浦田みなみ

エモが主食の物書き屋さんです。 仕事でノンフィクションばかり書いていてエモ欠乏症なので…

浦田みなみ

エモが主食の物書き屋さんです。 仕事でノンフィクションばかり書いていてエモ欠乏症なので、noteでなにか書けたらいいなぁ。

マガジン

  • 交換日記

    • 22本

    コロナ禍に会えなかった友だちと久しぶりに再会し、交換日記を始めることになりました。会えなかった期間、そしてこれからの思い出をもっと共有したいね。

  • ハッピーエンドはボロボロだった

    • 3本

    交換小説です(作者は2人)。 最終回を公開したら紹介文を書きます。

  • ひねくれ日記

    個人的に考えさせられたことについて、答えが出せたら言語化していきたいなっていう置き場所。 自分では素直な性格だと信じているのだけど、なんだかひねくれた物言いが多くなってしまうからひねくれているのかもしれない…でもそんな私も好き。

  • エモ。

    エモーショナルが詰まったエッセイ、ポエムなどをぶちこみます。

  • 余り物消化メニューレシピ

    我が家では基本的に母が買い出しに行くのだけど、毎回大量に買ってきては忘れてしまう性質の持ち主なので、彼女が足を骨折して毎食の食事を私が担当することになった機会に、発掘した化石化しつつある野菜や賞味期限切れの食料を消化するレシピをまとめることにしました。 食事のときに写真を撮らないので(作ったらすぐ食べたいし、キッチンが狭くて作っている最中は撮れない)トップ画像は基本的にいらすとやさん任せ。

記事一覧

SHIBUYA GIRL AGAIN

前回のはるちゃんのターンから2か月が経ってしまった。 慌ただしかったのですよ。「『忙しい』なんていうのは言い訳にすぎない」とか言う人もいるけど、だとしても私はどん…

浦田みなみ
2か月前
3

ダンゴムシに孤独を救われた女2023

いつの間にか11月に入っていて驚いた。 今年は夏が長いせいか、例年以上に後半戦のスピード感がすさまじいように感じる。 しかも未だに夏日を記録する日があり、どなたかが…

浦田みなみ
5か月前
7

小さな星の小さな生命体のたわごと

長い長いコロナとの戦いもようやく終わりが見えてきました。そう、私は8月末にコロナにかかり、5日間の外出禁止令を受け、丸々その期間ずっと屍のように高熱と戦い、その後…

浦田みなみ
8か月前
7

鮮血と夏休みの終わり

おそるべきスピードで大量の血が体から出ていっている。 毎月毎月、本体である私が忘れていても見事に周期きっかりにやってくる私の生理ちゃんは基本的に重め。 よくもま…

浦田みなみ
8か月前
5

いつだって月の光は愛のメッセージ

はるちゃんが「世界に悲しいことが多くて筆が進まない」って連絡をくれたとき、私もずーっとどんよりした気持ちでいたよ。 あのとき、大変なことが起きてしまったなと思っ…

浦田みなみ
10か月前
7

ICECREAM FEVERの試写会と性被害について

遅くなってしまった私のターン。 お待たせしました、ごめんね。 こないだは映画『ICECREAM FEVER』の試写会にお付き合いくださりありがとう! こないだ山の上ホテルに行…

浦田みなみ
10か月前
18

女子高に思いを馳せたい2023

「タイムマシンで過去に戻れたら、いつに戻りたい?」という質問はよく耳にするけれど、私はいつだって今の自分が最高だと思っているので、いつだろうと過去には戻りたくな…

浦田みなみ
11か月前
4

明日はなにを着ていこう

はるちゃんの日記を読むと、いろんな部分に共感したり、話したいことが出てきたりして、つい私の日記は毎回アンサーソング的な立ち位置に落ち着いてしまいがちなので、今回…

5

私たちは違う国の女王さま

はるちゃんの日記を読んで「理解しあえないのは前提、だって別の人間だから」の一言に深くうなずいたよ。 私には『違国日記』(ヤマシタトモコ著/祥伝社)というだいすき…

3

GW最終日。大雨。

今日は遊びに出かけないと決めていたので、朝8時に起きて、ヨガに行って、そのまま敬愛するインストラクター兼ヨガスタジオオーナー兼友人と少し早いランチにおそばを食べ…

1

拝啓、はるちゃんへ

はるちゃんとの交換日記2回目。 私が書くのは初めてだから、1回目のはるちゃんのタイトルに倣って呼びかけてみたよ。 はるちゃんのこと出会ったのが2018年だったこと、も…

3

The Story of Plastic

…という映画を見た。 今年の10/2(日)に。(もうすでに1か月以上経過していてびっくりする) 映画のレビューはいつも、サポーターをやらせてもらっているFilmarks上に書…

1

ハッピーエンドはボロボロだった #3

「昨日、先輩と飲んでただろ?」 「え?」 珍しく内田が隣の席に座り、話しかけてきた。 「なんだっけ、名前。1個上の」 「ああ、飲んでたよ。なんで知ってるの」 わざと無…

