木山メイ

T1project所属 次回 11/25(土)六本木 T1project Membe…

木山メイ

T1project所属 次回 11/25(土)六本木 T1project Members Live4 主な出演作品 『心のかけら』『PIANIST』 『シーチキンサンライズ 』他 http://www.t1project.co.jp/actor-kiyama.html

最近の記事

難易度が高い“曖昧”

去年の11月からタイトルだけずっと下書きに入れたままだった話をしようと思う。 物事に枠線が無いと困ってしまう性格だ。誰が?私が。 正解がないことが怖い。分類できないものが怖い。SEKAI NO OWARIがHabitで揶揄していた人間そのものである。 そういったものに触れるたび、枠線のない塗り絵をしている気分になる。 曖昧をもっと愛して楽しんでみたいと思うのに、解像度の低いものをそのまま手に取って飲み込むことが怖い。形式が欲しい。 困ったことに世界にはそういったものが多す

    • 4月に下書きに入れていたもの

      モッタイナイ精神でここに残しておくことにする 文章の肉付けや推敲をしていない、4つのエッセイの赤ちゃんたちだ。 3月22日-24日に舞台『ど定番な動機』に出演した。 4人芝居で30分。お越しいただきありがとうございました。 ミュージカル俳優しかいないストレートプレイ! 普段芝居をしている箱庭的演出のT1に比べて能動的に動くことが求められた環境は単純に面白かった。 現実では絶対にありえない取り調べ室で繰り広げるコメディを、バックグラウンドの全く違う俳優たちがリアリティをもっ

      • 現状を噛みながら

        うまく眠れない夜には食べることと自分の話をする。 前回のnoteにも書いたが、引っ越しを機に積極的に自炊をするようになった。 前の家で精神を病んだ時期に水に入れて火をかけた4つの卵が気付けば1つになっていたことをきっかけに、私は自炊をすることを諦めた。粉々に四散分離した3つの卵からは幸せは生まれてこなかったからだ。 コンビニ飯やらスーパーの惣菜やら帰り道にあるチェーン店やらの助けを借りた私は不安からの逃避のために過食に走り、結果として半年で25キロ近く太った。 そしてそれを

        • プラトー脱出

          3ヶ月noteをサボってしまった!! サボりました。明確に。 今からこの3カ月していたことを書いていきます。言い訳します。 ①11月に転職したんだもん! 前にも書きましたが、俳優以外の手段で金銭を得るためにセレクトショップの店員を辞めて転職しました。今は香水屋さんです。 今までは精神的なこともあり週3-4くらいで色々な人の助けを借りながらのびのび仕事をしていましたが、引き続きやっている塾講師も含め週5-7日勤務+芸事となると本当におきる!はたらく!かえる!ねる!の繰り返し

        難易度が高い“曖昧”

          しんせいかつ

          ひとつ隣駅に移る それだけできっと星とか見えなくなるし 繰り返し書いた名前の正体は器に詰めた怠惰と不安 契約書読み上げる声追う目線 滑った先は手枷足枷 節約と言うは建前 結局は電話一本かけられぬせい “ペット不可” ああそうですかまあいいか 顕示欲とか飼い慣らそうか 長さだけ計ってみたが伽藍堂 あれはそこにとただ思い当つ

          しんせいかつ

          T1project Members Live4

          11月25日(土)に所属事務所T1projectのミュージカルプロジェクト、プラスαプロジェクトで歌唱を学んでいるメンバーによるライブに出演した。 今回ソロとデュエットで1曲ずつ歌わせてもらう機会に恵まれ、私は ソロ:The Worst Pies In London / Sweeney Todd デュエット:本当の私 / ミラベルと魔法だらけの家 の2曲を歌うことにした。 (曲が具体的にどんなものかは下記URLから) ソロ曲『The Worst Pies In Londo

          T1project Members Live4

          『あ、共感とかじゃなくて。』展に行った。

          先日、東京都現代美術館で行われている『あ、共感とかじゃなくて』展に行ってきた。 事前情報をなるべく遮断していた私はてっきりそこに私たちを突き放すような尖ったなにかがあると勝手に思っていたのだが、実際にそこにあったのは自分の中にある何かを撫で、優しく包む作品たちだった。 展示されていた作品全体に近付こうとすると、磁石が反発しているような、力を伴う浮遊感があった。 それぞれの物語 だが、渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)氏の展示室に入った瞬間、私の持っていた磁石が勢いよくひっ

          『あ、共感とかじゃなくて。』展に行った。

          行楽日和(短歌五作)

          公園でゆらりゆられるジュブナイルひかる影すら当事者意識 飛び出そう なんかどこでも行けそうじゃん643円あれば 流行に乗れると思い靡かせた安い色したレザースカート 使い捨てスプーンの上 噛みかけのガムに残った二対の歯型 晩秋の二十時半に肝を刺す夢と魔法が弾けてく音

