小檜山青 Sei KOBIYAMA

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    『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタでより楽しめることをめざします。

  • 『水都百景録』を楽しもう!

    『水都百景録』の攻略というか考察など。

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『虎に翼』第39回 隣を見れば戦友がいたとわかったのに

 昭和18年(1943年)、街から男が消えていく中、寅子の仕事はどんどん増えてゆきます。よねはそんな寅子に「お前は一人じゃない」と伝えようとするものの、寅子にどこまでそれが届いているのか。 同意を取らない、だが悪意もない男たちが 雲野の事務所に穂高がきています。穂高の口から寅子の妊娠のことが事務所に明かされています。よねは「は?」と驚いています。雲野はよねにすら話していなかったのかといい、岩居は子どもに何かあったらどうするのかと嗜めます。雲野と岩居は女性弁護士がくると決まっ

    • 『虎に翼』第38回 一人? それともそうじゃない?

       昭和18年(1943年)6月5日に行われた山本五十六の国葬を伝えるラジオ放送があります。こうした歴史的な出来事により、時系列がわかるところが親切だと思えます。  この国威発揚の葬儀は、いわばサンクコスト効果を生み出します。要するに、立派な人物の犠牲を無駄にしないためにもこのまま進むと刷り込むわけです。 直道の出征  この場面では花江が悲痛な顔をしており、はるがそれに気付きます。ここで泣きだす妻と、それを抱きしめる母の姿から見えてくることがあります。  直道に赤紙が来たので

      • 『虎に翼』第37回 孤軍奮闘

         昭和17年(1942年)、戦時色が強まってゆきます。  ここで小道具を見てしまいます。フォントが綺麗で、毛筆で描くのではなく、何らかのソフトを使っているのかとは思えますが、そうパッと見てわかるわけでもない。よい仕事です。旧字体だし、仮名遣いも面倒ですよね。  そんな中、寅子は浮かない顔をしています。満智にしてやられたことを引きずっているのでしょう。結構引きずる方なんですね。 直言の軍需工場は順調… 直言の工場は軍から仕事を受け、順調に稼働しています。笹山の寿司屋みたいに廃

        • 『虎に翼』第36回 すべての女が常に善良なわけがない

           昭和16年(1941年)12月――日本は真珠湾を攻撃し、米英に対し開戦しました。  あの破滅への道のりが始まったのに、当時の日本には奇妙な楽観論が漂っていたのです。昭和17年(1942年)1月、直人と直治の兄弟は戦闘機の真似をして遊んでいます。ラジオからは日本軍連戦連勝とのニュースが流れています。 薄氷の上にある「順風満帆」 寅子と優三も新婚らしく、二人で出掛けているとか。行き先は穂高のもと、結婚の報告でした。穂高は喜びつつも、寅子はともかく、優三の印象はあまり残っていな

        『虎に翼』第39回 隣を見れば戦友がいたとわかったのに

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        • ガチ中華フェス延期について

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        • 聖地deガチ中華フェスin池袋 2023年 9月15日(金)〜 9月18日(月・祝)

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        • チャイナフェスティバル2023

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          展覧会「アメイジング・チャイナ」

          「江湖人プラン」に参加すると最後まで読めます

          展覧会「アメイジング・チャイナ」松岡美術館で - 所蔵品から明清時代の陶磁器や絵画、翡翠などを展示 https://www.fashion-press.net/news/106978  これもいきたいですねえ。  2023年10月24日(火)から2024年2月11日(日・祝)とのこと。

          展覧会「アメイジング・チャイナ」

          食フェス3.0 聖地deガチ中華フェスin池袋

          「江湖人プラン」に参加すると最後まで読めます

          ガチ中華のブームをリードしてきた「東京ディープチャイナ」発の大規模な食フェス『食フェス3.0 聖地deガチ中華フェスin池袋』開催! https://www.atpress.ne.jp/news/362688  これいけたら行きたい!

