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今朝平遺跡 縄文のビーナス 40:大多賀峠の謎

愛知県道33号線の大多賀町下平(しもだいら)の足助川沿(あすけがわぞい)にあった謎の施設から33号線をさらに降りました。

愛知県豊田市 足助川
足助川 大多賀町 下平/藤ケタワ

大多賀峠を頂点にした円弧(上記地図の円弧ではなく、もっと広い範囲)の部分が大多賀町となっている。
そして、大多賀峠の谷間を水源とする足助川の右岸(ここでは北岸)の小字が下平、左岸が藤ケタワ(ふじがたわ)となっている。
「藤ケタワ」は当初「藤けたわ」だと思っていたので、「藤」は足助川左岸に多くみられる「藤」として、続く「ケタワ」に関して全国の「ケタ」と「ワ」地名を調べていたのだが、何のことはない、「ケ」は接続詞の「が」なので、「タワ」地名を調べなければいけなかったのだ。
ただ、「ケタワ」という不思議な地名だと思ったので興味を惹かれたのだが、おかげで「タワ」地名の謎が解けた。
タワ」は地形の「たわみ」を意味しており、たわみの頂点である「峠」を意味する場合があるのだ。
実際、岡山県には谷田峠(たんだダワ)と読む地名が存在する。
それが解ると、大多賀峠の「多賀(タガ)」も「タワ」から転嫁された名称である可能性があることが解ってきた。
もし、そうなら、「大多賀峠」とは「大きくたわんだ峠」という意味になる。

その大多賀峠から主に下平側を中心に下っている33号線を辿っていると、33号線沿いで最初の電柱のある場所に差し掛かかったが、ここには雨が降れば明らかに水路になる溝があった。

愛知県豊田市大多賀町 足助川右岸の溝

ただ、恒常的な水路のど真ん中にわざわざ電柱を設けるとは思えないし、溝は足助川の方から33号線の方に向かって下っているので、溝は迂回して足助川の方に向かっているのだと思われる。

33号線をさらに下ると、ガードレールが15mほど空いている場所に差し掛かった。
ガードレールに切れ目があったのはここに脇道に入る入り口があったからだということが判った。
大多賀峠以降2つ目の脇道は33号線から直角に南西に延びていた。
ガードレールの切れ目の路肩に愛車を駐めて、脇道の行く手を見ると、10m以内で通路の両側から伸びる樹木の枝葉に覆われ、行く手は見えなくなっている。
ただ、この枝道に入っていけば、足助川にぶつかるのは確実なので、徒歩で枝道に入って行った。
入って行くとすぐに足助川に架かった橋に出た。
33号線から15m以内だ。
欄干も無い短かな橋の上から上流側を見ると、水路幅が1.5mくらいの谷川になっており、両河岸には灌木や雑草が生い茂っていた。

大多賀町 足助川 無名橋上流側

橋の上流3mくらいの場所にインフラの黒いパイプが渡されていた。
上流に遊興施設があるのだから、電線と電話回線は通っていると思われる。

橋の下流側を見下ろすと、上流より水面幅は広がり、自然林の中を清流が流れていた。

大多賀町 足助川 無名橋下流側

33号線に戻り、さらに下っていると、再び15mほどのガードレールの切れ目があった。
ただ、ここには枝道は存在せず、足助川に向かって半円形にせり出した空き地があるだけだった。
この空き地からは直接、足助川を側面から見ることができた。

大多賀町 足助川

こちら側(右岸)は陽のあたる雑草に覆われた低地になっているのだが、向こう側(左岸)は日陰で、土手になっている。
その狭間を足助川が流れていた。
水路巾は広い部分で2mほどだ。

愛車に戻り、さらに33号線を下ると、再び幅15mほどのガードレールの隙間があった。
今度は何だ。
ガードレールの隙間に愛車を駐めると、足助川の方向の樹木の隙間に滝の白い瀑布が見えた。
ただ、白い瀑布がよく見える角度を探しながら33号線沿いを移動すると、それはガードレールのある場所だった。

大多賀町 足助川 堰

望遠レンズで覗くと、杉の密集した林の合間に高さ2m、幅3mほどの堰が足助川に設けられていることが判った。
足助川初の堰になる。

このあたりから33号線と足助川が接近し、33号線と足助川の高低差も少なくなり、33号線上からたびたび足助川を観ることができるようになった。

大多賀町 足助川

地形は岩石が多くなり、流れも急で、水は泡を含む水流となることから、白い飛沫が多くなり、足助川が目に付くようになってきた。

さらに33号線を下ると、足助川は今度は15mほどの深さの谷底を流れていたが、33号線沿いなので、今までに無い角度から足助川を撮影することができた。

大多賀町 足助川

ここを過ぎると、再び33号線と足助川の高低差が無くなり、距離も近くなった。

大多賀町 足助川 巨石

川岸に初めて巨石と呼べる石が現れた。

以下の部分では川床が1枚岩になっているようだ。

大多賀町 足助川

ここまで左岸(上記写真向こう岸)も岩になっているものの腐葉土を被っているので、巨石が存在するのか不明でしたが、以下の写真の部分では左岸にも巨石らしい石が存在する可能性のあることが確認できた。

大多賀町 足助川

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「藤ケタワ(ふじがたわ)」を「ふじけたわ」であると思っていた時には末尾の「ワ」を接尾語と考えていました。「ワ」を「河川曲流部の半円形の土地」と解釈していたのです。そして、33号線移動中に時折遭遇するガードレールの切れ目から足助川に向かって広がる地形がまさに「河川曲流部の半円形の土地」であり、見事に当てはまっていたのですが、他人の空似だったようです。

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