてみました。

 「深い河」以外は、全部ここ5年。病気になった後に出会った本です。

1.「暇と退屈の倫理学」國分功一郎著
 暇とは、退屈とは?という話をさまざまな角度から取り上げて、消費とは浪費とは、というところにも話は広がり、とても面白かった。
 私は病気になる前に、忙しいのに頭の中が退屈でしょうがない、という謎の状況に苛まれていて、「暇と退屈」という言葉にビビッときた一冊。リハビリのつもりで通った図書館で読んだ。思ったよりも読みやすく、こういうふうに考えを深めていくのか、と哲学に興味を持ちはじめたキッカケの本でもあり、思い入れのある一冊。
 最初に読んだ時の感想も載せておく
https://note.com/60_03/n/n11f950f7c06f

2.「傷を愛せるか増補版」宮地尚子著
 これは単行本と文庫版と両方持っていて、何度か読み返すのだが、その度に心に響き、涙が溢れることもある。この本の言葉に救われることもあるし、傷と共に生きることを考える。とはいえ、重たい本では全然ない。エッセイ集なので読みやすいです。
 休職中に書店で見つけ、買えないので図書館で借りて読んで、結局買った本。
 私は病気になって心底傷ついた。いきなり仕事を抜けることになったので、周りにも知られてしまったし、本当にもう立ち直れないのでは、と思っていた。傷なんか愛せないよ、でも愛せないまでも許せるのだろうか、と思い手に取った本。個人的には読んで本当に良かった。

3.「深い河」遠藤周作著
 私は割と遠藤周作が好きで学生時代に読んだのだけど、おそらく若い人は知らないだろうな、と思い選んでみました。代表作の「沈黙」は読むのが辛い人もいると思うのと、個人的に好きな作品なのでこれを。
 小説で、登場人物それぞれにとっての信じるが問われ、語られる。遠藤周作が長年書いてきたキリスト教観と言いますか、宗教観も改めて問われ、語られている。
 昭和の本なので、やや価値観が古めかな、と思うところもあるかもしれないが、個人的には好きな作品。
https://note.com/60_03/n/ne6628fbac558

4.「絶望名人カフカの人生論」頭木弘樹著
 これも休職中に図書館で見つけた本。カフカは比較的好きで、改めて「虫」とか「城」なんかを青空文庫で読んでいたので、気になって借りた。
 笑っちゃうほど、ネガティブで面白い。「私にできることは倒れたままでいることです」(うる覚え)というのがとても好き。倒れたままでもいいんなだな、と。しかもこれは恋人への手紙に書かれていたもの。
 ネガティブになっても良いんだな、と思ったし、単純に面白い本だった。カフカは色んな意味ですごい、面白い、と改めて認識した一冊。
 カフカの日記も買ってしまい、カフカのオンライン講座も受講してしまった。今でもカフカと聞くと反応してしまう、始まりの一冊。


 今回はこんな感じで選んでみました。どうなんだろう。POPにまとめられなかったので、こうして記事にしてみました。
 選書って難しいですね。
 この記事は、ブックカフェの前日に書いたものをアップしていますので、またブックカフェの感想は別の機会に。

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