見出し画像

夏の憂鬱

夏だ。夏といえばあれが来る。

来るといえば、昔は映画のことを「来る」と表現したらしい。「いちご白書をもう一度」という曲を両親がよく聴いていて、私も歌詞を覚えているのだが、「昔二人で観た映画がまた来る」というような表現があった。

子どもながら、映画って「来る」もんなんだなって思った記憶がある。昔は映画のフィルムが街から街へと巡って行ったからだろうか。
よく分からないが、なんか素敵な表現だし、「映画が来る」って古き良き時代の切ない感じがして好きだ。

話は壮大にずれた。夏の話である。

夏の風物詩といえばスイカ割りでも花火でも浴衣でもゲリラ豪雨でもプール開きでも盆踊りでもナツナツナツココナッツアイアイアイアイランドでもない。
夏だからといってチャゲとデュエットはしないのである。

チャゲといえばASKAであるが、ある日、ミヤネ屋で生放送中に突然ASKAが直電をしてきてギフハブがどうのこうのと、ぶっ飛んだことを言っているのを観て、これは歴史的瞬間に立ち会えたと思ったことがある。

その日はたまたま平日なのに休みで、大塚とか駒込あたりのサウナでテレビを観ていた。普段は仕事でミヤネ屋を観ることはできないので、神回に偶然遭遇して大変有意義な平日休みを過ごすことができたことがあった。

また話がずれている。

夏の話である。

ASKAは夏の風物詩ではない。どちらかといえば冬である。しゃぶしゃぶは冬に食べることが多いからだ。
ただ冷しゃぶは夏に食べるので、もしかしたらASKAも夏かもしれない。

そう考えると清原も冬と夏だ。

そんな話をしようとしたのではなくて、私にとっての夏の一大イベントのことを書こうと思ったのを忘れかけていた。

いや忘れたのではない、現実逃避をしようとしているだけだ。

その夏の一大イベントとは健康診断である。私の職場では毎年夏に健康診断がやって来るのである。映画ではないが、病院のスタッフと胃部胸部レントゲン車が職場に来てくれる。

そしてそこで私たちは健康診断をしてもらうのだ。

私にとってこれが辛いイベントなのだ。
健康診断なんて大したことないと思われる方も多いだろう。
しかし私には大変なことなのだ。
健康診断のことを忘れたくて、つい「いちご白書をもう一度」やASKAに逃げてしまった。

健康診断の何が嫌かというと採血である。

あれが怖い。

針を刺されて、血を取られるなんて考えたくもない。

怖くて怖くて逃げ出したい気持ちでいっぱいである。
でも健康診断を受けないわけにはいかない。
受けないで済ますことはできないシステムになっている。

あの怖い採血を今年もしなければならない。

要はASKAが大好きな注射は、私は大嫌いだというだけの話である。

早く健康診断が終わり、楽しい夏休みを迎えたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?