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ただいま

去年の6月。40歳になった僕の最大のチャレンジ。それは世界マスターズ陸上(35歳以上の世界大会)での100mのメダル獲得でした。

その答えは僕が1mmも想像していなかった光景が待っていました。

100mの準決勝。
60m付近で左脚のハムストリングスが激しく動き痛みに変わり止めたくないのに脚が止まりました。

表彰台でメダルを首にかけている光景とは対照的すぎて。
もう2度と走るかと、なんのためにフィンランドまで来たんだと。

ただその後、日本代表の先輩方のメダル獲得、決勝でのレース後に何位だろうと笑顔で選手全員で肩を組み写真に収まる姿を目にした時に、「引退」なんてものは存在しないんだと感じました。

なんて美しいんだろう。もっともっと、まだまだ、走れるだけ走ろうと。走りたいと本能がそう思えるうちは走り続けたいと思いました。

あれから1年3ヶ月。また僕は陸上競技場に戻ってきました。

その場所は国立競技場。
現役時代何度も走ってきた聖地にまた戻ってきました。

スタートラインに立つ寸前。
ゴールの方を見た瞬間。何事にも変え難い素晴らしい景色が目の前に広がっていました。

「やっぱりいいなあ」

11秒50(-0.2)

色々足に不安があるため、流し程度で走りました。この感じでこのぐらいのタイムなんだ。身体は衰えていきますが、身体の芯にある感覚は年々研ぎ澄まされていく。そして何よりも

走ることが楽しいです。

そして、昨年のチャレンジからすぐに次のチャレンジを僕は決めていました。

今年11月にフィリピン・ニュークラークシティで開催されるアジアマスターズ陸上に出場します。

種目は110mハードルです。

自分の競技人生振り返っても110mハードルに出た回数は確か2回です。ほぼ未経験に近い種目にチャレンジしてみたい。

成功の可能性が極めて低いこと。
僕のチャレンジへの定義です。

まずは来月、山口県で開催される全日本マスターズが110mハードルの初戦です。初レースです。

朝起きてベッドから足をついた時にアキレス腱が痛い。足を引き摺りながら階段を降りる毎日。今日もここが痛い、今度はここが痛い。そんな毎日が生きてるなと実感するんです。

今、スプリントコーチとして契約しているチームは5チームです。それ以外に、個人契約をしているアスリートの個別指導、空いている週末は走り方教室のイベント。隙間の時間で会社の事業確認、新規プロジェクトの立案、打ち合わせ。各契約チームや選手の試合チェック。

トレーニングできる時間なんてない。それは嘘です。5分でも10分でも自分が作ろうと思えばあります。時間がないと思い込んでいるだけで自分次第ではいくらでも自分の成長に当てられる時間は必ずあります。

そしてこんな毎日の経験が僕の本職、
スプリントコーチとしての礎になっているんです。

11月どんな景色を僕はフィリピンで見ているのでしょうか。
どんな景色であったとしても走ることが好きな気持ちは絶対に変わらない自信があります。

そして、自分で決めたこのチャレンジに

必ず勝ちます。

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