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【今週も何とか生き抜いた】vol.7

(2/12~2/18)

物語が降ってくる

Mon.

この日が祭日で、週末から三連休だということに今月に入るまで気が付かなかった。超ラッキー。
でもあまり体調が良くなくてこんな日は自宅でマッタリ映画でも、と思いアマプラで「ウーマン・トーキング 彼女たちの選択」という作品を見た。
タイトル通り、会話劇に終始した映画だったのでびっくりした。(そこにびっくりしてる場合なのか)

会話劇って言うと「12人の怒れる男たち」とか「12人の優しい日本人」を思い出すけど(ほぼ一緒やないか)、これは、もう、なんちゅーか、遥かに想像を超えてた。同じ会話を繰り返してるのに気づくと世界が進んでいるんだもん。

女たちによって語られるトピックスが哲学のゼミみたいだった。あるいはこの映画が哲学レッスンの教材となるような、そんな雰囲気を纏っている。
その理由はきっと、重ねられる会話(というか議論)が自分と他者の痛み、みたいなところからスタートして、宗教や人間の尊厳、赦しや学びとは何なのか、みたいな問にどんどんに満ち溢れていくからだ。
この映画には私は実はフェミニズム的文脈を期待して観はじめたんだけど(確かにそういう映画でもあるんだけど)、そういった問題とは別のトピックスも並行して語られているの、良かったな。何本もの哲学的問の横糸を、女性や子どもの人権という縦糸がきっちり絡んでいく、みたいな作品だった。
どんな布が出来上がるのか。観た人によってすごく異なりそうだわ。例えそれが同じポジティブな色味のものであっても。

フランシス・マクドーマンド出演作品ににハズレなし!

この映画、出てくる俳優が99%女性なんだけど、子役も含めて本当にみんなお芝居が暗くて良い。これはもちろん「上手い」って意味だ。登場人物たちの気持ちを想像したら感情は簡単に迷路に入り込んでしまうような、中々複雑でタフな人物ばかり出てくる。唸っちゃたったね、私は。
なかでもやはりクレア・フォイうまいなぁ、と謎の上から目線だけれども褒めちぎりたい。彼女の感情的に切羽埋まった表情は、ほんとうに胸をぎゅっとつかまれるような気持になる。
あと、イギリス人俳優が、アメリカ英語発話するハードルってどんな感じなんだろう。言葉によっては母音とかも変わるんだと思うけど、私なんかのレベルでクレアの英語は全然違和は感じなかった。すごいなぁ。

Thu. そして Wed.

もうね、QUEEN、QUEEN、QUEEN ですよ!
QUEEN + ADAM LAMBERT のジャパンツアーに、先週の名古屋に次いで最終地である東京ドームの2夜公演、両日とも行って来たのだ!(計3公演!散財だよ!悔いはない!ないったら!)
ところで、何でライブに行くことを「参戦」ていうんだろうね。私も時々言うけど。  

ライブはね。ただただ、素晴らしい。
この一言に尽きる。終わり。
なんだけど、せっかくなので感想などを書いてみる。なんと言っても「これがQUEENの最後の来日」と噂されていて、どうしてもという気持ちで3公演行くと決めてチケットを申し込んだ私だ。その美しい思い出をちゃんと記しておかなくちゃ。

QUEENがアダム・ランバートという希代のシンガーと偶然に近い形で巡り合い、世界中で歌い始めてなんともう10年以上経つのだという。
よっぽど互いの相性が良くて、よっぽどファンに愛されているコンビネーションなんだなぁ。そのことを思うたびにこの2組を引き合わせた音楽の神様にお礼の気持ちが自然にわいてくる。暑苦しいことを言うと、アダムを受け入れてくれてる(ということらしい)ジョンや、天国から見守ってくれているフレディにもビッシビシにありがとうを叫びたい。

私はリアル参戦が前回来日の2020年の公演以来だけど、今回のQALのショーの全てが、前回よりも進化してるということに何度も何度も感動してしまった。
セトリも物語をより帯びた構成になっていたし、曲のアレンジもところどころゴージャスになっている。前回だって相当美しかった照明もより凝った演出をしていたし、ステージセットもしかり(アダムのバイセコー、すごいことになっていた!)。
正直、ロジャーとブライアンは70代半ば。とは言え、お2人のパフォーマンスだって愛と感謝と迫力も相当アツかった。前回超え大決定。だからさ、年齢とか若さとか、そんなの関係ねえ!そんなの関係ねえ!と、私の中のピーヤが叫ぶ。
そして最たる進化はアダムのパフォーマンス。歌が上手いのは大前提で、曲の前にしっとりと、それでいて震えるようなチャントや、磨きがかかった「声は楽器」を体現するようなハイトーンボーカル、とかもう聴きどころしかない。全編が極上。アダムのボーカルを最大限活かせるアレンジに変わってる曲も増えたように思う。
何度「あんた、すごいよ!スゴイよ、アダム!」を叫んだことだろうか。油断してると泣けてくるので注意が必要。

アダム、あんたすごいよ!すごいよ、アダム!