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        記事

          アイヌ差別は社会問題である

           ごく当たり前のことだけれども、言いたりないことはありません。こちらの記事が大変よくまとまっています。 【第168回】アイヌ民族差別の背景には何がある?|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま https://www.webchikuma.jp/articles/-/3507  もはや何も付け加えることはないほど秀逸です。    こうした分析では、『ゴールデンカムイ』のヒットが差別の背景として語られます。ファンが望むか、望まないか、そこはもう関係ない。切っても切り離せない

          アイヌ差別は社会問題である

          『水都百景録』を楽しもう 科挙ってそんなによいものなの?

           大河ドラマ『光る君へ』では、主人公のまひろ(紫式部)が科挙へのあこがれをうっとりと語ります。  科挙のある宋は素晴らしい――って、そんなにいいものなの? 時代による 中国では長い歴史の中、どうやって人材を登用するか、そこを悩んでおりました。  漢代は孝廉が制定されます。親孝行とか、儒教徳目で選ぶんです。でもぶっちゃけると、家柄やコネ。それとルッキズムよね。このころは見た目で露骨に優劣がつけられる。辛い!  で、そういうのどうよ? と疑念を呈したのが曹操です。「求賢令」を出

          『水都百景録』を楽しもう 科挙ってそんなによいものなの?

          『虎に翼』第35回 寅子の婚約、そして結婚

           寅子と優三は婚約したいと、直言とはるに申し出るのでした。 はて? 「普通の結婚」とは? 直言がてっきり、二人は思い合っていたのかと言います。下宿人と家主の娘という恋はあるあるです。直道も寅子がお見合いから逃げ出そうとした時、そういうことだろうと語っておりました。  それをキッパリと否定する寅子。直言は頭が追いついていません。うしろではるは黙っています。直言は知らないのでしょう。はるが家を飛び出し、社会的地位を得るために自分を選んだことを。ロマンチストですね。  寅子はあく

          『虎に翼』第35回 寅子の婚約、そして結婚

          『虎に翼』第34回 破れ鍋に綴じ蓋という手もあったか!

           よねと轟は、花岡を呼び出します。婚約者の奈津子がホテルで待っているとそっけない花岡。轟は寅子に対する仕打ちを問い詰めます。花岡は別に猪爪とは将来の約束をしていないとそっけない。それはそうなんですよ。  この理屈が一番通るのは、ある意味寅子のような気がする。寅子はハッキリ口に出して意図を説明するなり、なんなら書面にしないとわからないので。  よなはそうならない。「おい!」と声を荒げます。よほど落ち込んでいた寅子が応えたようです。作中随一現代人に近いのって、よねの気がします。視

          『虎に翼』第34回 破れ鍋に綴じ蓋という手もあったか!

          『虎に翼』第33回 既婚というステータスシンボル

           三国条約が結ばれたとラジオが告げ、新聞の見出しが大きく映し出されます。道ゆく子どもまで行進じみた歩き方をしているのでした。寅子の服装はさほど変わらないようで、通行人はモンペと国民服の割合が高まっています。 はて? 女の幸せとは? 花江の実家ではたらいていた稲があいさつに来ていました。時勢がら、田舎に戻るのだとか。花江が台所に立った隙に、稲は寅子が弁護士になったことを聞いてきます。褒めるどころか、稲は「全ては手に入らない」と言います。今抱えているものが女の幸せより大事なもの

          『虎に翼』第33回 既婚というステータスシンボル

          『虎に翼』第32回 これからの人生をともに過ごす相手とは

           変わらない日常のようで、子どもが無邪気に大人を撃つ遊びをしている。そんな猪爪家です。  花江は花岡が寅子と二人きり出会いたいと語ったことに反応して、勝手に笑っています。花江が何を着ているのかというと、寅子は仕事の後だからいつもと同じだと淡々という。花江はプロポーズされたらどうするかとはしゃぐ。この様子をはるが立ち聞きしている。花江はここで些細なことに気づく気の利いた殿方は一握りだといいます。そして直道が叫んでいる。  演出だし、これが直道の性格だし、そういうものなのだろうけ