2

成長したと思っていたはずが元のままだったら凹むよねって話を駄文でお送りします

人生何度目か(少ない)のモテ期到来の予感である。 と、さもHAPPY全開!みたいな始まり方をしておいて、実は好ましくない事態であることを先に示しておく。 というのも、…

4

ハッピーエンドはボロボロだった #1

オフィスの窓から見下ろすように桜を眺めながら菓子パンを食んでいると、後ろの方からたわいない会話が聞こえてきた。 「人生どこからでもやり直せるとしたら、いつに戻る…

2

私たちレズビアンだったら付き合っていたよねと戻れない分岐点を話した夜

渋谷駅。 いつものようにホテルに帰ると言う女友だちを見送る。 エスカレーターの前で「バイバーイ」と互いに手を振って、彼女が後ろを向いて歩き始めたのを見守ると、すぐ…

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SHIBUYA GIRL AGAIN

SHIBUYA GIRL AGAIN

前回のはるちゃんのターンから2か月が経ってしまった。
慌ただしかったのですよ。「『忙しい』なんていうのは言い訳にすぎない」とか言う人もいるけど、だとしても私はどんどん言い訳していく派。

だって本当に自分のことを書く余裕がなかったんだもん。
新しい会社に入社いたしまして(2/1〜)、めちゃめちゃ楽しく過ごしているのですが、実質ひとりでメディアを運営する感じになっていて(語弊のないようにちゃんと補完

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ダンゴムシに孤独を救われた女2023

ダンゴムシに孤独を救われた女2023

いつの間にか11月に入っていて驚いた。
今年は夏が長いせいか、例年以上に後半戦のスピード感がすさまじいように感じる。
しかも未だに夏日を記録する日があり、どなたかがTwitter(かたくなにXとはいわない)で「夏、余ってたの?『余ってるのでよかったら……』っておすそわけするのなしにしよう」みたいなことを言っていて、ふふっと笑った。
変な気候。

前回のはるちゃんの日記を読んで、うれしかったことと考

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小さな星の小さな生命体のたわごと

小さな星の小さな生命体のたわごと

長い長いコロナとの戦いもようやく終わりが見えてきました。そう、私は8月末にコロナにかかり、5日間の外出禁止令を受け、丸々その期間ずっと屍のように高熱と戦い、その後は咳と頭痛と倦怠感、いわゆるコロナ後遺症と戦うことになったのであった。

ようやくそれも良くなってきたかなという自覚はあるものの、まだまだ身体は「絶好調!」というわけにはいかず、毎週行っていたヨガも休みがちだし、新しいイベントにも気が乗ら

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鮮血と夏休みの終わり

鮮血と夏休みの終わり

おそるべきスピードで大量の血が体から出ていっている。
毎月毎月、本体である私が忘れていても見事に周期きっかりにやってくる私の生理ちゃんは基本的に重め。

よくもまぁ152cmという小さな体からこんなにも大量の血液が出るもんだと感心するほど大量に排出され、その代償もとても大きい。

全身がだるく重いし、めまいはデフォルト、尋常ではない眠気も襲う。
体の表面は冷えているのに病的な量の汗が分泌され、ただ

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いつだって月の光は愛のメッセージ

いつだって月の光は愛のメッセージ

はるちゃんが「世界に悲しいことが多くて筆が進まない」って連絡をくれたとき、私もずーっとどんよりした気持ちでいたよ。

あのとき、大変なことが起きてしまったなと思った。
ニュースサイトから「速報」と通知が届いて、記事を読んでもにわかには信じられなくて、どこか上の空で、お約束のように末尾に並ぶ「いのちの電話」の番号を眺めていた。

自他の境界線はわりとはっきりあるほうなのだけど、自身から生まれる悲しみ

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ICECREAM FEVERの試写会と性被害について

ICECREAM FEVERの試写会と性被害について

遅くなってしまった私のターン。
お待たせしました、ごめんね。

こないだは映画『ICECREAM FEVER』の試写会にお付き合いくださりありがとう!

こないだ山の上ホテルに行ったきり、次の約束ができていなかった(違うか、約束はできていたけどお店の都合で予定が決まっていなかった、が正解だね)から、不意に会えて本当によかった!

急にお誘いしたし、平日の日中だし、ダメ元だったんだけど、ああいうとき

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女子高に思いを馳せたい2023

女子高に思いを馳せたい2023

「タイムマシンで過去に戻れたら、いつに戻りたい?」という質問はよく耳にするけれど、私はいつだって今の自分が最高だと思っているので、いつだろうと過去には戻りたくない派。

なんだけど、最近は女子高時代が懐かしいなと思うことがある。高校時代ではなく、ポイントは「女子高」時代である。

高校受験のとき、記念も本命も滑り止めもふくめて、たしか私は4校受けたと記憶しているのだけど、そのうち3校は女子高を選ん

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明日はなにを着ていこう

明日はなにを着ていこう

はるちゃんの日記を読むと、いろんな部分に共感したり、話したいことが出てきたりして、つい私の日記は毎回アンサーソング的な立ち位置に落ち着いてしまいがちなので、今回は我慢しようと思う。