ブライアン・メイが作った「手を取り合って」という曲が日本だけで演奏される、というのは私たちへのお馴染みのギフトだ。暗いステージで一人ギターを抱えピンスポを受けたブライアンの演奏と共に、彼の繊細な歌声を乗せるソロパフォーマンスだが、ファンも一緒にこの歌を唄う。英語の詞も日本語の詞も本当に美しい。この時間は「QUEENに愛された日本」みたいなものを感じることが出来る特別なひとときなんだよな。
毎回、この曲ではありがとブライアン!という気持ちがあふれて涙腺グズグズコース確定の私なんだけど、今回のツアーでは、なんとこの曲の後半からフルバンドでの演奏になり、アダムが登場。まさかとは思ったけど、アダムをはじめロジャーもバンドのサポートメンバーも日本語の歌詞を歌い上げてくれた。
こんな演出、初めてだ。
いやー、もうね(ありがと!の大洪水)!!!
いつ、どのタイミングでこの曲をアダムとバンドで歌うことになったのだろう。QUEENが日本を愛してくれているという思いを、彼らはまたこんな形ででも拡張してくれる。
これもまた、大きな大きなギフトだよな。たまらんかった。

最終日の東京ドームでの公演中、アリーナ席の柵に飾られたQAL3人の写真がプリントされたファン手製の旗をアダムが「オーディエンスのみんなに見せたいんだ、こちらへ貸して」と言って、ステージへ持ってくるよう促すシーンがあった。
アダムは旗を手に取ると、まずロジャーとブライアンの正面に掲げて見せて、すぐに振り返り観客に「ほら見て!とても綺麗だ!」と笑顔で語り掛ける。そして「Thank you! We love Japan!! アリガトウゴザイマス」
と言ったのだ。
ほら。もう、アダムはこのバンドの立派なフロントマンだ。
そんな、こっちこそありがとうやで!!!何度も何度も胸がいっぱいになった。

今までのQALライブでアダムは、どんなに自分がフレディのことを大好きでリスペクトしてるかを語ったり、フレディの人生をセレブレイトしようとオーディエンスに向かって投げかけたりしてたものだ。
でも、今回はフレディにメンションすることはなかった。
ブライアンがアダムの紹介する際にも、「どうだい?アダムは素晴らしいだろ?」と彼を持ち上げたりするようなコールをする場面もかつてはあったが、それも今回はなかった。
それが私は本当によかったなぁ、と思ったことだった。
もうそんな必要はないってことだ。
わざわざ言葉にしなくても、アダムがフレディを大好きで尊敬してるのは十分伝わってくる。それはもちろんロジャーもブライアンも十分すぎるほど分かっている。ショー全体でフレディを称えてるってとても感じる。
そして観客もアダムがちゃんと「かつてのQUEEN」を継承して、「現在のQUEEN」を体現してくれていることを心から寿ぎ楽しんでいるのだ。
アダムはいるべきひととして、ここにいる。
それが10年以上もの時間をかけたことへの証なのだろう、双方にとって。

A Kind Of Magic の照明が特に綺麗だった。ディズニーランド超え(当社比)


ロジャーとブライアンはアダムの存在を「神様から贈り物」と言って憚らないし、感謝と愛情とリスペクトを注ぎまくっている。
彼らにしてみても、フレディの代わりに歌ってくれる人が現れるとも思ってなかっただろうし、この年齢になってまで世界中でQUEENとしてアリーナツアーが出来るとも正直思っていなかったと思う。
互いの相思相愛ぶりは、私たちの想像を超えてるんじゃないかという気さえする。

曲を演奏しながら、歌を唄いながら、メンバーそれぞれ視線を交わしたり合図を送り合ったりする、そんな仕草からファンはいろんな物語を読み取ろうとする。メンバーの互いに向けてのものだったり、ファンに向けてのものだたり、いくつものストーリを想像して幸せな気持ちになる。ステージにはいないジョンやフレディの物語もまた忘れられることはない。
全てのショーが終わってしまい、QALのメンバーが日本を去ってしまっても、ツイッターやブログでは彼らへの感謝や愛の言葉が綴られ続けている。
物語が終わることはないのだ。
なんて幸せな事だろうと思う。
50年以上もかけてバンドが続く奇跡。
というか、彼らの物語を受け取ろうとする人たちがいるかぎり、何も終わらないんだなと思える。

こうやって、私も私なりのギフトを受け取ることが出来た。
コンサート、行けて良かったな。

Thu.

もちろん、ポール・ロジャーにも感謝。ポールの方が良かったチームの皆さんにも、物語はある。それも素敵。

Fri.

もちろん、フレディじゃなきゃQUEENじゃない勢にもリスペクトを。私もフレディ 大好きだから仲良くして欲しい。

Weekend

全然まだまた、ずーっとQALの音が頭の中で鳴り響いている。
っていうか、YouTubeを見まくっているのだ。
今回が最後だなんて本当は誰も言ってないもの、QALのメンバーはまた日本へ来たらいいよ!
私たちは、また次のショーを楽しみにしてるから。

God Save The QUEEN の大フィナーレ







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