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子どもの社会「保育園のお友達関係」


こんにちは。
保育園で園長をしているSanaminaです。

保育園にはたくさんの子ども達がいます。

みんなお友だちです。

同じ年齢児ごとに活動することが多いので、同年齢児との関わりは深まります。

大人と同じように子どもたちの中でもちゃんと社会が成り立っているんです。

お家では見ることが出来ない
保育園でのお友だちとの関係や関わり方などを年齢別(クラス別)にお話したいと思います!

0歳児クラス

まだまだおしゃべりは出来ない赤ちゃんですが、ちゃんとお友だち同士の関わりはあります。

顔を見合わせて大笑いして、それをエンドレスで繰り返したり

お友だちが持っている玩具を奪い取ったり、
取られた側は床にうつ伏せに寝転がって泣いたり…、取られちゃった子に保育者が他の玩具を渡して気分をそらすと取られたことすら気づかなかったり。


ぜんぶの反応や行動が可愛いですよね。

みーーんな同じ赤ちゃんなのに、その中でも自分よりももっと赤ちゃんのことはわかっていて、覗き込んでおもちゃを渡してくれたり、指差して面倒見ようとしています。
「あなたも赤ちゃんよ!」とこちらはおもってしまいますが、赤ちゃんの世界の中でも密かなマウントはあるようです…笑

ほんわかエピソードばかりではありません。
戦いの場もあります。

お友だちの髪の毛を引っ張ったり、噛みついたり、、赤ちゃんの社会はかなり危険も隣り合わせです。

まだ力加減も、良し悪しもわかっていません。

思うがままに行動し、お友だちを傷つけてしまうこともあるのです。

保育中は常にそばで見守り、一瞬たりとも目が離せません。

1歳児クラス

お友達の顔と名前が一致します。
「〇〇ちゃんはどこにいる?」
と尋ねると
指を差して教えてくれます。

少しずつ言葉が発達してきます。
保育者との簡単な言葉のやりとりを楽しむようになります。

言葉や手や体などの表現も入れて
保育者が言葉を代弁して援助しつつ

お友だちと
「かして」「いいよ」「いれて」
「ごめんね」
「ありがとう」
のやりとりができるようになります。

まだまだ自分のことしか考えられない1歳児さんなので、このやりとりには保育者の仲立ちは必要です。

「かして」と言って
「いいよ」と言われてないのに取ることも多いです。
取られた側は大泣きですね。
まだ貸したわけではないですから。
その子からしてみれば奪い取られただけです。
取った側は
「だって、かしてって言ったもん!」と、そんなことを言うようにお互いに泣きあうことも。

それでもすぐに仲直り!!


お散歩で手を繋ぐ時は
自分が手を繋ぎたいお友だちが決まっていたりもします。でも、次の日にはまだ別のお友達の名前が出たりして、好きと言ってもそこまでこだわるわけではありません。
好きなお友だちもコロコロ変わります。

2歳児クラス

絶賛イヤイヤ発揮中の2歳児クラス。
「キライ!」「イヤ!」「これじゃなーーーい!」
否定的な言葉が飛び交います。

お友だちにも言います。
「キライ!」「バカ!」
悪気はないのです。

でも、機嫌が良い時には言うことはほとんどありません。
覚えたての言葉であれ、良くない言葉ということはわかっています。

女の子同士ならもうまるで女子会レベルで会話が成り立っています。
「かわいい♡」という言葉は大流行り。
お友だちと自分の持ち物を見せ合って、「かわいいー」と言いながら褒め合っているんです。

一緒に遊びたい友だちができます。
お家でも好きなお友だちの名前を言って、一緒に遊んだことを話始めるのもこの頃です。

言葉の発達が著しいとはいえ、まだまだ言葉が出ず、上手く伝えられないこともあります。
そのため、引っ掻いたり噛みついたりの事故もまだ頻繁に見られる年齢です。

年少児クラス

一緒にいるお友だちがある程度決まってきます。
でも、みんなとも仲が良いです。
誘いあって一緒によく遊ぶようになります。
言葉でのやりとりが盛んになり、言葉でのトラブルも多いです。