すべてに言及しなくても、そっと飲みこむことで共鳴することもあると信じているので。
そしてそのほうが、お互いの心の中でふくらむ豊かさもあるような気がする。
(人間、言葉で伝えないとわからないことも多いけどね)

でも『

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私たちは違う国の女王さま

私たちは違う国の女王さま

はるちゃんの日記を読んで「理解しあえないのは前提、だって別の人間だから」の一言に深くうなずいたよ。

私には『違国日記』(ヤマシタトモコ著/祥伝社)というだいすきでたいせつな漫画があるのだけど、作者のヤマシタさんは「“人と人は絶対にわかり合えない”という漫画を描きたい」という思いでこの作品を描きはじめたらしい。

実際にそれを象徴するように、主人公のひとり(叔母)がもうひとりの主人公(姪)に対して

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GW最終日。大雨。

GW最終日。大雨。

今日は遊びに出かけないと決めていたので、朝8時に起きて、ヨガに行って、そのまま敬愛するインストラクター兼ヨガスタジオオーナー兼友人と少し早いランチにおそばを食べに行き、雨だというのに、そしてGW中だというのに、行列ができていたのですぐにお店を出て、スタバでお茶をしながらゆっくりおしゃべりするという時間を作った。

そのあとは家に帰って、浴槽を洗い(私は入る直前に洗う派)、いつものプレイリストととも

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拝啓、はるちゃんへ

拝啓、はるちゃんへ

はるちゃんとの交換日記2回目。
私が書くのは初めてだから、1回目のはるちゃんのタイトルに倣って呼びかけてみたよ。

はるちゃんのこと出会ったのが2018年だったこと、もう忘れてしまっていた。
誤解しないでほしいんだけど、私は時間を追うのがとにかく苦手で、自分の年齢さえもしばしば忘れてしまうほどなので、はるちゃんとの出会いが大切だったのはまちがいないよ。

きっかけはFilmarksのサポーター同士

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The Story of Plastic

The Story of Plastic

…という映画を見た。
今年の10/2(日)に。(もうすでに1か月以上経過していてびっくりする)

映画のレビューはいつも、サポーターをやらせてもらっているFilmarks上に書いていて、ひとつのアプリに集約させることで、いつどんな作品を観たかを簡単に見返せるようにしているのだけど、なぜかこの映画はFilmarksに登録されていなかったので、先に書いてメモで残していたレビューをここで消化させることに

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ハッピーエンドはボロボロだった #3

ハッピーエンドはボロボロだった #3

「昨日、先輩と飲んでただろ?」
「え?」
珍しく内田が隣の席に座り、話しかけてきた。
「なんだっけ、名前。1個上の」
「ああ、飲んでたよ。なんで知ってるの」
わざと無意味にけらけらと音を立てて笑いながら返す。
内田はいつもの早口で続けた。
「お前、あの人と仲いいよなー。いや昨日あの辺で飲もうとして店探してたんだけど、たまたま見かけたから」
「あーそうなんだ。俺もあそこ初めて入ったんだよな」
嘘をつ

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成長したと思っていたはずが元のままだったら凹むよねって話を駄文でお送りします

成長したと思っていたはずが元のままだったら凹むよねって話を駄文でお送りします

人生何度目か(少ない)のモテ期到来の予感である。
と、さもHAPPY全開!みたいな始まり方をしておいて、実は好ましくない事態であることを先に示しておく。

というのも、結局昔の状態のまま変化していない自分の姿を認めてしまったわけだ。
しかも、すっかり成長したと自信を持っていたところにその再発見は心に刺さるものがあった。

まず、前提として4,5年ほど前までアロマンティックでアセクシャルだと自認して

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ハッピーエンドはボロボロだった #1

ハッピーエンドはボロボロだった #1

オフィスの窓から見下ろすように桜を眺めながら菓子パンを食んでいると、後ろの方からたわいない会話が聞こえてきた。
「人生どこからでもやり直せるとしたら、いつに戻る?」
楽しげな声にいささか僕までにこやかになりながら答えを待つも、相手はなかなか自分の中のベストアンサーに辿り着けず、熟考しているようだ。

今朝出社したときに特段強度を放っていた風は今なお健在のようで、枝を揺らして花びらを散らすことに躍起

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私たちレズビアンだったら付き合っていたよねと戻れない分岐点を話した夜

私たちレズビアンだったら付き合っていたよねと戻れない分岐点を話した夜

渋谷駅。
いつものようにホテルに帰ると言う女友だちを見送る。
エスカレーターの前で「バイバーイ」と互いに手を振って、彼女が後ろを向いて歩き始めたのを見守ると、すぐにこちらに戻ってきて思いきりハグされた。

「なにもう~」とかなんとか言いながら、思わず笑いながらしっかり抱き留めたりして、また「バイバーイ」と手を振って、そしたらもう一度戻ってきてハグ。

結局何度もそれを繰り返して、私たちはエスカレー

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