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俳句、自選自解005(十一面観音)

十一面観音菩薩じゅういちめんかんのんぼさつ稲光

つねたまじめ


雲行きがあやしいな、とは思っていたが、ついに夕立に降り籠められた。本尊、十一面観音菩薩がおさめられた建物内は暗く、ざーという雨音だけが響く。

ぴかっ!

突然、眼前に浮かび上がる巨大な立像。
その残像は、ただ見るよりもずっと鮮烈に、私の網膜に焼きついた。

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