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ICECREAM FEVERの試写会と性被害について

遅くなってしまった私のターン。
お待たせしました、ごめんね。

こないだは映画『ICECREAM FEVER』の試写会にお付き合いくださりありがとう!

こないだ山の上ホテルに行ったきり、次の約束ができていなかった(違うか、約束はできていたけどお店の都合で予定が決まっていなかった、が正解だね)から、不意に会えて本当によかった!

急にお誘いしたし、平日の日中だし、ダメ元だったんだけど、ああいうときに誘いに応じてくれると感動も一層高まる。

観終わったあとにアイス食べながらあーだこーだ話すのも楽しかった。あと、2人とも財布の中に1,000円くらいしか入っていないっていうのも笑っちゃった。

私はそれを理由に寄り道アイスを誘おうかどうしようか悩んでいたんだけど、迷っているあいだにはるちゃんのほうから誘ってくれたのもうれしかったし、しかも手持ちの残高も同じくらいで「学生かよ」って感じがとてもよかったです。

まぁ私は「いつも現金を持っていない女」で巷で有名なので、いつものことなんだけど笑。いつまでも懐事情だけ学生気分が抜けない……お金欲しい……。

映画の感想については散々アイスを食べながら話したのでここでは割愛するけれど、まぁ繰り返すなら、本当にあの映画をまっすぐに「おもしろかった!」と言われたらどうしようかなと思っていたので、そうじゃなくてよかったな、というところ。

でも私がカフェを開いたら白い壁に投影したい映画ランキングの中に入れてもいいなぁ(上から……)なんて思うくらいには映像はすきだったな。

まさしく今……

あとはちょっと今とてもとてもうれしいことがあったので、勢いでそのことについて書いちゃおうかな。

というのも、会社のセクハラ野郎の妻が臨月に入ったそうで、3週間リモートに入り、その末そのまま1か月育休を取るらしい!

いま私の斜め向かいの席なので、なにかと姿は見えるし声は聞こえるしで、かなり精神衛生上よくなかったのだけど、これで少なくとも約2か月は穏やかに過ごせると思ったら晴れ晴れしすぎて、発表された会議中からにやにやを抑えるのが大変だった……。

というか、1か月じゃ育児の「い」の字もできんだろうから、そのまま3年くらい休んでくれていいし、むしろ小学校を卒業するまで休んでいればいいし、なんなら成人を迎えるまで、というか永遠に戻ってこなくていい。

そんなわけで、はるちゃんにはすでに軽く話したこいつについて今日は話そうかな。

前置きをさせてもらうと、今までこの交換日記には生々しすぎる話は書かないでおこうと思っていたの。

なぜなら、これは大事なものなので、あとから読み返す可能性がおおいにあり、そのときに自分が全然遠いところにいたらはずかしくなってしまうんじゃないか、見るにたえないんじゃないか、と思うような内容には触れたくないから。

でもこの1年半ずーっと心に宿っていた闇をようやく取り払うことができ、視界がとてつもなく晴れやかになってね。

それで、どこかで言語化して置いておきたいなと思いはじめ、最近はこの交換日記以外に日記らしい日記をつけていないので、ちょっとこの場をお借りしようかなと思いました。

前置きが長いね。これははるちゃんにだけでなく、もしかしたらあとから読み返しているかもしれない未来の私にも向けています。「はずかしい部分をさらしていると思われるかもしれないけど、ちゃんと考えてから書いているんだよ」というアピールです。

1年半前、性被害に遭いました

……ということに、気づいたのは5月くらいなのだけど。そしてそれについて人に話せるようになったのは2週間くらい前から。

相手は当時仲がいいと思っていた会社の同僚。緊急事態宣言下はさすがの我が社もリモートワークで運営していて、その間毎日チャットで話していたし、週1で朝から終業時間まで作業通話もしていた人。

なんなら終業後もLINEでやりとりをしていた。(そうだ、各SNSはこの文章を書く前にブロックしたのだけど、LINEを忘れていた。ブロックします)

(いそいそとブロックをかましながら)2021年11月、ついに出社が解禁になり、私たちは毎日出社しなくてはならなくなった。リモートワークの味を知ってもなお出社したいとか言うようなやつはほぼ存在しないはず、体質の合わない会社ならなおさら。