相手に強く言いすぎたり
グループを作って遊び始めると、途中から入ってくる子は入れてあげなかったり。

「〇〇ちゃんキライ!」
「〇〇ちゃんは入れてあげない」
こんな言葉も聞こえてきます。

言われた側は悲しい気持ちになります。
保育者が仲立ちをして
お互いの思いを受け止めます。
そして、相手の気持ちを保育者と一緒に考えます。
一緒に考えることが大事です。
まだまだ自分のことしか考えられません。

「だって〇〇ちゃんが〇〇をしたから…」
「〇〇ちゃんに〇〇された」
そんな言葉から始まります。

少しずつ相手の話を入れていきます。
保育者が相手の気持ちを代弁して伝えます。
じっくりと解決に導きます。

あとで解決しようと思っても、本人たちは色々忘れてしまいます。
今の状況、今の気持ちを持ったまま話すことが大切です。

年中児クラス

一人ひとりの個性が確立し始め、
「〇〇ちゃんはこんな子」と、なんとなく自分たちの中でお友だちの個性の違いがわかり始めます。
好きな遊びだけでなく、遊び方が同じ子同士で関わりが深まるのもこの時期です。

お友だちとのトラブルがあった時は、自分なりに理由も言えるようになります。
頑固として口を閉ざして言葉にできない子もいますが、許される限り時間をかけて言葉にして解決できるようにします。

ルールや約束をわかっているので、違うことをしている子を見つけると、まるで先生のように注意したりします。
そこからトラブルになることも。

グループを作って遊ぶようになり、その中でリーダー的に遊びを進めていくような子が出始めます。でもまだ上手くまとめることはできません。トラブルはつきものです。
この頃のリーダー的な子は、自分の思うように遊びを進めようとするからです。
周りを見てみんなが楽しく遊べるように考えているわけではありません。
それでも、リーダー的な存在の子を中心に遊びはどんどん展開されていきます。
自分たちだけのルールが出来たり一緒に案を出しあったりなど、関わりは深くなっていきます

年長児クラス

仲間意識が芽生えます。
力を合わせて頑張ったり、助け合ったり、認め合ったりが出来るようになります。

お友だちと自分を比べるようにもなります。
お友だちの方ができること。
自分の方ができること。
それぞれ人によって違うことを知り、お互いに認め合えるようになります。

それでも喧嘩はします。

小さい子なら噛みつき引っ掻きに繋がりますが、年長さんはしっかりと言葉で解決します。
保育者もすぐに仲立ちしません。 
必要であれば仲立ちをする程度です。

自分たちで解決出来るのも年長さんです。

相手のことを、周りのことを考えられるようになります。
感情のコントロールが出来るようになってきます。


トラブルがあった時、
子ども達同士で解決できる時、保育者の仲立ちが必要な時、状況によって異なります。
経緯や理由、自分の気持ち、相手の気持ちを考えて言葉にも出来るようになります。

年長さん同士のトラブルはお互い様なことが多いです。

お互いの思い違いでトラブルになることもあります。
そういう時は保育者の仲立ちが必要な時ですね!
お互いに話が噛み合わずまとまらないので、話を整理するために介入します。
ちゃんと順序立てて話をまとめて解決に導きます。

解決をしていく中で、気をつけるポイント。
上手に嘘なんかもつき始めますので、仲立ちする保育者は聞く力を持ち、しっかりと見極めが必要です。


赤ちゃんから年長さんまで長い期間をかけてお友達と様々な経験をします。

友だち関係も経験が大事です。
経験しながら、人間関係の築き方を学んでいきます。


人に優しく、思いやりを持って成長してほしいですね。


今回のお話はこれでおしまいです。
また次のお話でお会いしましょう!

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