セルフレジという安らぎ
誰にも話したことがないが(ということをnoteに書くのは矛盾していないか?!公開した瞬間にネット上にさらされているけど。まあいいや。)、私はセルフレジを愛している。
最近では、コンビニやスーパーなどで、店員さんがお会計の作業をしてくれる有人レジだけでなく、自分で商品をスキャンし支払いを済ませるセルフレジがだいぶ一般的になってきた。
私はこのセルフレジが大好きだ。
どれくらい好きかというと。
自宅最寄り駅から自宅までコンビニ(セルフレジなし)があるにもかかわらず、わざわざ遠回りをして同じ銘柄の別のコンビニ(セルフレジあり)に足を伸ばすくらい好きだ。
なんでそんなにセルフレジが好きなのか。
それは、セルフレジならば、有人レジにありがちなプレッシャーを感じずに買い物をできるからだ。
私はよく、1週間頑張ったなあ!みたいな週の最終日に、結構夜遅いにもかかわらず、ハイカロリーのお菓子とかを普通に買ってしまう。ポテチとか。なんかクリームがめっちゃ入っているパンとか。
で、そのだいぶヤンチャな買い物カゴを店員さんに出すのが恥ずかしいのだ!
「この人、こんな夜遅くにこんなハイカロリーなもの買って大丈夫?」
「自制ができない人なんだろうな……」
「そんなんだから痩せられないんじゃないの……?」
とかなんとか、勝手に店員さんにアテレコしてしまい、今すぐ逃げ出したくなるようないたたまれない気持ちになるのだ。
まあ要するにものすごく自意識過剰なのだ。
でも、セルフレジならば、そんな心配はいらない。
誰も私も買い物カゴの中身なんて見ていないから。
私は会計を済ませると、カゴの中にあったヤンチャな品物たちを目にも止まらぬスピードでカバンにしまう。
昔、写真家の今森光彦さんの『やあ! 出会えたね カマキリ』という本が好きだった。カマキリの生態や身体の仕組みがよく分かるような写真集で、カマキリの愛らしさがよく伝わってくる素敵な本だった。
その中に、カマキリがじっと獲物を狙い、目にも止まらぬスピードでそれをとらえ、食べる瞬間の写真がコマ送りのような感じで掲載されていたと記憶している。
セルフレジでお会計を済ませたのち、獲得したハイカロリーな獲物たちをすばやくカバンに詰め込んでいるとき、私はよくこのカマキリを思い出してしまう。
誰にもバレずに、こっそりと買い物ができる。
秘密を守ってくれる安らぎに身をゆだねて、私は今日もセルフレジでお会計を済ませる。
ピッ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?