そんなわけで、なにか楽しい約束でもするかーみたいなノリで、12月のある日、2人で仕事終わりにLIVEに行き、そのまま飲みに行く約束をした。

このとき私は、男女で仲良くするとしばしば社内で好奇の目を向けられることがあることは知っていたけれど、とはいえ今まで「性別なんて関係ないぜ!」といった感じで性別問わず仲良くなれる(みんながみんなそうだから変な目で見られることもない)会社にいた経験のほうが長いので、さほどおおごととも捉えていなかった。

で、事件が起きたわけである。くわしく話せるほどにはまだ傷は癒えていない、というか、これをはるちゃん以外の親しい人に見られてしまったときの相手への心象を考え、事細かに説明するのは避けるけど、路上だったし、私がまったく土地勘のない遠方だったことだけは書き記しておきたい。

そして、私が拒否したら邪魔なものをポイ捨てするみたいにその場に置いてかれたことも。

終電は過ぎていて、ひとりでなんとか駅にたどり着いても辺りは真っ暗闇で、直前に自分の身に起きたショックな出来事に自暴自棄になりそうになりながら、ここでさらに変質者が現れたら最悪だと恐怖におびえるくらいにはまだ理性は残っていた。

酔いなどとっくに覚めた頭で冷静に「今はひとりでいるべきじゃない」と考え、そういえばほぼ毎日飲みに行っているという友人がこっちのほうに住んでいたような気がする……という記憶力をたどって藁をもつかむ思いで電話をかけ、案の定飲んでいる最中だというその子のもとへタクシーを呼んでかけつけた。

余談だけど、はずかしながらタクシーを自分で呼んだこともなかったので、バッテリー残り少ないスマホから火を噴かせながらタクシー会社を検索し、選ぶこともなく上から電話をかけて呼び出した気がする。

なるべく「今まで飲んでいたんだけど飲み足りなくてまた別の友だちのところに飲みに行く」っぽい声色を出して。でないと、友だちだと思っていた人に簡単に裏切られた惨めな状況をまざまざと思い知らされそうだったから。

飲みに行ったお店で友だちはお酒の効果もありご機嫌でにこにこしていて、到底そのとき起きたことについて話す気にもなれず、「近くで飲んでいたんだけど終電逃しちゃって土地勘ないからもしかしてと思って電話してみたんだ~」などとばかみたいな顔で飛び入り参加させてもらった。

安心した途端、泣いてしまいそうな気持ちと急速に襲い掛かる眠気とでどうにかなりそうになりながら、ラム酒をちびちび飲んだ気がする。(初めて訪れるお店では大抵ラム酒を頼んでしまう)

翌朝、身も心もボロボロになりながら帰路に着き、なにも考えないように目をつぶってそのまま寝た。起きてももちろんそれは夢には変わらず、夜から小旅行の予定があったから、支度をしながら事件の直前までLINEをしていた友人に「同僚と初めて飲みに行ったら終電後に知らない土地に置いてかれた」とだけ伝え「信じられない!女の子をそんな時間に知らない場所に放置するなんて頭おかしい!」といった言葉をもらったのは覚えている。

あのときこの返信にとてつもなく救われた。すでに私はこのときの一連の事柄を俯瞰で捉えることができなくなっていて、友だちに言われることで「そうだよね、やっぱりひどいことだよね!」と自信を持てたのだ。まぁそのとき伝えた内容よりもさらにひどいことをされていたのだが。

そういえば起きた瞬間、こともあろうに「飲み代3,000円ね」みたいな金を請求するLINEがクソ同僚から届いていた。お店を出る前に奴はたしかに「飲み代はいいから」と言っていたのをばっちり覚えているけれど、3,000円ごときで借りを作りたくないので即座にLINEウォレットで送金した。クソが。賠償金3,000万円払え。

でもこのとき私はなるべく相手に敵意を出さないようにしていた。今までどおり友だちだよ~みたいな口調で連絡を取り合ってしまった。いま考えると後悔しかない。考えつくあらゆる罵倒を返してやればよかった。F**K YOU

先にいったように、善悪の分別がつかなくなっていたし、なぜか「私にも責任があるのかもしれない」と思っていたのだ。性被害者によくある話である。

女性が被害に遭ったときにこう考えることはよくあるというのを知っていて、そうなったときにどう対応すべきか、といったことはおそらく人一倍考えていたはずなのに。とてつもなく悔しい。

正気になった今は断言できる。責任はすべて相手にあるし、私は1mmも悪くない。

旅行中、どういうつもりだったのか探ろうと「飲み会あとのことを考えている」ってクソ野郎に送ったら「ふーん、よかったじゃん」と返ってきた。お前の鼻の穴に包丁を1本ずつ奥まで入れてもいいか?