          『虎に翼』第32回 これからの人生をともに過ごす相手とは

          『虎に翼』第31回 言論弾圧、金属供出、日の丸弁当

           志なかばで諦めた友。選択肢すらなかったご婦人方。その思いを背負って猪爪寅子は邁進する――そんな新たな始まりです。時は昭和14年(1939年)春のことでした。 優三の境遇 このドラマは弱い立場の男性が描かれていないともされますが、実はずっといます。優三です。優三は寛大な猪爪家にいるからこそ相対的に良いだけで、父母がいないうえに挫折した大変辛い境遇にいます。法律をこれだけ学びながら、恩人の工場に住み込みで働くしかないことは挫折そのものといえる。しかも粘りに粘ったその決断の背後

          『虎に翼』第31回 言論弾圧、金属供出、日の丸弁当

          そこにいたはずなのに、いなかったことにされる人々

           朝ドラの『虎に翼』が話題です。 そこにいたはずなのに、消える人々 昭和初期から始まるこの作品には、崔香淑と潤哲という朝鮮出身の妹と兄が出てきます。これがなぜ斬新かというと、朝ドラには朝鮮出身者が出てこなかったのです。年代的にいても全くおかしくない作品であっても、出てきません。  これが『ゴールデンカムイ』にどうして関係があるかというと、作品の時系列からしてこれまたいない方が不自然と思えます。  樺太にも北海道にも、朝鮮からの労働者が多数おりました。杉元たちが旅するとき、

          そこにいたはずなのに、いなかったことにされる人々

          『水都百景録』を楽しもう 中国の白話小説と江戸時代の読本

           今、ひさびさに大昔使った国語の資料集を見直しています。 紫式部や清少納言が漢籍を使いこなしたことは有名 大河ドラマ『光る君へ』で「香炉峰の雪」の場面話題となりました。『枕草子』に描かれた名場面で、定子が「香炉峰の雪はどう見るのか」と問われた清少納言が、白居易の詩をふまえ、御簾を掲げたというエピソードです。  紫式部も、『長恨歌』はじめ、さまざまな漢籍を自作に取り込みました。このあたりは国語や日本史の試験に出るような基礎知識といえます。資料集を見直しても、たっぷりページが

          『水都百景録』を楽しもう 中国の白話小説と江戸時代の読本

          『虎に翼』第30回 私たちは怒っている

           直言はせっせと、寅子合格の記事を切り抜き、スクラップブックに貼り付けています。この趣味は娘の寅子も引き継いでいますが、戦時下に燃やされる伏線ではないかと思ってしまいます。 祝福される寅子 寅子は皆から祝福されています。  どこにいっても祝福モード。雲野事務所でも。竹もとでもおいしそうなあんみつが出る。笹山も江戸前の特上寿司を持参する。このドラマのあんみつやら寿司はどうしてこんなに毎回美味しそうなのか。近所の人も。  そして花岡も、わざわざ呼び出して花束を渡してきます。寅子

          『虎に翼』第30回 私たちは怒っている

          『虎に翼』第29回 思っていたものとは違う景色が広がる

           ヒャンスクは帰国し、涼子は結婚する。女子部五人の仲間たちが脱落する中で、最後まで残った寅子とよねは昭和13年度試験会場にいます。しかし、梅子の姿はそこにはありませんでした。  緊張すると胃腸が弱くなってしまう優三も、寅子の顔芸激励もあってか、集中して挑むことができております。  寅子と優三は帰宅します。はるは寅子に、梅子からの手紙を渡してきます。 そして梅子は消えた 梅子は試験会場に行けなかったことを詫び、三男の光三郎を連れて家を出ていました。若い女と再婚するからと、夫

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          『虎に翼』第28回 彼女は家族のために夢を捨てる

           香淑は帰国する兄と別れ、一人だけでも日本に残り、寅子たちの試験を見届けようとしていました。だから香淑はああも怒り、理不尽に立ち向かったのか。仲間のために力を尽くしたのか。そう胸打たれる仲間たち。  しかしよねは、今しか帰国の機会はないと言います。そうするしかないと香淑は悔しそうに返すのでした。 「最後まで一緒にいられなくて、ごめんなさい」  どうして彼女が謝らなければならないのか。寅子は義憤に顔をこわばらせ、梅子は謝らなくてもいいと言います。これで別れるのは嫌だ。寅子は唐突

          『虎に翼』第28回 彼女は家族のために夢を捨てる