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『おちょやん』105 花籠のためにも気張らなあかん

 当郎も、長澤ですら、説得できなかった竹井千代女優復帰への道。果たしてどうなることでしょう? 出ていく長澤を栗子が見送ります。

励まされるから、気張れる

 春子は帰宅すると、作文を上手に読めたと語ります。緊張したけど、女友達が「がんばりぃ!」励ましてくれた。それでうまくできた!
「おおきに!」
 そう言う春子の言葉を噛み締めるようにじっと聞いている千代。そんな千代に春子が抱きつき、「ずっとそばにおってな、どこにも行かんといてな」と告げるのでした。千代の目から涙がぽろぽろとこぼれ、泣き、笑う。抱き合う二人。それを栗子がじっと見ています。

 一方、NHK大阪会議室では。
 酒井が来ないけど、始めることになりまして。するとその酒井がやってきます。竹井千代から電話があって、ラジオドラマやらせてくれへんかと言われたそうです。
 本作って心理描写をそこまでセリフで説明してこない。今放映中の大河と比較するのも一興。千代がどうしてそうなったか? それは外部から来た男たちの説得ではなく、そばにいる春子の存在があるとわかります。春子のセリフって重要で、あれは千代の人生の縮図でもあった。芝居を始めたきっかけは? 百合子に憧れたことだった。客席ではお家はんことハナ。シズ。みつえたちがいた。彼女らのために千代はがんばっていた。
 ここで朗報であるはずなのに、無駄にイケメンの四ノ宮は困惑する。箕輪悦子やないんか! 一方、まじめな桜庭くんは張り切る。長澤は台本を送るように言い、酒井は打ち合わせ予定も同封するように指示するわけですね。するとすっ飛んでいくわけですよ。
 ここで無駄に動揺する箕輪悦子さんが、ポスターだけでなくワンカット入るわけですが。なんやこのタカラジェンヌ推しは。『わろてんか』反省表明か!(※宝塚創業者・小林一三がモデルの人物を大きく取り上げながら、宝塚を出さなかった愚行のこと)

千代の元に届いていた花籠は

 こうして千代のもとに台本が届きます。春子が千代がまた芝居をすることにはしゃぐ。栗子が邪魔しないようにたしなめます。千代は老眼鏡をかけて台本を読む。
 老眼鏡に感動した!
 というのも、朝ドラヒロインの老眼鏡ってここ最近は見ていない気がします。ちゃんと歳をとる。当然のことをちゃんとしています。この狭いちゃぶ台を女三世代が囲む姿も微笑ましい。
 千代は台本を読む。
 そして鉛筆で書き込む。みかんも食べた。そして夜が明ける。栗子がそんな千夜を見守っています。

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2020年度下半期NHK大阪朝の連続テレビ小説『おちょやん』をレビューするで!週刊や!(前身はこちら https://asadrama.com/

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