乙女日和 アンティーク日和
山崎まどかさんの『乙女日和』という著書には、1年を、乙女として味わい愉しみ尽くす術がすべて書かれていたので、乙女として、実践し記録していこうと思います。
11月は、アンティーク日和ということで、アンティークマーケットにお出かけしてきました。
毎年、東別院で行われているアンティークマーケットです。
乙女にとっては、アンティーク、という響きからしてときめくのです。
『乙女日和』には”運命の恋人みたいに私が探しているサムシングが見つかるのではないか”というワクワクについて書かれていたのだけど……
考えてみると、アンティークとの出会いって、人との出会いよりロマンティックな気がしてきます。
今回、私が出会ったロマンティックなものは、
・天使の羽根のかたちのイヤリング
・ギリシャ神話の神々がついたシリアルボウル
・ギリシャの家庭料理のレシピカード
・ピンクのリボンを付けた猫のカード
レシピカードあたり、それを買ったとて決して作るわけではないので無駄遣いなのですが、アンティークマーケットは無駄遣いしてこその場所だと思うので、それらを買いました。
本当は、まだまだ心惹かれるものがたくさんありました。
でもあんなに莫大な量のものが、世界中から集まってきて、今わたしの部屋にそれらがあることは、たいへんにロマンティックなことです。
こんなロマンティックなことがあるなんて、『乙女日和』を読まなければ知りませんでした。
さて、アンティークといえば映画『インスタント沼』です。(映画では骨董品なのだけど、概念として同じだと思うので)
『インスタント沼』は、私の一番好きな邦画です。
主人公のハナメちゃんが、仕事を辞めて、持ち物殆ど捨てちゃって、骨董品屋さんを始めるのだけど……実際にハナメちゃんの骨董品屋さんがあったら、絶対に行きたいくらい素敵なのです。
でもこの映画、骨董品屋を始めるにあたってリサーチにいく場面があって、そこが最も最高なのです。
世界観のある意識高い系の骨董品屋を訪れたハナメちゃんがその帰り道、「おしゃれなものはムカつくよな〜」と言うのです。
この言葉を聞いてハナメちゃんのことが心底大好きになりました。
実際に訪れたアンティークマーケットも、年に一度のことなので、店員さんとその常連客や知り合いが、ワイワイしているところを何度も見かけました。お会計したいのに気がついてもらえない場面も多々ありました。
私のようにアンティークについて無知で、ときめき動機によって散歩のついでに訪れたニワカではなく、全身にアンティークの世界観をまとわせてワイワイする人たちを見るたびに、何となく、あのハナメちゃんの台詞が思い起こされてしまっていたのだから、こんなことを思うなんて、乙女失格でしょうか。
でもこういう自分も良しとします。
そういう乙女がいても良しとします。
何をしても何を言っても、映画のハナメちゃんは超おしゃれなスーパー乙女だったから。
ニワカながらも私はときめくものをまた沢山手に入れることができました。
来年も、きっと行くと思います。
おしゃれな人達がワイワイしているのを尻目に、私は一人で、運命の出会いを探すのです。