スカイリムプレイ日記~狩人ちゃん~ #69
こちらの続きです
『氷の上の血』①
ウインドヘルムの商業区を歩いていると、トールビョルン・シャッターシールドと出会いました。シャッターシールド家といえば貿易商を営む東帝都社のライバル会社で、東帝都社の依頼でこの家が提携していた海賊団を潰した経緯もあり多少の気まずさはあります。
しかし相手は私がそのビジネスに関わっていたことは全く知らないようで、普通に会話してくれました。
どうやら彼は娘さんを亡くし、悲しみの中にいるようです。特に奥さんは立ち直れないままでいるため、トールビョルンさんはなんとかしようと、アーケイのアミュレットを探しているのだとか。神の元に召されたのだと説得し、祈らせることで、奥さんに娘さんの死を受け入れさせ、前をむいてほしいのですね。
アーケイのアミュレットなら自宅の宝箱に保管していたはず。特に使う予定もなかったので、トールビョルンさんに譲ることにしました。娘さんを失ったことは身を斬られるより辛いはず。少しでも彼らの傷が癒えるよう手を尽くしたいところです。
ということでソリチュードに帰り、すぐにウインドヘルムへ戻ってきました。売らずに保管しておいて良かったです。もう日も落ちてしまっていましたが、トールビョルンさんを探して街をうろうろと墓場の近くまで歩いてくると、人が集まっていました。何事かと近づいた私に、衛兵が「そこで止まれ」と厳しい声で言いました。
よく見ると墓場に置かれた古い棺の上に裸の女性が倒れていて、辺りには血しぶきが飛び散っていました。
「ここで何があったんですか?」
「また新たな犠牲者だ。キャンドルハース・ホールのスザンナらしい」
また?…そういえば、初めてこのウインドヘルムを訪れた際、女性の連続殺人が起きているという話を小耳に挟みました。それもあってあまりこの街に良い印象を持てなかったのですが、今まさにその新たな殺人現場に居合わせてしまったようです。
衛兵によれば、犠牲者は宿屋軒パブのキャンドルハース・ホールでウエイトレスをしていたスザンナさん。殺害された女性は彼女で三人目だそうです。手口はいつも同じ。夜に若い娘が殺されて、死体が切り裂かれている――まさに目の前のご遺体も、血液が飛び散るほど派手に切り裂かれています。
「犯人は?」
私の問いかけに、衛兵は首を横に振ります。
「戦争のおかげで人手が足りない。この手のことに時間を割ける人がいない。不愉快だが、これが現実だ」
そうは言っても、このままでは市民たちは安心して過ごすことができません。戦争で忙しいのはわかりますが、放っておくわけにはいかないでしょう。
「手を貸しましょうか?」
私がそう言うと、衛兵はさほど期待するでもなく、周辺の人々を指して言います。
「それならあそこでぼさっと見てる奴らに、何かみていないか聞いてみてくれ。俺はネズミがたかる前に死体を調べないと」
話を聞く前にスザンナさんの様子を伺います。彼女は「悪しきスザンナ」と呼ばれていたようですが、過去にキャンドルハース・ホールを訪れた際に言葉を交わしたはずですが、そんなに悪い印象は持ちませんでした。まだ若いのにこんな最期を遂げるだなんて。
まずは一人目、カリクスト・コリウムさんから話を聞きます。
この人は『骨董品の館』という、『ただ自分のコレクションを自慢するだけ』の館を営む変な人です。
カリクストさんに「なにか見ましたか?」と尋ねます。
「いいや、誰かが走り去ったのは見たのだが、それが誰だかは分からない…」
次は不可視のシルダさん。こちらはいつも街を薄着でさ迷っている物乞いの女性です。
「悲鳴を聞いて駆け付けたんですが、駆け付けたときには…もう彼女はこんな風に…」
次は僧侶のヘルグリッドさんです。彼女は妙にハキハキと大きな声で答えました。彼女は目撃者ではなく、埋葬の準備でここにいるようです。
「あいにくだけど、何もみてないよ。でも小銭入れはそのままだから犯人は金目当てじゃないね」
犯人の顔を見た者はなし。ただ物盗りの線はなさそうだ、と。
衛兵に集めた証言を報告しました。兜で表情は見えませんが、あきらかにがっかりした声で「いつもと同じだ」と肩を落とします。
「役に立つ情報はない。またしも逃げられた」
「私に手伝わせてください。犯人を捕まえましょう」
このままではいられません。衛兵は頷きました。
「お前が大勢の衛兵よりも役に立つのなら、喜んで歓迎する」
衛兵はその後、宮殿にいる執政と話をするよう言いました。
「公務だからって誰彼構わず歩き回らせるわけにはいかない」
ごもっともです。
すっかり遅くなったので、執政も寝ている時間でしょう。宿屋で部屋をとりることにしました。
幸運なことに、宿屋のカウンターでトールビョルンさんが酒を煽っていました。アーケイのアミュレットを渡すと、喜んで受け取ってくれ、報酬もくれました。
これで奥様の心も慰められるといいのですが。
翌日、宮殿で執政のヨルレイフさんに殺人事件のことを話に行きました。
「野獣のように仲間を襲う奴がいるとは、困った事になった。私の部下は忙しいんだ。手を貸してくれるなら大歓迎だ」
