食べ塾81:地域相場価格×付加価値で少し高くても売れる価格をつける方法!
noteクリエイターの中村保晴さんの投稿で、アンカーポイントという言葉を習いました。私流に解釈すると、飲食店でいうところの地域相場価格です。当然安く売るお店と少しでも高く売りたいお店がありますので価格帯という幅があります。
例えば、
この輸入豚の80gの自家製造のトンカツのカツ丼なら680円位だよねっていう場合でも、650円~740円とかのアンカーポイントの価格ゾーンが存在すると思ってください。
<予備知識→カツ丼に使うトンカツの種類=ランクは何種類かあります>
トンカツランク第5位:一番安いクズ肉結着トンカツ
確かに肉ですが、とんかつというよりも混ぜ物の入ったトンカツ風豚ミンチ整形トンカツです。冷凍食品として安い食堂さんや弁当店で使っています。
500円以下の場合はまずこれが多いと思います。
トンカツランク第4位:冷凍パン粉付き輸入肉トンカツ
飲食店で使われているタイプで一番多いのはこのタイプと思います。
食品加工メーカーで作っているか、チェーン店本部のセントラルキッチンで
作っているかの差はあります。
冷凍トンカツという商品なので、価格的に輸入肉というのは察しがつきますが、どの国の豚でどの部位を使っているかははっきり言って不明です。
大半はロースと銘打っていればロース肉です。そうでなければ内もも肉の
ロース風成形品を使っていると考えられます。
*輸入する豚肉は冷凍が主体です。溶かして切って加工して再冷凍します
から、美味しさに限度があります。パサつきがあります。
トンカツランク第3位:国産白豚ロース肉自店加工トンカツ
まず美味しいとんかつのお店になれる条件です。
冷蔵で仕入れたロース肉を叩いて伸ばしてパネして仕上げて冷蔵庫保管します。そして冷凍することなく仕込んだ日に使い切りします。
どうしても余った分は翌日の昼にはなくなります。
*冷凍させないから美味しいのです。しっとりした食感です。
トンカツランク第2位:国産”銘柄豚”ロース肉自店加工
トンカツ
銘柄豚は、国産の白豚にお米やサツマイモなど特徴をつけ肉質の向上を
行う食物で肥育した豚であり、他との差別化を図るためにそれぞれ名称がつけられています。
確かに単なる白豚よりは、風味があり、甘さがあり、肉の繊維がきめ細やかだったりします。銘柄豚同士でも5ランクくらい分けられそうです。
*単なる国産の白豚よりは80%の確率で美味しく感じます。
トンカツランク第1位:国産黒豚ロース肉自店加工トンカツ
こう書いていますが、残念ながら黒豚トンカツを提供するお店で味わった経験はありません。ただ、黒豚の生産地で生産者の方と一緒に食べた黒豚しゃぶしゃぶの味が何十年経っても忘れられず、最高の豚は黒豚と信じています。
黒豚以外にも、イノシシとの合いの子のイノブタ、黒豚と白豚の合いの子の豚などもあります。これらは流通する程の生産量はないと思います。
<カツ丼の地域相場価格×付加価値を決める要素を列記します>
*他のメニューも同じことが言えますので、参考にしてください。
地域相場価格的要素
●どんな肉をトンカツに使っているか?
●とんかつ1枚が何gの肉を使っているか?(80g~150gあたり)
●卵を使ってとじているか、ソースか、たれかけなのか?
●ご飯は適量入っているか?(食器により250g~270g程度)
●既成品トンカツか自家製トンカツか?
付加価値的要素
●希少な銘柄肉を使っているというこだわり
●揚げ油のこだわり
●グラム数が他店相場より大きいというこだわり
●卵とじに使う卵の銘柄のこだわり
●使用するお米の産地に関するこだわり
●加工や熟成に関するノウハウでできたトンカツというこだわり
以上のようなことで価格設定の決定案が決まります。
参考写真
以上のような3つの事例でそれぞれのニーズに従ってどのお店も繁盛されていると思います。
価格案が出た後に必ず
1,消費者目線でこの価格が受け入れられるかどうかを
チェックする
価格が上がっても、価格の見せ方を微調整してオーダー
数が落ちないひと工夫をする
2,自店で商品力から見て想定したアンカーポイントの
許容価格ゾーンの上限価格より10%安い価格を
実行売価のてっぺんと考える
私からお伝えできるノウハウはこんな感じです。
どこかで、飲食店さんや他のお店のお役に立てれば幸いに存じます。
(了)
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします