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【マイホーム購入】不動産価格って今後下がるの?(供給編)

どうも、ミニマリストオタクFPです。

最近の不動産業界、建築費高騰が話題にならない日はありません・・。
先日も、五反田のTOCビルが建築費高騰のため建て替え延期になるというリリースがありました。

リリースされてないものも含めて、建築費高騰による計画延期は業界あるあるになってきています。

というわけで、「マイホーム購入検討中だけど、不動産価格は待ったら下がるのか?」という問いについて、以前需要編を書いたのですが、今回は供給側の話に言及していきたいと思います。

結論から言うと、供給面からみると不動産価格はしばらく下がりそうにありません。

※マイホーム購入検討者向けなので、実需の話とご理解ください。


供給サイドはどう見たらよいか

不動産(マイホーム)の供給サイドは、戸建てやマンションを作って売っている企業のイメージでざっくり考えてもらえれば良いと思います。ハウスメーカーやマンションディベロッパーなどです。

消費者に不動産が販売されるまでの、超ざっくりとした価格構成については下記の通りです。

販売価格=原価(土地+建築費+人件費+諸コスト)+利益

もちろん、原価が上がると販売価格が上がります。
原価の大きな構成要素である建築費で今何が起こっているかを見ていきましょう。

諸々のコストが上がり続けている

建築費

一般財団法人建設物価調査会が出している「建設物価 建築費指数」をご覧ください。

一般財団法人建設物価調査会 2024年3月建設物価建築費指数

左端の2015年から2024年現在を比較して、約30%増です。
しかもこれ、まだピークアウトの気配が見えてきません。

要因をざっくり言うと、建築資材高騰(日本は輸入に頼るところが大きいため、円安が逆風)と人手不足(高齢化&残業規制)がダブルで効いてきている形です。

ゼネコンの現状

工事を請け負うゼネコンの現状についても見てみましょう。
一般社団法人日本建設業連合会が「建設工事を発注する民間事業者・施主の皆様に対するお願い」を出しているのでそちらを参照してみます。

建設資材高騰・労務費の上昇等の現状

適切な価格・適正な工期での建設工事の実施について、ご理解とご協力をお願いいたしますとのことです。
要するに、過度な価格交渉はしないで欲しいということです。
以前は力関係が発注者(ディベロッパー等)>ゼネコンだったのが、現在は逆転していることも多くなったため、発注者側も高騰した価格を飲むか、計画を見送るかしかなくなってきています。

設備や内装関連も値上げ

住宅用設備メーカーも原材料や物流費の高騰のため、2024年の値上げを発表しています。
有名どころで言うとLIXILやTOTOなどですが、これも戸建てやマンションの価格に乗ってくると思われます。

下がる要素があるのか考える

「様々なコストが上がり続けているという現状は分かったけれど、それなら待てば下がるのでは?」という疑問もあると思います。
今後、不動産の原価が下がるのかについて、為替と人件費の面から見てみます。

為替(ドル円)

上でも言及しましたが、原油や石炭や鉄鉱石等を輸入に頼っている日本のものづくりのコストは、為替に大きく左右されています。

Googleでドル円と検索すると出てくる画面

今後の為替を読めたらFXで勝てまくってしまうのでそんなことは誰にもできないのですが、この記事を書いている2024年4月11日に、34年ぶりに1ドル=153円台に下落しました。
日米の金融政策の差(金利の差)が今の円安を生んでおり、日本は色々な事情でアメリカほど利上げができないので、コロナ前の100~110円にはしばらく戻らないのでは?と個人的には思っています。

三菱UFJ銀行  FX Monthly(2024年4月)より

金融機関の見通しとかも定期的にチェックしていますが、1年後に130~140円台くらいの予想が多いですかね・・。為替の予想は本当に難しいのですが・・・。

人件費(賃金)

日本全体的に賃上げの機運が高まっていますが、特に建築業界については人手不足から来る賃金上昇が激しいです。

建設資材高騰・労務費の上昇等の現状

専門性が必要な職種ですが、プロ人材は高齢化が進んでいて、若い人も成り手が少ないので、こちらも構造的に賃金が上がり続ける形になっています(賃金を高くしないと人が集まらないため)。
 ※参考:建設業デジタルハンドブック
これも何か根本的な対策(移民とか?)を打たないと流れは変わらなさそうです・・。

結論:しばらく下がることはなさそう

というわけで、供給面から見た不動産の価格について考えると、しばらく下がらなさそうな要素がわんさか出てきます。

つきましては、マイホーム購入を検討している方々におかれましては、買いたい時が買い時ということを念頭に置いていただき、無駄に待つことなく検討を進めていただくことを推奨いたします。

現場からは以上です。
それではまた。

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