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サラリーマンだった私が、「文春」や「Number」で記事を書くようになるまでと、脱サラライターゆえの孤独と悩みについて--。

 現状打破の思いを込めて、これからnoteを綴ってみたい。
 仕事があるときはあり、ないときはないのがフリーランスの宿命で、現状打破などと言っている時点でもはやヒマなことは明白なのだが、そこはもう恥も外聞も投げ捨てて、率直に今の心境を綴ってみたい。(TwitterやFacebookすら未経験のSNS初心者なのに、noteがどのようなものなのかよくわからないままいきなり始めて大丈夫なのだろうか……)

 まずは簡単な自己紹介から。
 ライターのジャンルで言えば、私はいわゆるノンフィクションライター、あるいはスポーツライターに属するのだろう。『週刊文春』ではグラビアや取り寄せ便の記事を、『Number』では主に陸上の原稿を書いている。
 文は人なりというから、図書館などでバックナンバーを見つけた際にはぜひお読みいただきたい。たとえば文春の7月14日号では後ろのグラビアページで“コロナ禍の山小屋”という企画を担当している。4ページの誌面を作るために、4つの山小屋(うち1つは2700mの稜線上だ!)を実際に訪ね、バキバキの筋肉痛になりながら山を登り下りしてきた。
 他にも、4月21日号では女優大竹しのぶさんの記事を、4月28日号では俳優小日向文世さんの記事を。またNumberでは3月の1046号で香取慎吾さんと2人のパラリンピアンの対談をまとめ、箱根駅伝を特集した1042号では東京国際大と駿河台大の記事などを書いている。Web上にも(あれや「もっと色々な選択肢があっていい」“箱根駅伝偏重”に一石を投じた林田洋翔20歳(三菱重工)が「高卒即実業団」から見据える世界の頂 - 駅伝 - Number Web - ナンバー (bunshun.jp)、これや箱根駅伝 “元祖コース間違い”「寺田交差点」誕生には“伏線”があった? 寺田夏生「ちゃんと箱根を見たのは、走る前日の往路が初めてでした」 - 駅伝 - Number Web - ナンバー (bunshun.jp)も)いくつかあるので、ご笑覧いただけるとうれしい。

 なぜ私が日本を代表する週刊誌と総合スポーツ誌で仕事ができているかというと、それは「ナンバースポーツノンフィクション新人賞」という賞を受賞したからだ。もう20年近く前の話だが、当時Numberでは公募で原稿を募集していて、それに運良く選んでいただいた。
 松井秀喜やB・ウィリアムスが表紙を飾ったNYヤンキースの特集号に、自身の署名原稿が掲載されたときの喜びはとてつもなく大きかった。嬉しさと同時に安堵感もひとしおだったのは、その年すでに会社を辞めてから5年近くが経っていたからだ。
 退社を決めた際に、好き勝手できるのも5年程度だろうと覚悟していた。まさに手持ちの資金も気持ちの余裕すらも失いかけていたころに、大手の出版社から助け船がだされたのだ。

 大ざっぱに言えば、それを足がかりに大海に漕ぎだし今に至るわけだが、私は現在、どうしようもない焦りを感じている。海図が示す場所はあっちなのに、どうしてもそこにたどり着けない。灯台の灯りを必死で探しているような心境である。(これについてはまた今後、詳しく書いてみたい)

 思い返せば、めずらしい人生だ。
 文章を書いたこともないのにライターを志し、散々悩んだ挙げ句、さほど不満もなかった仕事を辞めた。28歳で職を失い、何のつてやコネもないまま、勤務地であった大阪で一人暮らしを始めた。(社宅からは追い出され、ワンルームのアパートを借り直した)
 奇跡のような出会いと、人の縁に助けられてここまで来たが、もう一歩、目指す高みにはたどり着けていない。いや、もっとこの世界のことをよく知りたいと思っているのに、その地位や立場にたどり着けていないことが歯がゆいというべきか……。

 おそらく、今の自分に足りないのは、自身のことをもっとよく知ってもらおうとする努力だろう。
 そもそもマスメディアの世界にいたわけではないので同業の仲間が悲しいほど少ない。耐えられない孤独ではないが、会社員だった頃のチームで仕事を進めるあの雰囲気を懐かしく思い出したりもする。
 本来、書き手は黒子である。存在感などなくてよく、著名である必要もない。だが、時代がめまぐるしいスピードで変化していくのを見ていると、そうも言ってられないと思えてきたのだ。
 マスコミ(真実)に対する信頼感が揺らぎつつある今、その書き手が信頼できる人物であるかどうかは、読者にとっても気になるはずだ。その判断材料として、個人のSNSは有益だろう。
 正直なところこれまでは、目の前の仕事にすべてを注ぎ込む、それ以外のことに時間を使うのは不誠実とさえ考えてきたのだが、SNSの一つもやっていない方がむしろおかしいのかもしれない。

 そう思ったからこその、note初投稿である。
 これまでの来し方をここに書くことで、何か新しい地平が見えてくることを期待している。孤独や悩みをさらけだすことで、その解決となるような知恵をみなさんから拝借したい。叶うものなら、読んでいただいた方(とくにライター業に興味がある方)にとっても、なにかしらのヒントになるものがありますように。

 今後は3日に1回程度の頻度で、更新していければと思います。
 ※8月8日に追記しました。

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