          行楽日和(短歌五作)

          私の世界に“片隅”はない

          舞台『心のかけら』を終えて3週間以上が経ち、表現者として11月25日のライブに向けてレッスンを受けつつ、オーディションに挑戦する日々に戻った。 もちろんこのようなステージの頻度では到底これだけでご飯を食べてはいけないので、この他に販売員と塾講師という3足の履き潰された草鞋と共に生活をしているのだが、最近、御縁があって転職を決意することにした。 そのきっかけのひとつがこのnoteだったりするので、何事もやってみるものだなぁと思う。 ここ数ヶ月、「私の世界に“片隅”はない」を

          私の世界に“片隅”はない

          月華 (短歌五作)

          終バスに揺られ揺られて千駄ヶ谷 追ったアボカド明日はガカモレ 大切なワッフルの溝 無作法なクリームだけは塗らないでいて 不定期にクリームパンが呼ぶ姿ゆるせないのはお母さんだけ 身勝手なわたしの友 理解者は居ないふりしたあなただったわ 先を行く兎に見せた彼岸花今だけきっとワールドワイド

          月華 (短歌五作)

          日記がわりの短歌五作

          二度寝前証拠写真に残された大好きな友と濃いめのサワー スツールも五年後きっと買えるかなリッチにさせて今は窓から ポスターでしか見なかった夏祭り 気温だけがアラサーのすべて さっきまで紫だったはずなのにじっと見られて恥ずかしいのか 駆け込んだ棚の重みも軽やかにビッグエッグに告げよう 「またね」

          日記がわりの短歌五作

          舞台『心のかけら』を終えて

          T1projectの新作舞台『心のかけら』の幕が9月8日(MEMORY三部作シリーズは7日から)に上がり18日に千秋楽を迎えた。 公演期間中もnoteを更新しようと思っていたのだが、正直XやInstagramを更新するのが精一杯で、こちらに手を伸ばす余裕は全くと言っていいほどなかった。それだけ、毎公演全力だった。 老いもあるだろうが人生で初めて白髪が見つかったし、湯船にしっかり入らないと疲れが取れないことを学んだ。(もう駄目だと思った稽古帰り、半泣きで入ったスパ・ラクーアが

          舞台『心のかけら』を終えて

          即席郷愁誘導装置 : “金木犀の香り”

          “金木犀の香り”と書かれた商品が増える時期になった。 実家のあるマンションに植えられていたこともあり、子供の頃は秋の訪れを感じる、どこか懐かしいものとして好きな匂いだった。 鼻をくすぐるあのほんの少しだけ乾いた酸味を纏った甘ったるい香りを、10メートルも満たない道を歩きながら何度も何度も肺に送り、全身を幸せで満たした。 ここ数年、市場で、特にコスメにおいて“金木犀の香り”が注目され、InstagramやTikTokではコスメ系のインフルエンサーアカウントがこぞって商品を紹介

          即席郷愁誘導装置 : “金木犀の香り”

          Heurēka

          社会人になってから自分の思考を修正される機会が減った。 自覚を持って改良を施さない限り、濃度だけが高くなった古びた価値観が凝固していき、思考の源に侵食していく。 常にインプット/アウトプットと情報のアップデートが求められる世界はそれ相応の努力を要するので苦しいが、楽しい。 私は生きるために俳優以外の仕事を幾つかしているのだが、その中の一つに塾講師がある。 個別指導塾で小学生から高校生まで、その日担当する生徒に90分ほど授業をする。 問題の解説をしていると、学年や性別を問わ

          あぁ、かみさま!

          舞台『心のかけら』の稽古が始まり、架空の神・真聖様を崇拝し続けて2ヶ月以上が経った。 作中、私が演じる桜田メイは明確に2度、真聖様とのコンタクトを図ろうとする。もちろん真聖様からの返事は無いが、桜田自身は何かを受け取ったような素振りを見せている。(見えているといいのだが) 友澤氏の作品で以前も架空の宗教の熱心な信者を演じたことがある。 2017年に出演した、しっかりと役名を貰った初めての舞台となった『musical 素敵な世界』の森優香役だ。 この時、初めて自分の中にいる神

          あぁ、かみさま!

          自分の役に宛てる曲

          今日はT1project MEMORY三部作の劇場搬入の日だった。 9/7〜9/18の11日間、下北沢にある小劇場B1にて、T1projectはほぼ同じセットで全く違う以下の3本を上演する。 MEMORY三部作 幸せな時間(9/7〜) 心のかけら(9/8〜) ※木山メイはこちらに出演します 君へ(9/9〜) 小劇場B1は4年前、『シーチキンサンライズ 』という作品でストレートプレイを初めて経験して以来2度目の出演だ。 下北沢の街はあれから開発が進み、東口から出て狭い

          自分の役に宛てる曲