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如月の広島東洋カープファン

私は広島東洋カープが好きだ。
プロ野球が好きというよりカープが好きだという方がしっくりくる。

カープ以外のチームのプロ野球選手のことも知ってはいるが、それはカープの対戦相手としての興味があるためだ。

10年ちょっと前からカープファンになった。

そのころ遊んでいた二人の友達がどちらもカープファンで、その二人に付き合わされてカープの試合を見に行った。

その日以来カープのファンである。
はじめてカープを見たのは、横浜スタジアムである。
よく分からないうちに背番号1のレプリカユニフォームを着せられ、ビジター外野席に座った。

そこで驚いたのはカープの応援スタイルである。野球好きの人には有名であるが、カープはスクワット応援というやり方をする。
カープが攻撃している時は、椅子から立ったり座ったりを繰り返しながら声援を送る。

はじめて行った時は選手別にある応援歌や、点が入りそうな時に歌うチャンステーマが分からずに戸惑ったが、スクワット応援の楽しさはすぐに実感できた。

それ以来、応援歌をネットで調べて覚え、神宮球場や横浜スタジアムに通った。当時は関東でカープは今ほどの人気はなく、球場に行けばビジター外野自由席の当日券が簡単に買えた。

ここ何年かはカープの人気が高まり、神宮も横浜スタジアムもビジター席はあっという間に売り切れるので隔世の感がある。


そんなカープファンである私にとって2月というのは、前向きで比較的心穏やかに過ごすことができる。

2月は公式戦がない。
試合がないことはもちろん寂しい。
早く選手達が活躍している姿が見たいと思う気持ちは当然ある。

しかし試合がある日々はそれはそれで大変なのである。
3月末からは、ほぼ毎日試合があり、その結果に一喜一憂する日々が始まる。
勝った日はいいが、負けた日は次の日までネガティブな気持ちを引きずってしまう。

そして私がカープファンになってすぐの頃はカープが弱かったこともあり、私の中ではカープの試合は負けてがっかりすることが多いというイメージになってしまっている。

カープのことが大好きなのに、また負けてがっかりしてしまうかもしれないという一抹の不安がいつも心のどこかにある。

いや、カープのことが大好き過ぎるからこそ負けた時のショックが大きく、その衝撃に耐えられないのである。

2016年から2018年は3連覇して強いカープを見せてくれたが、やはり見始めた頃の弱かったカープの記憶は強く残ってしまっている。

だから2月は試合がないということで、心を乱されることがない。
しかもキャンプが始まるので、カープの情報は入ってくる。キャンプ情報は基本的にポジティブなものが多いので、今年は強いのではないかと期待が高まる。

カープOBで毎年カープの投手の勝ち数をかなり楽観的に予想することで有名な安仁屋宗八さんのごとく、この季節は今年はあの選手が打ちまくるのではないか、この選手が沢村賞を取るのではないかとか楽しい想像ができる。

そして何より試合がないので負けて悔しい思いをすることがない。
これは精神衛生上とてもいい。

そんなに負けるのが嫌ならカープを応援するのをやめたらいいと思う人もいるだろう。
しかしカープファンに一度なってしまったらやめることは不可能なのである。
なぜならカープとはそういうチームだからだ。

理由になっていないかもしれないが、カープは一度好きになったら人を魅了し続ける力のあるチームなのである。

だから試合があればどうしても気になるし、勝てば喜び、負ければ悔しい。

私はカープと共に今後ずっと生き続けることを覚悟している。


いよいよあと2ヶ月弱でプロ野球が開幕する。
カープと共に戦う日々がくると思うと今からドキドキ、ソワソワする。

今だけは平穏な気持ちでカープの明るい未来を空想することを許して欲しい。

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