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46歳♂ぐだぐだ転職記20|窓口対応

2社の内定からどちらを選ぶか、まだ迷っている。

【A社】
B社より給与はやや良く、福利厚生面は手厚い。安定的な業界で上場済み。数百人規模の組織。

【B社】
A社より当面の給与はやや見劣り(しかし現年収以上で充分)、福利厚生面はB社よりやや薄い(しかし現職以上)。業界的にはA社より安定度に劣り、未上場。数十人規模の組織。

双方ともに業務内容は魅力的で、立地などオフィス環境は甲乙つけがたい。

A社

外面的な条件だけを見るとより魅力的なのはA社だが、A社は内定が出たときに承諾期限が翌日に設定されていた。しかし労働条件通知書を見てみると、求人票では固定残業制と記されていた残業の扱いが、労働時間制に変わっていた。

これまで個人事業主や裁量労働制で働いてきたからかもしれないが、私は
(1)固定残業制=自分が効率的に仕事すれば実質的な時間単価up
(2)労働時間制=自分が効率的に仕事すれば実質的な時間単価down
と捉えている。もう一歩踏み込めば、会社側は「効率的に業務する社員にインセンティブを払わない」と考えていると捉えることもできるだろう。
いずれにせよ、働き方と評価法を示すかなり大きな変更だと思うのだ。生じる金額差は微々たるものだが、求人票では間違ってましたと簡単に済ませてよい誤りではないと思う。そういう重要項目を校正しないまま求人を出していた、という印象を抱いてしまった。

他にも大小様々に求人票との差が出ていたので、とにかくすぐに内容に関する問合せを返した。また、面接はすべてオンラインだったので、承諾前に少しでいいからオフィス見学させて欲しいと要望も出した。

すると、問合せへの回答は時間を要するということで、承諾期限が一週間延びた。しかしオフィス見学は拒否。承諾期限が延びたのは良かったが、まだ回答は届かず、オフィス見学できない理由は知らされていない。

「今は繁忙期だからスタッフ対応が間に合わない」でも「今ちらかってるから片づけるまで見せられない」でもなんでもいいから理由を教えて欲しかった。「これから一緒に働く可能性が高い人にオフィスを見せない」という事実だけを見ると、かなり強い拒絶を感じてしまう。

エージェントの担当者は「理由を聞いているが回答が来なかった」と言っているので、エージェントの問題でもないだろう。一緒に働く部署の問題や会社の問題ではなく、窓口になっている人事の方のシンプルなコミニュケーション不足だけが要因なのかもしれないが、今の私にとってはこの方が「会社の顔」になっているのは事実だ。

B社

給与や福利厚生面ではややA社に見劣りするB社だが、企業からの直接スカウトだったこともあって、最初の段階から担当の方が「会社の顔」となり、小回りの利く対応をしてくださっている。質問を投げるとすぐに的確な答えが返ってくるし、オフィス訪問の依頼にも二つ返事でOKを頂いた。そして、訪問してみると、別の部署の方も含めたスタッフの皆さんが「丁さんですね。こんにちは」と挨拶をしてくれた。一人や二人でなく、すれ違った人全員が。おそらく予め情報をシェアしてくれていたのだろう。

内定が出た後に、給与・福利厚生がA社と比較した場合のネックになることを正直に伝えると、「丁さんのスキルと経験が弊社でこれから活かせることをアピールして、上層部から良い条件を引き出してみようと思います。お手数はかかるのですが、もし可能なら、弊社の事業と丁さんとのかけ算で見込めるような企画提案書を作って貰えないでしょうか」との提案を受けた。
「入社する前から仕事させられた」と受け取ることもできるだろうが、私は「出来得る手を尽くして、この人に入社してもらえるところまで条件を引き上げたい」という熱意を感じたし、前例にないことでも思いつく良策は試みようとする姿勢の柔軟性を感じた。

時間はなかったが企画提案書を書き、提出した。上層部がそれをどう評価したかはまだわからないが、後日、私の社内でのキャリアプランも含めた会社からの提案を聞くことになっている。

たまたま窓口になった人の性格の問題だけなのかもしれない。ほかの99%の社員が同じ態度だとは限らない。しかし、A社とB社のどちらから歓迎されているように私が感じたかは、火を見るより明らかだ。私に養うべき家族がいなければ、一も二もなくB社を選んだろう。
養うべき家族がいる私はまだA社の方にやや傾いてはいるのだが、A社を選ぶための根拠は、ぐらつき始めている。

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