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放課後ランプ #毎週ショートショートnote

 放課後、ボクはいつも理科準備室に忍び込んだ。ボクの通う中学は管理が甘く、理科準備室は放課後も空いたままになっていた。午後6時には警備員が施錠して回る。それまでの時間、ボクだけの空間になる。
 ボクは隠しておいたアルコールランプを取り出し火をつける。その後はただアルコールランプの火を眺める。それは何も無かった一日を終える為の儀式。
 そうして何日も放課後を過ごしていたある日、恐れていた事が起こった。「そこで何をしている」現れたのは理科担当教師のS先生だった。
 それから毎日、ボクは罰として理科準備室の掃除をする事になった。ズボラなS先生が、頻繁にやってきてはボクと話して帰っていく。ボクも徐々に先生と打ち解けていった。
 それから一ヶ月が経ちS先生は言った。「今日で罰は終わり。君が何も無かった一日の事を話したい時は、いつでも声を掛けてください」
 そしてS先生はボクを校門まで送ってくれた。夕陽がボクら二人を照らしていた。

(410文字)

たらはかに様の企画に参加させていただきます。難産でした。


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