その後、私はしばらくショックが続いていて、でもそれはあくまで「友だちだと思っていた相手から裏切られたこと」が理由だと思っていた。

なぜか何度席替えをしても向かいになるから、顔を見るたびもやもやしていたのに、ずっと理由はそれだけだと信じて疑わなかった。というより、目をつぶって、耳を塞いで、なにも考えないようにしていたのかもしれない。

だから結婚式にも行きたくなさすぎて遅刻はしたけどかろうじて行ったし(※事件時、クソマンはすでに婚約中だった)、今後取材をしていきたいというクソのためにいろいろレクチャーもしたし、「まぁ犬に噛まれたと思って忘れよう」「べつに大人だから平気だし、常に幸せで友人にも恵まれているから、たかがひとりに裏切られただけで私の自尊心が衰えるわけでもないし」と思っていた。

というか、まじでなんで排泄物に対して3万円のご祝儀を出さなきゃいけなかったのか未だに悔やまれるし(3万円あったらかわいいワンピースの1着も買えますわな。あの3人の諭吉は私を着飾るために使うべきであって、うんこを拭く紙ではなかったと思う。それはトイレットペーパーの役目)、そもそも自分が襲いかかったやつを結婚式に呼ぶ神経がサイコでしかなくて怖い。

でも、1年半ほど経過し、自分の様子がおかしいことに気づいた。サイコクソ野郎の顔を見ると吐き気をもよおすし、声が聞こえると脳内で5本ほど小刀をその顔に刺している。繰り返し刺しつづけることで、少し気持ちが晴れる。

自分の猟奇的な面に気づいて、ふと「あれは性被害だったんじゃないか」というひとつの考えがようやく浮かんだ。そう思うと、なぜか気持ちが楽になり、同時に「気づいてあげられなくてごめん」と自分に対して申し訳なさも生まれた。

そこで気づいた。「犬に噛まれたと思って忘れる」って、よくセクハラなどをされたときに使われるフレーズだけど、かつて「『犬に噛まれる』のも結構な事件じゃない?どうせ忘れるなら甘噛みくらいにしようよ」と思っていたことの答えに。

暴力は暴力のまま変わることはないけど、相手から向けられた性欲と侮蔑と自身から生じた自己嫌悪は忘れてもいいんだ、だから犬に噛まれることに代行させるんだ、と。

そう思ってからはすっかり気持ちも楽になって……といいたいところだけど、またこれもLINEで話したけれど席替え問題のストレスもありました。

先々週、席替えをすることになったので、渡りに船じゃん!ということで、今回はどうしてもそのゴミウンコから席を離してほしいと上司に伝えよう!と思いました。

が、なかなか言えず。自分に責任がないとわかっても、こんなにも人に伝えにくいものなのかと初めて体験した。被害者たちが言う「人には話せない」という気持ち、もちろんずっと共感していたけれど、「ああ、こんなにもそうなのか」と。

最初はエビデンスを残したくなかったから口頭で伝えようと思っていたけれど、そんなのは崖の上から命綱なしで下ろうとするくらい無理なことだと察し、チャットに変更。

かろうじて「ハラスメントを理由に席を離れたい人がいるので、先に席順表を見せてもらえますか」とだけ送ったのだけど、ものすごい緊張で手汗は滝のように溢れてくるし(崖とか滝とかダイナミックな表現が続きます)なにより手の震えがすさまじくて驚いた。

私はたったこれだけを伝えるだけでこんなに勇気を振り絞らなくてはいけないほど、ずっとひとりで抱えてきたのか。本当にごめん。ずっと気づけずひとりで背負わせてしまって、なんてかわいそうなことをしてしまったんだろう。

なにがシスターフッドだ、なにがフェミニズムだ。こんなにも一番身近な女性ひとり救ってやれずに、なにをほざいてやがる。そう思ったら自然と涙が出てきた。でもこれは他者によって生じた憤慨でも悲しみでもなく、自分への同情の涙だ。私が私にまた一歩近づいただけだ。

上司は「言ってくれてよかったです!」とすぐに表を送ってくれた。案の定私とゴミクソウンコは向かいの席になる予定だったので、一番遠い席を指定した。

そして難なく了承してくれたと思ったのだけど、その後なぜか当日になると斜め向かいの席に変更されていたのは、LINEで伝えたとおり。おかげで毎日視界に入るので、手刀が足りなくなりそうです。

「私ひとりのわがままでこんなことを言ってもいいのかな」という思いもあったので、第一声に「言ってくれてよかったです!」と返してくれたことには感謝しかないのだけど、斜め前か~びっくりしちゃったよね!あれ?せめて最終版決定前に先に私にだけ見せてくれてもよかったんじゃないかな?あれあれ?

