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ヒナ一歳8ヶ月の成長記録、と見せかけた怒る父


あっという間に年末になってしまった。
月に一度、娘のヒナについて成長録を書いていたけれど、色々あって書けずにいたら一歳8ヶ月を過ぎた。
言葉が遅いと悩んでいた部分もあったけれど、今はとてもお喋りで、何かを指差して「あー!」とか「ワンワン」とか「にゃんにゃん」とか、後は何と言ってるのか分からないけど音が羅列している言葉を話すように。とにかくお喋りだ。
パパの響きが好きなのか、いつなんどきも「パパ」、「パパ」と呼ばれる。困りつつも全く嫌な気はしない。
子育てをした人はみんな同じことを言うと思うが、舌足らずな感じが可愛い。
とくに「バイバイ」なんて母音が強くて「バァイバァイ」になっちゃって最高だ。

それでも可愛いだけではない。
書いてない空白の2ヶ月の間、ヒナはすっかり怪獣となってしまったのだ。
と書いてしまえば可愛く映るけど、保育園の友達を押したり、やりたいことが思い取りにいかないと全く泣き止まなくなってしまう。
これが文字以上に大変でストレスだ。
悪いことだと教えても、謝り方が分かってない。どうやら悪いことなのは理解しているよう。
飲み物を勢いよく置いて溢す、なんてかなり頻繁にある。これ自体は特に大したミスじゃないように思えるけれど、何度も言っても同じように飲み物を溢されると、結構ストレスになる。

飲み物を溢される、急いで拭くものを用意して、拭く、注意する。この簡単な流れがボディーブローのように、じわじわとこちらの余裕を奪っていく。

食べ物の好き嫌いも恐ろしいほどはっきりしてきた。というか、食べない。食べ飽きたら食べ物で遊び、怒られ、ひと騒ぎしてからおやつをねだる。クリスマスもあまり食べが良くなかった。妻が時間をかけて一生懸命つくったものを粗末にして、ただひたすらにジュースだけを飲み続ける。なんだかそれが許せなくてだいぶ怒ってしまった。

ヒナは謝り方が分からないのだから、あまりに怒っても仕方ないと思うけれど、こちらも終わらせ方が分からない。途中で怒るのをやめて、泣けば許されると思われるのも嫌だ。終着点がまるで見えなくてただ空気が悪くなる。

ヒナとの日々の付き合いから、自分の怒りにも問題があることを知らされる。
叱ると怒るは違うことは分かっている。相手のためか、自分のためか。自分のソレは純度が低い。
自分がヒナに注意していることは、怒りと叱るが入り混ざった混ぜモンでしかない。

ヒナが意外と理解できていることを都合よく受け取り、『分かってるのに、なんでやらないんだorなんでやるんだ』って気持ちが芽生えてしまう。
子どものすることに怒るなんて、自分の未熟さが明確に出てる。でもそれすら自分に嫌気がさす。
自分が振り回されるのはヒナではなく、自分の中にある怒りの感情だ。

ふと、思い出すことがある。
自分の父のことだ。
別に書くほど厳しい家庭で育ったわけではないけれど、よく叩かれたしよく怒鳴られた。
怒鳴られるのが怖かったのだと思う。
大きいスピーカーが2つあって、片方からは小さめの声で母の声がした。その声に安堵しているとその直後に、もう一つのスピーカーから大きな声で父に怒鳴られる。そんな夢をかなり頻繁に見ていた。

父を嫌いじゃないけれど、苦手意識、というかどう向き合ったらいいのか分からない気持ちが27になった今でもある。

感謝もしてるし尊敬してるし、今でも世話になっている。
けれどそれはそれとして、"父"という同じ立場に立って、冷静に振り返ってみると、少しやり過ぎてたようにも思う。

父も父で、怒りの感情が強い人だったのだと今更思う。
自分が怒りと向き合うことは、父と向き合うことでもあるのかもしれない。

でもそれはヒナの成長記録とは別のお話だ。

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