ヨルレイフさんは衛兵に私の調査活動について伝達し、必要に応じて協力することを約束してくれました。
墓地へ戻ってくると、衛兵が調査を続けていました。スザンナさんの遺体はすでに片づけられています。
衛兵は、「ここからどこかへ続く血痕があった」こと、「スザンナの遺体はヘルグリッドが埋葬の準備のために死者の間に運んだ」ことを教えてくれました。
手掛かりをもらい、まずは死者の間へ向かいます。ヘルグリッドさんは台の上に寝かせた遺体を丹念に観察していました。
「ここじゃ人が死ぬなんて日常茶飯事なんだよ。この私は別だけどね…ほんの冗談さ」
「で、遺体は?」
「ああ、変わってる点といえば、切り口の形だけだね。この切り口は曲線状の刃でつけられたようだ。古代のノルドが死者をミイラにするときにこんなのを使っていた。ウインドヘルムでそんなものを持っている者はいないはずだ。もちろん私は別だがね」
衛兵はヘリグリッドさんのことを「ちょっとイカれている」なんてひどい評価を下していましたが、あながち間違いではないようです。それでも有益な情報をくれました。凶器はエンバーミングツール。ドラウグルのいる遺跡にいくと高確率で置いてある器具ですね。
続いて、血痕の追跡です。衛兵の言う通り、墓場から住宅街の方角へと血痕が続いていました。
一軒の住宅にたどり着きました。簡単な鍵がかかっています。家の前でしばらく待ちますが、誰も出入りしません。どうやら空き家のようです。
周囲を確認し、ピッキングで中に侵入してみました。
人の気配はありません。辺りを見渡すと、血痕が付着している壁に宝箱が置いてありました。床の跡からしてこの箱は最近壁に寄せられたようです。
開けてみると、中には束になったチラシと、日記が入っていました。
内容からいって連続殺人の犯人が書いたものであると推察されます。犯人は『肉魔法』という聞きなじみのない言葉を用い、それのために人間の骨や血肉を得て、さらにはスザンナさんから「腱」を得ようと付け狙っていたようです。
日記の内容は謎が多いのですが、とにかくここが犯人のアジトとなっていたことは間違いないようです。引き続き空き家を捜索してみると、タンスや棚が並べられている小部屋を見つけました。
棚を開けると、中には”ブッチャーに用心!”と書いた警告のチラシがいっぱいに入っています。さきほど見た宝箱にはいっていたチラシがここにも大量に詰め込まれているのです。
『ウィンドヘルムを恐怖に陥れる殺人鬼!暗い時代は人の心に悪をもたらす。次の犠牲者になるな!不審な人物を見かけたら、ヴィオラ・ジョルダに連絡を!』
ブッチャーとは連続殺人鬼のあだ名のようなものなのでしょう。なぜこのチラシがこんなにたくさん入っているのでしょうか。殺人鬼自身が配布しているとは考えにくいので、どこかから集めて隠していると考えた方が自然です。犯人は意外と臆病者なのかもしれません。
さらに棚には奇妙なアミュレットが置いてありました。頭蓋骨が刻み込まれた、見た事のないデザインです。犯人のものでしょうか。持って行きましょう。
さて、タンスを開いてみようとしますが、不自然にも壁に固定されていることに気が付きます。そっと開くと隠し扉があり、おそるおそる開けてみると、蝋燭にともされた隠し部屋が現れました。
骨や臓器が転がり、ひどい臭いがしました。そして目につくのはこれまた奇妙な祭壇です。
祭壇は未知の魔法で作られており、集めてきた体の一部を使っているようです。
さらに日記をもう一冊見つけました。それにはまるでレシピのように、『腱17本』『骨の破片175個』『およそバケツ4杯分の血液(ノルド人が好ましい)』等、おぞましい材料と分量が記されています。
最後のページには一言、『もうすぐだ』とも。
連続殺人は恐ろしい魔術儀式のために行われていたようです。おそらく表にでていないだけで、他にも数多くの人間が犠牲になってきたのでしょう。
儀式の目的はいまいちわかりませんが、ろくでもない結末が目前に控えていることは間違いありません。一刻も早く止めなければ。
宮殿に向かい、ヨルレイフさんに会いました。勝手に空き家へ侵入したことがバレると色々面倒なため、手に入れた情報について確認するだけで詳細な報告はひとまず避けます。
「このアミュレットが何かわかりますか?」
奇妙なアミュレットを見せますが、「見た事がない」と首をかしげます。
「骨董品の館にいるカリクストの所に持って行ってみろ。珍しい装身具の目利きだ。ゴールドが貰えるかもしれないぞ」
続いて『ブッチャー』について聞いてみます。ヨルレイフはうんざりしたような顔で言いました。
「ヴィオラ・ジョルダノとは話したか?彼女がその話を街のあちこちに貼って回って、誰かが片っ端からはがしている。彼女に聞けば、うんざりするほど教えてくれる」
どうも調査に対して真面目に取り組んでいるように見えないヨルレイフさんの態度に釈然としないものを感じながらも、ヴィオラ・ジョルダノさんを探しに街へ出ることにします。
果たして殺人鬼ブッチャーに関して有力な情報を得ることはできるのでしょうか。
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