とりあえず2か月弱は顔を見ずにすむことがわかったけど、まぁゴミクソウンコモンスターを生み出す会社もやはりクソってことですね。

最近は毎日、私自身がリモートに戻る方法を探す旅に出ています。会社の体質も死ぬほど合っていないので(今まで8社経験してきて断トツのワースト)転職するのが一番手っ取り早いんだろうなーとは思っている。

でも、副業のお仕事が軌道に乗る前に環境を変えるのも怖いし、常に2か月先まで取材予定が入るような状況になってしまったので転職活動もしにくいし……みたいな感じで動いていません。

まぁ本気でその気になったらそんなの全部どうにかして転職活動に励むだろうと思うので、ただの言い訳でしかないんだけど。まだそのときじゃないってことなのかもしれない。でもこんなにクソ事件起きていてそのときじゃないなら、そのときっていつなんだろうね?

……これがはるちゃんにこないだ少し話したことの全貌でした。「なにがあっても味方だよ」って言ってくれたの、とてもうれしかった。

実ははるちゃんに話す前、席替え事件の当日に会った友だちにも軽く話したのだけど、ものすごいスピードでスルーされてしまって、またも被害の重さを軽んじてしまいそうになっていたのだ。

「え?世間的にはそういう感じ?私が気にしすぎってこと?てか、全然たいしたことないじゃんとかそういう話?」と、また責任の数%を自分になすりつけてしまいそうになっていた。

だから気遣いながら聞いてくれたこと、とても助かったし、話してよかったなーって思えた。私もほかの人からそういう話をされたら同じように接したいし、あと第一声は上長みたいに「話してくれてありがとう」って言おうと今回の諸々を経て思いました。

上長についてはその後の対応は終わっていたけど。(まぁ彼だけではなく会社の都合もあったんだろうし、私も「ハラスメント」としか伝えていないからどの程度の深刻さなのかわからなかったというのもあると思う)

はるちゃんが言ってくれたように「『これも経験…』とか生ぬるく思わず踏みつけて」いくつもりだけど、気が晴れてからは悩んでいたころより遥かにたくましくなったと思う。

まぁこんな経験はしなくていい経験だけど、してしまったからには糧にしたいというか、転んでもただでは起き上がりたくないので、創作するときに活用できればと思っているよ。

性被害の話は書きたくないけど、「男性から押さえつけられていることに気づけなかった女性の解放」みたいな。あーでももちろん、今回たまたまそう思えただけなので、二度とこんな目には遭いたくないし、はるちゃんにも遭ってほしくないし、ほかのだれにも遭ってほしくない。

だから、されたことを肯定化するつもりはない。

PMSで心が苛立っているときは、心の底からあのゴミクソウンコ汚物発情ムカデ野郎をドラマ『ペリフェラル』に出てくる、人間の体の中から破壊させるマシンを使って、骨を壊し、内臓をひとつずつ破裂させ、最終的に脳を少しだけ破壊して殺さずに自然と死に絶えるまで苦しめばいいと思うし、あるいは三浦しをんの『私が語りはじめた彼は』の冒頭の話のように、穴という穴をすべて塞いで食事のときだけ口を開けさせて、一生排泄もさせず、なにも見えず、なにも聞こえず、なにも嗅げずに満腹で苦痛のまま一生苦しめばいいとも思う。

私はあまり人のことを嫌いになったりしないので、人生で嫌いだと認識した人数は1人しかいなかったのだけど、こいつに関しては嫌いとかでもなく、ずっと憎悪を抱いていくのかもしれない。

そして私はだれかにそこまでの強い憎しみを感じると、結構物騒なことを考えるんだなと思った笑。

今はとりあえず、ゴミクソウンコ汚物最低発情ムカデ野郎が早くリモートになってくれないかとわくわくしている今時分です。なんなら私をリモートにしてくれても全然いいです。ウェルカムです。いつでも!

P.S. 悪口をひとつずつ増やしていたのだけど、思いつかずに「悪口一覧」を掲載したサイトからいくつか借りました。世の中にはいろんなサイトがあるな。

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