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国際女性デーの動画を見て思う事

3月8日の国際女性デーに関連する、おススメの動画を見たので、少し紹介したいと思う。

Celebrate Women's Day 2022 With Prega News | #SheCanCarryBoth 

PregnaNewsという妊娠検査薬を製造している、製薬会社ManKindが発信している動画。

駅の待合室で一緒になった、年齢も背景もバラバラな数名の女性たち。そのうち一人は泣き止まない小さな赤ちゃんを必死にあやしているのだが、「子供が生まれたら自由が奪われた気がしない?」ともう一人の女性に聞かれ・・・・。

いじわるな質問をする、仕事ができそうな女性の人物像が、ちょっとはっきりしない。子供がいるけどそんな言い方するのか?それとも子供がいない女性から子供を持つ女性への敵意を含んだ物言いを表現しているのか?
どちらもありうるので、正直分からなかった。

もし、後者として人物像を設定しているのであれば、「子供がいない女性=かわいそう、未完成」と言ったイメージがこの中にかくれていないか?という事が気になってしまった。(たとえ製作側が意図してなかったとしても)

子供を産む、産まないは、それぞれのカップル、究極の話を言えばその女性個人の選択だと思うのだ。子供がいるのか(生んだのか)どうかで、女性個人を判断する材料にしてはいけない。

また、この動画のメッセージは「子供を産んでもキャリアを諦めないで」だと思うのだが、なんか母親像を神格化している様な気もして、そこもちょっと気になっている。

「子供を生んで母親になったんだからできるよね?」となっていないだろうか。

子供生まれたって、母親一年生なんだからできないこともある。

母親だって子供を産んだ時に「母親=0才」なのだから、子供と一緒に成長し、母親になるのだと私は思っていて、すぐに「母親だからできて当然」と言う押し付けがないようにしたいと思う。

子供が生まれる事で、仕事を辞めたり、キャリアを諦めたりするケースは今でも多いと思うし、そのために子供を持つ事に不安を覚えているカップルもいるのだろう。この動画はその不安を払拭し、女性たちを応援したい動画であるのだと思う。

実際に小さな子供の面倒を見ながらフルタイムの仕事をするのは大変だし、特に最初の数年は体力面・健康面からもあまりお勧めはしない。(まあ、実際はそうもいかないのだけども)

ただ、子供を育てるのは母親一人であってはいけないと思うのだ。手を差し伸べるのは家族でもいいし、友人でもいいし、ご近所さんだっていい。

ManKindの動画には他にも素晴らしいメッセージを込められたものがあるので、ぜひ検索してみて欲しい。

(もう一つ紹介したい動画がありますが、こちらは母の日用に作られたものらしいので、別に紹介したいと思います。)


Women Empowerment Ft. Kalki Koechlin

もう一つの動画はこちら。以前のHoliのダンス動画にも出ている、 Kalki Koechlinさんが出演している。(かわいい!)

インドではまだまだ家にサーバント(メイドとも言います)が来て、掃除、洗濯、お皿洗い、スパイスの準備(インドならでは)・・・などをするのが一般的だ。

この動画ではある日、サーバントが娘を連れてやって来るのだが、事情を聴いてみると、上の二人の兄を学校に通わせる、学費の捻出のために娘は学校から退学させたのとの事。なんともやりきれない気持ちになった彼女は。。。

インドである程度収入がある家庭は、みんな子供を私立校に通わせる。田舎で育ち、ずっと公立、大学も国公立に絞って受験した自分にはなかなか理解できなかったのだが、子供の将来の選択肢が変わって来てしまうので、親が必死になるのも無理もない事だ。

ただ、同時に、学校の運営が「ただのビジネス」になりつつあるのも悲しい事実。

うちの子供たちも、毎年、必要かどうか分からない「文具セット」を年度初めに買わされた。(結局使いきれなくてムダ)
年度初めには「年会費」なるものを徴収され、同僚などは子供二人の分が約20万ルピー(約36~37万円程度)だと嘆いていたのを覚えている。
これが子供たちが12年生(高校)を卒業するまで続き、それが終わったら大学だ。エンドレス・・・。

インドでは大体3歳からプレ・スクールに入学させるが、大都市の競争率はすざましいものがあり日本の比ではない。どれかに入学できる様に必死に願いながら、両親たちは多くの願書を書く。

ある学校などはその中で受け入れ可能な人数を「抽選」で選ぶことにしている。もし、抽選で選ばれなかったが、それでもその学校への入学を強く希望する場合は「寄付」と言う名のヘンなお金を学校に払うことになり、そうすると入学が許可される場合がある。(すべての学校がその制度をとっているかは分からないので「場合がある」と書きました。)

実際にうちでもインドでは私立の学校に通わせていたが、「私立=良い」わけではない事は強く言っておきたい。
うちは授業をヒンディー語ではなく、英語で実施する学校が良かったのと、セキュリティ上、公立には不安があったため私立にしたのだが、払っている分に見合うレベルの教育内容や教師の質であったかと言うと微妙だった。
なお、設備的な視点(バス、給食、学校の建物やスポーツ設備など)から言うと、私立の方が確かに良い。

基本的な教育を諦めないといけない子供たちがいる一方で、価値のないものに支払うムダなお金が発生している。女性(この場合は女の子)に対する考え方に加え、インドの教育面も色々と改善点がありそうです。

女性も男性も、そうじゃない人も、伸び伸びと生きていける社会になる事を願う。

自分にできる事があれば、アクションを起こしていきたい。

サポートいただけた場合は、「子供が売られない世界をつくる」を掲げてインドでも活動をしている、かものはしプロジェクトに寄付します。